Alteryxでデータを置き換えたTableauワークブックを出力する
こんにちは、小澤です。
Alteryxでは、Output DataツールでTableauのtdeを出力することができます。 しかし、すでにTableauでがっつり作り込んでいるワークブックがあり、データ部分だけをAlteryxで前処理したものに置き換えたい時もあるかと思います。
そこで、今回はそんな時に利用できるツールの紹介をしたいと思います。
ツールの準備
今回はAlteryxで利用可能な、Tableau Starter Kitが必要になります。以下よりダウンロードして、インストールしてください。
インストールしたのち、Alteryxを起動すると、ツール一覧にTableauタブが追加されています。
使ってみる
では、既存のワークブックのデータを置き換えるツールを使ってみましょう。 利用するのは、Output Tableau Workbookツールとなります。
利用する既存ワークブック
利用するには、既存のワークブックが必要です。 今回は、以前作成したAlteryxで飛行機の軌道を作成したものをTableauで読み込ませてみたものを利用します。
こちらのデータをTableauで表示させると以下のようになります(全てを表示するとごちゃごちゃになるため件数を絞っています)。
出発地点を緯度経度で日本に絞ってあるのですが、厳密な指定ではなくおおよその矩型領域による指定のため、日本以外も含まれています。 そのため、今回はこのデータを日本のみに絞ってみましょう。
なお、Alteryxで出力したファイルは以下のように、同一idが同じ経路でその中での直線の引き方の順番がpoly_numで表される形式になっています(実際にデータではpoly_numの数を多くすることで曲線のようにしています)。
これをTableauで上記のように表示させる方法については、以下を参照してください。
抽出データの作成
Output Tableau Workbookツールでデータソースを置き換えるには、既存のワークブックで利用しているデータが抽出ファイルである必要があります。 tdeファイルを入力として利用している場合は特に問題ないですが、それ以外のデータソースを利用している場合は、抽出ファイルの作成をしておきます。
Alteryxワークフローの作成
さて、いよいよデータを置き換えるAlteryxワークフローの作成をしていきます。 今回のワークフローでの基本的な流れは飛行機の軌道を作成した際のものとほぼ同じになります。
異なる点は、以下の2つです。
- Filterツールでデータを絞る際の条件
- 出力の指定
まず、出力の指定ですが、緯度経度での絞り込みは以下のように行っていました。
[lon] > 122 and [lon] < 154 and [lat] > 20 and [lat] < 46
これを、以下のように出発地点の空港がある国の名前で絞り込むように変更します。
そして、今回のメインとなるOutput Tableau Workbookツールが一番最後の出力部分にあります。 これの設定は以下のようになります。
「Please navigate to the tableau workbook template(.twb)」では、データの差し替えを行いたいTableauワークブックを指定します。
データを差し替えたワークブックの保存先を指定する場合は、「Save resulting Tableau workbook to specific location」にチェックを入れて、パスを指定します。 ここにチェックを入れなかった場合は、tempファイルとして出力されます。
ワークフローを実行すると、データのtdeファイルとワークブックのtwbファイルが出力されるのが確認できます。
作成されたワークブックを開いてみると、以下のようにデータのみが差し替わり、日本発のものになっていますが、他はそのままのワークブックであることが確認できます。
今回はAlteryxでの処理の関係上、idが変わっております。 そのためフィルターの条件で引っかかるものが変わっており、一部差し替え前にはなかったデータが存在しています。 このように、行列の軸などだけではなく、フィルター条件などもそのまま残っています。
また、今回はシートのみですが、ダッシュボードやストーリーを作成している場合はそれらもそのまま残っている状態となります。
終わりに
今回はAlteryxで既存のTableauワークブックのデータを差し替えるための、Output Tableau Workbookツールを紹介しました。
Tableauのワークブックはすでに作り込んでしまっているが、Alteryxを使うと今まではできていなかった複雑なデータの前処理・加工・ETLなどが可能になるのでうまく組み合わせて連携させたいといった際に有用なツールなのではないかと思います。
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