Alteryx ServerがAWS Marketplaceから従量課金制で利用できるようになりました!
2019年現在、ライセンス込みのAMIは公開されていません。 Marketplaceに公開されているAlteryx ServerのAMIはBYOL版のみとなっており、別途ライセンスの購入が必要となります。
こんにちは、小澤です。
Alteryx Serverが従量課金で利用できるようになりましたので、今回はその紹介をさせていただきます。
はじめに
Alteryxには主にDesignerとServerがあります。
DesignerではWorkflowを組み立てることでデータの前処理から高度な分析まで様々な処理をプログラミングすることなく実現することができます。 さらに、Serverを利用すれば、アナリストなどがDesignerで作成したWorkflowを共有することができるため、 組織内でデータ分析を行う際には非常に便利なツールとなります。
データ分析の重要性が高まるなか、こうした組織全体でデータの利活用が可能になるツールもまた重要になってくると考えられます。 しかし、Alteryx Serverのライセンスは1年間の契約で$58,500となっており、 費用対効果の計算が難しいデータ分析において、スモールスタートでの導入が難しいという点があります。
今回の従量課金での利用はそういった、「いきなりの導入は難しいが、少しずつ導入して行って徐々に組織全体に浸透させていきたい」といった要望に答えられるものになっているのではないかと思います。
利用してみる
実際に利用を開始する手順を紹介したいと思います。 MarketplaceにあるAMIの利用となりますので、EC2インスタンスの作成画面へと進み、「AWS Marketplace」を選択します。 「AWS Marketplace 製品の検索」に"Alteryx"と入力します。
検索結果から「Alteryx Server」を選択します。
選択すると、利用可能なインスタンスタイプや料金に関する情報が表示されます。
2017/04/14現在、EC2利用料金に加え、$8.02/hのAlteryx Server利用料金がかかります。
「Continue」を選択すると、インスタンスタイプの選択画面となります。 利用可能なインスタンスタイプのみが選択可能になっています。
インスタンスタイプを選択する際の基準として、公式のSystem Requirementsでは、Serverは以下のようなスペックが推奨されています。
Machine Requirements | OS Requirements | Chip | Processor | RAM | Disk Size |
---|---|---|---|---|---|
Recommended: 64-bit | Microsoft Windows Server 2008R2 or later | Quad Core Intel Xeon (single chip) | 2.5GHz or faster | 16GB RAM | 1 Terabyte |
High Performance: 64-bit | Microsoft Windows Server 2008R2 or later with current service pack (64-bit) | Quad Core Intel Xeon (single chip) | 2.5GHz or faster | 32GB RAM | 1 Terabyte |
ディスクサイズに関しては、別途EBSの設定となりますが、それ以外の部分に関してはデフォルトで選択されいるm4.xlargeの4vCPU, 16 GiB MemoryがRecommnededの要件を満たすものになっているようです。
導入するServerのGallery上でWorkflowを実行したり、スケジューリング実行を行う予定がある場合は、同時実行数や1つのWorkflowが利用するメモリ量などに応じて必要なスペックを変更してやる必要があります。
「インスタンスの設定」は通常のEC2インスタンス起動と同様のプロセスになります。 利用している環境に合わせてVPCやロールの設定を設定してください。
次に、ストレージの設定を行います。 今回はルートボリュームとは別に、Alteryx ServerのRecommededの要件である1TBのボリュームを追加します。 Alteryxが利用するストレージを別に用意しておくことで追加が容易になったり、インスタンスを作り直すことになった際に再利用するなど便利な点が多いです。
タグの設定は利用している環境に合わせて設定してください。
セキュリティグループの設定もご利用の環境に合わせて設定してください。 以下は初期の状態のものとなっています。
Alteryx ServerはHTTP/HTTPSのいずれかを利用するためのポートと、サーバ管理用にリモートデスクトップを行うためのポートを解放しておくといいでしょう。 送信元は必要に応じて制限してください。
最後に設定の確認を行って、キーペアの設定をすればインスタンスが作成されます。
作成画面でサプスクリプションが行われているのが確認できます。
インスタンスが作成されたらリモートデスクトップで接続してみます。 まずは、パスワードを取得します。
インスタンスの一覧から、作成したAlteryx Serverのインスタンスを選択肢、「Windows パスワードの取得」を選択します。
次の画面で、インスタンス作成時に指定したキーペアを選択します。
接続に必要な情報が表示されるので、ユーザ名、パスワードでリモートデスクトップ接続に利用します。
リモートデスクトップ接続するをするAlteryxがすでにインストールされているのが確認できます。
利用する環境に応じて設定が必要となりますが、この状態ですでにAlteryx Serverが利用できる状態になっています。 http://<host名>/gallery にアクセスするとライセンスのレジストレーション画面が表示されるので、メールアドレスを入力して利用を開始します。
Submitしたのち、しばらく待つとGalleryの画面に遷移します。
設定や使い方など
設定については、リモートデスクトップで接続したのち、「Alteryx System Settings」から行うことができます。 こちらの内容については、下記の記事を参照してください。
また、管理者としての利用方法については別途シリーズとしてまとめておりますのでそちらを参照ください
従量課金の使い所
最後に従来のライセンス購入と、今回の従量課金の使い分けはどのように行えばいいかについて私の考えを記載させていただきます。
「はじめに」でも記載した通り、従量課金は最初にライセンスの購入料金を支払う必要がないため、 スモールスタートでAlteryxを使ったデータ分析を始めるのに適していると思います。 Alteryx Designerと比較して、Serverは高額となっていますので、Alteryxを使った分析の効果がまだ見えていない段階で導入は組織内でもハードルが高くなるかともいます。 従量課金であれば、Designerである程度データ分析の資産が溜まってきた段階で、それを共有し組織全体で利用可能にした時にどのような恩恵があるかの検証から始めやすいなどの効果があるとかと思います。
一方で年単位での利用になった際には、ライセンスを購入したほうがやすくなります。 そのため、導入による効果が十分に発揮され、組織内で認められてきたらこちらに切り替えるというのも選択肢の1つとしてありだと思います。
終わりに
データ分析の効果は、試行錯誤も必要になるため、 実施から効果が出るまである程度の期間が必要であったり、 事前にどの程度の効果があるかの予測がしづらい部分が多くあります。
今回のAlteryx Serverの従量課金のような仕組みを利用することで段階に応じて選択可能なツールが増えたことは分析をよりやりやすくする方向につながるのではないかと思います。