Zendeskを使い始めるのに必要な3つのこと+α – Zendesk Advent Calendar 2023

Zendeskを使い始めるのに必要な3つのこと+α – Zendesk Advent Calendar 2023

Zendeskの導入には、ライセンスの購入、要件定義と設定作業、Zendeskの使い方の習得が必要です。また、必要に応じてアプリの購入や開発による機能拡張、データの移行も考慮する必要があります。これらの作業を自社で行うのが難しい場合は、Zendesk公式パートナーであるクラスメソッドがサポートを提供しています。
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こんにちは、ゲームソリューション部でZendeskのエンジニアを担当している入井です。本記事はクラスメソッドZendesk Advent Calendar 2023の1日目の記事です。

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クラスメソッド Zendeskのカレンダー | Advent Calendar 2023 - Qiita

既に問い合わせ管理業務を行っている会社の担当者の方や、これから問い合わせ管理業務の体制を作ろうとしている方の中には、Zendeskというサービスの存在は知っていて興味は持っているけれど、どのように導入を進めれば良いかよく分からないという方もいらっしゃると思います。

今回の記事では、そんな方々に向けてZendeskの運用開始までにどのような事前準備をしなければいけないのかを書いていきたいと思います。

本番運用までに必ずやらないといけない3つのこと

Zendeskの導入対象となる環境は、大規模なコールセンターや少人数での社内問い合わせ対応の現場など様々にありますが、どのような環境であっても対応が必要なことについて最初に書いていきます。

ライセンスの購入

当たり前ではありますが、ライセンスが無ければZendeskを使用することはできないため購入が必要です。

Zendeskのライセンス費用は月額制で、プランによって異なる月額単価 x 利用人数によって決まります。利用人数とは、Zendeskを使って問い合わせ対応などを行ういわゆるオペレーター(Zendeskではエージェントと呼びます)の人数のことで、問い合わせを行う側のユーザー数についてはどのプランも無制限です。

また、同じエージェントであってもチケット情報等を参照するだけのエージェントであれば、一定数まで無料でZendeskへアクセス可能です。これはライトエージェントというアカウントで、プランによって利用可能な数が異なります。

また、費用の支払い方法として月払いと年間一括払いの2パターンがありますが、年払いの方が月額単価が安くなる仕組みです。

Zendeskの代表的なプランは以下のようなものがあります。月額単価については、2023年12月現在の年払いの金額を記載しています。

  • Suite Team
    • 月額単価$55
    • ライトエージェントは使えない
    • 基本的なチケット管理、電話含む多様な窓口設置、FAQサイト、チャットボット、分析機能などが利用可能。
  • Suite Growth
    • 月額単価$89
    • ライトエージェント上限50人
    • Teamの内容に加えて、FAQサイトが複数作成できたり、より複雑なフォームが作成できたりなど、機能が拡張。
  • Suite Professional
    • 月額単価$115
    • ライトエージェント上限100人
    • Growthの内容に加えて、IVRなど通話関係の機能の大幅強化、コミュニティフォーラムの作成、独自のデータ分析などが可能。
  • Suite Enterprise
    • 月額単価$169
    • ライトエージェント上限1,000人
    • Professionalの内容に加えて、各種ワークフローやロールのカスタマイズ、リアルタイム分析、サンドボックス、AI機能などを提供。
  • Suite Enterprise Plus
    • 月額単価$249
    • ライトエージェント上限5,000人
    • Enterpriseの内容に加えて、サンドボックスやディザスタリカバリの拡張、その他Zendeskのカスタマイズに関わる機能を提供。

より詳細な情報については、公式サイトの価格表ページをご参照ください。

単価を見ると分かる通り、利用人数が増えるとそれなりに大きな費用になります。いきなり大きな金額を払うのは難しいという場合もあると思いますが、そのような時は14日間の無料トライアルがオススメです。利用期間は決まっていますが、Zendeskの全ての機能にアクセスが可能で、各機能がどのように動作するのかを実際に触って確認することができます。

トライアルで利用できるプランはProfessionalが基本となっています。しかし、Zendeskに問い合わせればそれ以外のプランを試すことも可能です。また、正式契約に進んだ場合、トライアル中に追加したデータや変更した設定内容はそのまま引き継がれるようになっています。

なお、2023年12月現在、スタートアップ企業に対して6ヶ月間無料で利用できるプログラムが用意されているため、条件に当てはまる企業はこちらを利用するとかなり費用を削減できます。

スタートアップ支援プログラムに参加する- Zendesk

要件定義と設定作業

Zendeskを利用開始した時点では、最低限の設定しか行われていません。したがって、導入する組織や業務の要件に合わせて、Zendeskの設定をカスタマイズする必要があります。

特に、Suiteプランを導入する場合、設定作業の対象となる機能は多岐にわたります。例えば、チケット管理、FAQサイト、フォーム、分析、音声通話、チャットボットなどがあります。それぞれ設定の自由度は高く設定内容によって全く異なる動きをするため、適切な設定を行わなければ業務効率化を達成することは難しくなります。

参考までに、設定作業の進め方の一例を書きます。

最初に、要件定義を行います。以下のような項目を整理し、Zendeskにどのような動作を求めるかを検討します。(実際には、各項目の粒度はもっと細かくします)

  • Zendeskを使って解決したい業務上の課題
  • 問い合わせ管理業務を行う担当者の規模や属性
  • 問い合わせをしてくるユーザーの規模や属性、必要な窓口
  • (既に問い合わせ対応業務を行っている場合)現状使っているツールや業務フローの整理

要件を整理した後、実際にZendeskの管理画面に入り、各機能の設定項目を見てどのように設定すれば要件を満たせるか検討していきます。よく分からない設定項目があったら、公式ドキュメントを参照します。設定自体はどれも管理画面から簡単に行うことができ、技術的な知識は不要です。

恐らく、要件によってはそのままZendeskで実現するには難しいものもいくつか出てくると思います。その場合、Zendeskの仕様に合わせて要件を修正するか、アプリの導入やカスタマイズ開発(後述)によってZendeskの機能拡張を行うかを検討します。

全ての要件についてZendeskの設定画面と照らし合わせての確認が完了したら、Zendeskに必要な設定を適用していきます。設定が完了したら、最後に動作確認も必要です。特に、トリガなどの複雑な動きをする機能は、しっかりとチェックが必要です。

上記のようなステップを踏むことで、組織や業務の要件に合ったZendeskの設定が可能です。

Zendeskの使い方の習得

Zendeskの導入を進める担当者の方は、その機能や使い方をある程度理解しているかもしれません。しかし、実際の運用で問い合わせの対応を行うオペレーターやスタッフは、多くの場合Zendeskというサービスの名前自体聞いたことがないと思われます。

Zendeskは多種多様な機能を持っているため、業務に関係するものだけであっても習得するには一定の時間が必要となります。ユーザーフレンドリーなUIが提供されていますが、それでもすぐに使い方を理解することは難しいでしょう。ある程度、体系的に基本的な使い方を学ぶことが重要となります。

公式ドキュメントを参照して各自が独学するのも一つの方法ですが、ドキュメントは英語から機械的に翻訳されたものが多くとっつきづらいため、学習を進めるのが難しくなる方も出てくると思われます。

1つの方法としては、Zendesk導入担当者がより分かりやすい資料を作成し、それを元に説明会を開くなどすると有効でしょう。物量的に、1回で全てを説明するのは難しいので、チケット管理のSupport、FAQサイト管理のGuide等、各機能ごとに区切ってそれぞれ1時間程度の時間を取って説明を行うと良いと思われます。

座学だけでZendeskの使い方をマスターするのは難しいため、各担当者に実際にZendeskを触ってもらう時間を設けることもお勧めします。例えば、フォームから架空の問い合わせを送り、それに対応してもらうといった実践的な練習が効果的です。

このような方法を通して各担当者にZendeskの使い方を身につけてもらうことで、実際の運用開始時もZendeskの機能を最大限に活用することが可能になります。

必要に応じてやるべき2つのこと

ここまでは、Zendeskを使い始めるために必須で対応する必要のあることのみ紹介してきました。ただ、業務内容や環境によっては追加で他にも対応しなければいけないことがあります。

アプリの購入や開発による機能拡張

Zendeskは多種多様な機能を持っていますが、それでも機能が不足していたり、微調整が思うようにできなかったりする場合、要件を満たせないことがあります。そのような場合、アプリを導入して機能を拡張することで要件を満たせる場合があります。

まずは、マーケットプレイスを確認し、必要な機能を持つアプリが配布されているかをチェックしましょう。有料のアプリも多いですが、無料で配布されているものもあります。よく使われるのは以下のような他のサービスとの連携を可能にするアプリです。

  • Trello
  • Zoom
  • Teams
  • Salesforce
  • Amazon Connect

その他にもZendesk自体の機能を強化するものも数多く配布されており、例えば以下の記事ではZendeskの標準では機能が弱いチケットエキスポートについて、柔軟なエキスポートが可能になるアプリを紹介しています。

Zendesk Support のチケットデータをCSVでエクスポートできるアプリを試してみた | DevelopersIO

一方で、自社システムとの連携やストアにあるアプリの導入では解決しきれない要件がある場合、Zendesk APIの活用やアプリの自社開発などが考えられます。

ZendeskのAPIはチケットやFAQ記事など、Zendeskのほとんどのリソースにアクセス可能です。APIについての詳細な情報は以下のサイトで確認できます。

API Reference Home | Zendesk Developer Docs

また、アプリについてはJavaScriptを使用して独自のアプリを開発することができます。開発したアプリは、マーケットプレイスのアプリ同様Zendeskの画面内に埋め込んで使用ができます。開発にあたっては、Zendesk独自の仕様への対応が一部必要ですが、一般的なWebアプリを開発できるスキルがあれば対応可能です。

Zendeskのアプリ開発で使うツールや、デプロイまでの流れについてまとめてみた | DevelopersIO

Apps | Zendesk Developer Docs

データの移行

既に問い合わせ管理業務を行っている場合で多いのは、既存のデータをZendeskに移行したくなるケースです。

ユーザーやその所属組織のデータについては、Zendeskの管理画面からCSVファイルで一括インポートをするための機能が標準で用意されています。

ユーザーの一括インポート – Zendeskヘルプ

組織の一括インポート – Zendeskヘルプ

それ以外に、過去の問い合わせ対応関係のデータをZendeskのチケットとして登録したい場合や、別のCMS等で作成した記事データをZendeskのFAQに登録したい場合などは、Zendesk APIを使っての移行作業が必要になります。例えば、CSVなどに移行対象のデータをまとめておき、自作スクリプトでZendesk APIを使って一括登録する方法などが考えられます。

全て自社だけでやるのは大変という方は…

ここまで、Zendeskの利用開始までに必要なステップについて解説してきましたが、これら全てを自社で行うのは大変な作業です。加えて、これ以外にもZendeskの利用開始に向けた社内外の細かな調整なども必要となります。特に、利用開始を急ぎたい場合、管理者側でこれらのタスクを全てこなすのは困難な場合もあります。

そんな企業様の助けとなるために、Zendesk公式パートナーであるクラスメソッドではこの記事で書いた全ての導入作業をご支援可能です。

具体的には、以下のようなサービスをご提供しています。

  • ライセンス販売
  • トレーニング Zendeskエンジニアによるオンラインでの説明会を開催します。
  • 設定代行 詳細なヒアリングとそれに合った設定内容のご提案、お客様環境に入っての設定作業を実施します。
  • カスタマイズ開発 Zendeskエンジニアが要件定義、開発を実施します。データ移行も対応可能です。

トレーニングのみという小規模なサポートから、運用開始までのトータルサポートまで、お客様のニーズに合わせて幅広く対応可能です。

Zendeskの導入に興味はあるけれど、実際に使い始めるまでの準備が大変そう…と感じている方は、以下のページから是非お気軽にご相談ください。

Zendesk | クラスメソッド株式会社

まとめ

Zendeskの利用開始までにやらなければいけないことについて、以下のようなものがあると書きました。

  • 対応が必須
    • ライセンスの購入
    • 要件定義と設定作業
    • Zendeskの使い方の習得
  • 場合によっては対応が必要
    • アプリの購入や開発による機能拡張
    • データ移行

現在Zendeskの導入を検討されている方の参考になりましたら幸いです。

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