Amazon WorkDocs からの移行にあたって現在の使用状況を整理してみた
いわさです。
みなさん Amazon WorkDocs、使ってますか?
実は WorkDocs はもうすぐ廃止期限を迎えます。
現在はもうすでに新規利用開始が出来ない状態ですが、2025 年 4 月 25 日以降は現在お使いの方も環境やデータが削除され使用できなくなります。
廃止に伴って S3 にエクスポートする機能が提供されちえるので削除前にデータを退避することは簡単に出来そうです。
しかし、WorkDocs をこれまで使っていた方は今後どうしたら良いのでしょうか。
代替サービスは AWS から提供されていないので別のサービスを探す必要があります。
そして別のサービスを探すにあたっては料金がどの程度なのか見積もりを行う必要がありますが、利用ユーザー数やストレージの使用量によってその料金も変わってきます。
ということで本日は、現在の使用状況を把握する方法について調べてみましたので紹介します。
使用状況の確認方法
いくつかの方法で確認ができるのですが、実は WorkDocs のマネジメントコンソール上からはほとんどの情報が確認出来ません。
AD の管理ユーザーで WorkDocs アプリケーション内で管理者コントロールパネルにアクセスし、そちらから確認するのが一番簡単です。
WorkDocs コンソールから
まず WorkDocs で何を確認できるのか見てみましょうか。
組織 ID、サイト URL、作成日、ディレクトリタイプ、キータイプくらいでほとんど中身については確認できないようになっています。
アクションメニューからも詳細情報の確認メニューはないですね。
WorkDocs の Admin Control Panel から
Amazon WorkDocs サイトに管理者権限ユーザーでサインインすると次のように Admin Control Panel にアクセスすることが出来ます。
こちらからどういったユーザーが存在し、ユーザーのロールや、各ユーザー無料の 1 TB のストレージが与えられているのですが、どの程度使用されているのかを確認することが出来ます。
あとは別の画面から直近のアクティビティ(誰がどのファイルをダウンロードしたとか)や共有フォルダなども確認できます。
ちなみに、本日時点では Amazon WorkDocs サイト内でも次のように終了を示すバナーが表示されるようになっています。
CloudWatch メトリクスから
まず、Amazon WorkDocs 自体は CloudWatch と統合されておらず、残念ながらストレージ使用量やアクティブユーザーなどの情報をメトリクスとして取り扱うことは出来ません。
ただし、API 使用状況については他の AWS サービスと同様にメトリクスが取得できるので、これを利用して CloudWatch からも少し情報を取得することが出来ます。
例えば API のうちGetDocument
を始めユーザー操作に関わる API を確認することでユーザーの使用傾向を掴むことが出来ます。
実際に今 WorkDocs が使われているのか、アクティブなだけで全く使われていないのかなどを把握したいのであればこの方法は有効だと思います。
AWS CLI から
ユーザー数やディレクトリの構造などを把握するためにはするためには管理者ユーザーで WorkDocs サイトにアクセスし管理者機能で確認するしかないのでしょうか。
マネジメントコンソール上では確認は出来ないのですが、実は WorkDocs API を使うことである程度の情報を確認することが出来ます。つまり IAM 権限があればある程度の把握が可能です。
API の実行にあたって組織 ID を指定する必要があるので、そこだけマネジメントコンソールから確認しておきましょう。以下です。
まずはじめに使うのはdescribe-users
コマンドです。ユーザー一覧を取得することができます。
% aws workdocs describe-users --organization-id d-1234567890
{
"Users": [
{
"Id": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&d-1234567890",
"Username": "hoge@example.com",
"EmailAddress": "hoge@example.com",
"GivenName": "xxx",
"Surname": "yyy",
"OrganizationId": "d-1234567890",
"RootFolderId": "3a7bd3e2360a3d29eea436fcfb7e44c735d117c42d1c1835420b6b9942dd4f1b",
"RecycleBinFolderId": "1f4b8d13aaf8466fe18bb02832e6cd79c08a6d64d608b2516fa6eacfadf54356",
"Status": "ACTIVE",
"Type": "USER",
"CreatedTimestamp": "2021-09-28T11:58:07.361000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2021-09-30T20:43:57.423000+09:00",
"TimeZoneId": "Asia/Tokyo",
"Locale": "ja"
},
:
{
"Id": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890",
"Username": "hoge@example.com",
"EmailAddress": "hoge@example.com",
"GivenName": "xxx",
"Surname": "yyy",
"OrganizationId": "d-1234567890",
"RootFolderId": "74e1bb62f8dabb8125a58852b63bdf6eaef667cb56ac7f7cdba6d7305c50a22f",
"RecycleBinFolderId": "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4",
"Status": "INACTIVE",
"Type": "MINIMALUSER",
"CreatedTimestamp": "2023-03-28T14:46:08.428000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2023-05-19T11:15:18.869000+09:00",
"TimeZoneId": "Asia/Tokyo"
}
]
}
ユーザーごとに名前やメールアドレス、ステータスやタイプが確認できますね。
通常のユーザーはタイプが USER で、管理者は ADMIN です。
また、上記からユーザーごとのルートフォルダー ID を示す SHA-256 ハッシュ文字列を確認することができます。
WorkDocs ではユーザーごとにフォルダを持っているのでこのルートフォルダを辿るとどういったフォルダがあってどの程度の使用量なのかも API から把握ができます。
describe-folder-contents
で上記フォルダ ID を指定することで情報の取得が可能です。
% aws workdocs describe-folder-contents --folder-id "74e1bb62f8dabb8125a58852b63bdf6eaef667cb56ac7f7cdba6d7305c50a22f"
{
"Folders": [],
"Documents": [
{
"Id": "faf50e63d50b1afbb9c24414efbf260cc63fc9cb140db476f2b82395753b349d",
"CreatorId": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890",
"ParentFolderId": "2ccc6c97faf7d7ef632bca4b259561b7d2f2c6beb77bacac735215031b927feb",
"CreatedTimestamp": "2024-03-05T08:52:41.106000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2024-03-05T08:52:42.578000+09:00",
"LatestVersionMetadata": {
"Id": "1709596361106-863d0e90809cf7b279944260303ec53d7a44f014db29d309f175763663baf674",
"Name": "hogehoge.docx",
"ContentType": "application/x-ms-shortcut",
"Size": 514,
"Signature": "8129fe8f6de4e89abcd1212b2397fdc7",
"Status": "ACTIVE",
"CreatedTimestamp": "2024-03-05T08:52:41.106000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2024-03-05T08:52:41.106000+09:00",
"ContentCreatedTimestamp": "2024-03-05T08:51:55.438000+09:00",
"ContentModifiedTimestamp": "2024-03-05T08:51:55.625000+09:00",
"CreatorId": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890"
},
"ResourceState": "ACTIVE"
}
]
}
% aws workdocs describe-folder-contents --folder-id "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4"
{
"Folders": [
{
"Id": "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c3",
"Name": "folder1",
"CreatorId": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890",
"ParentFolderId": "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4",
"CreatedTimestamp": "2021-09-28T12:04:46.421000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2025-03-11T17:03:13.555000+09:00",
"ResourceState": "ACTIVE",
"Signature": "9c0d1e2f3a4b5c6d7e8f9a0b1c2d3e4f",
"Size": 58495163819,
"LatestVersionSize": 25255452537
},
{
"Id": "dcb73fe4719bb7fada06c5a7442a2f4e038018aa226f7bae0425f02705b60f8f",
"Name": "folder2",
"CreatorId": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890",
"ParentFolderId": "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4",
"CreatedTimestamp": "2021-09-28T12:05:04.749000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2025-03-10T08:29:15.540000+09:00",
"ResourceState": "ACTIVE",
"Signature": "3e4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4d5e6f7a8b",
"Size": 2651539942,
"LatestVersionSize": 2608388713
},
{
"Id": "ecf1729b63b17a902eaaadf7bbe08ae71dcf5562817fc9508a996c6b603c4ae8",
"Name": "folder3",
"CreatorId": "S-1-1-11-1111111111-2222222222-3333333333-4444&&d-1234567890",
"ParentFolderId": "c5f7fa6c9de4fd2c1a3f1171f9b5e1d2e2ef8d3e3de4f5a6b7c8d9e0f1a2b3c4",
"CreatedTimestamp": "2021-09-28T12:04:56.965000+09:00",
"ModifiedTimestamp": "2025-03-07T15:33:19.971000+09:00",
"ResourceState": "ACTIVE",
"Signature": "7a8b9c0d1e2f3a4b5c6d7e8f9a0b1c2d",
"Size": 63266120,
"LatestVersionSize": 31947398
}
],
"Documents": []
}
Folders に指定したフォルダ配下に含まれるフォルダが、Documents にコンテンツが出力されています。
そして、各フォルダには Size プロパティがありましてこちらを計算することでそのフォルダ内のコンテンツサイズを確認することができます。
ひとつめのフォルダ 58495163819 はおそらく Byte なので、54.48 GB ですね。
Admin Control Panel から確認してみると、若干差がありますがまずまず近い値になってるので使えそうです。
さいごに
本日は Amazon WorkDocs からの移行にあたって現在の使用状況を整理してみました。
管理ユーザーがすぐに使えれば良いのですが、AD の関係で簡単ではない場合は CloudWatch と AWS CLI を使うことで使用状況の把握が可能です。
もう来月廃止なのでいま調べている方も少ないと思いますが、同じ立場の方は試してみてください。急ぎましょう...!