【書評】 “ワンランク上の「データの見せ方」”を学べるオススメの1冊!『データビジュアライゼーションの教科書』

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当ブログを御覧頂いているお客様・読者様の中には直近「データ分析業務をやり始め、データはある程度蓄積出来てきた。けれども可視化の部分について、どこをどうやって手を付けていけば良いのか...」とか「可視化の部分、色々試してみてはいるんだけれども、どうにも良い感じで内容を伝えられていない、意図が通じないところがある。何を改善すれば良いんだろう...」と言った感じで可視化の部分に悩みを抱えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方々にうってつけの書籍がこのたび発売され、著者の方から献本頂ける形となりましたので"書評"の形で内容を紹介させて頂きたいと思います。紹介する書籍は、藤 俊久仁氏, 渡部 良一氏共著の『データビジュアライゼーションの教科書』です。

目次

書籍・著者情報

書籍情報は以下。2019年05月31日発売、現在は紙媒体での発売のみとなっています。

そして著者情報は以下(上記Amazonのページから抜粋)。

藤 俊久仁(ふじ としくに)
株式会社truestar マネージングディレクター
truestar activation 株式会社 代表取締役社長
2002 年東京工業大学理学部卒。
マーケティングコンサルタント、スポーツアパレルのマーチャンダイザーを経て、2011年から株式会社truestarに加わり、 データ分析や戦略コンサルティング業務に従事。2013 年からBI 実装や導入支援などのソリューション事業を本格展開。 現在はコンサルティング事業全般を統括。2015 年にはBI 実装支援を専門的に手掛ける子会社truestar activationを設 立し代表を兼務。
渡部 良一(わたなべ りょういち)
株式会社NTTデータ コンサルティング&マーケティング事業部 ソリューションコンサルティング統括部 課長
2004 年 早稲田大学 社会科学部卒。
同年にNTTデータに入社し、10 年以上にわたり一貫して企業におけるデータ活用の取組を支援。
2011年-2012 年には北米拠点に赴任し現地企業へのBI 導入に従事。現在は、日本におけるTableauの第一人者として、 グローバル企業のBI/DWHシステムおよびデータ活用の構想策定・導入・定着化コンサルティングを担当。

藤さんとは、弊社クラスメソッドとしても長くお付き合いさせて頂いており、各種イベントやブログ等でも色々とコラボレーションさせて頂いています。

目次・コンテンツ情報

 

理論編

 

第1章:データ活用時代の到来

この章では、書籍を出版するに至った経緯、及び現代において「データ」及び「データビジュアライゼーション」がいかに大事なポイントであるかを紹介しています。下記は当該章内の一文ですが、若干言葉が強いと思えるようなこの書き方からも、著者の強い思いが滲み出ているなぁと感じました。

(前略)BIツールでチャートを作成することがとても身近・手軽になったことを受けて、情報伝達の効率性や正確性に配慮されていない、「悪い」あるいは「残念な」データビジュアライゼーションの例が散見されるようになっています。
せっかく手間暇かけて作成したチャートが載った資料が「分かりづらい」と読み手を不快にさせていたら......、あるいは読み手を誤った判断に導いていたら......。このようなことが横行するのは、大きな社会的損失です。

 

第2章:データビジュアライゼーションとは

データビジュアライゼーションの「目的」から始まり、データビジュアライゼーションの効果を図る概念として提唱されている「データインクレシオ」について解説・紹介を行っています。この考えに基づいた情報の見方、見せ方を実例を踏まえて解説し、また組織や相手の課題解決内容に応じた手法についても言及されています。

 

第3章:データビジュアライゼーションに関する定義・研究

効率的・効果的な可視化を行う上での基本的な知識の部分、データにはどのような種類・属性があり、またそれらのデータをどのように比較・整理すると良いのかについて様々な「法則」を解説する形で紹介しています。

 

第4章:データビジュアライゼーションのセオリー

「理論編」で個人的に良いなーと思ったのがこちらの章で解説されている内容。「チャートタイプ選択のセオリー」と題して、「こういう比較・見せ方をしたい場合はこういうグラフを使うと良い」というガイドが紹介されています。使うツールにも依りますが、最初は「色々なことが出来てしまう」がために「手元にこういうデータがあるんだけど、一体何をどうすれば見たい情報が最適な形で見せられるんだろう?」と迷いがちな部分を、こちらの章で紹介されている内容を参考にする事でスムーズに解決させることが出来ると思います。

 

実践編

 

第5章:Hop! 『インフォメーションデザイン』の基本のキ

第5章からは「実践編」として、実例を使って「課題を抱えている"Before"」のグラフから「課題を改善した"After"」のグラフを比較して見せてくれます。(BI)ツールを使い始めた頃は色々を機能を使って華美にグラフを彩ってしまいがちです。その全てが悪いとは言いませんが、「見た人に、作った人の意図を伝えられているか」という観点に立つとその装飾が必ずしも役に立っているとは言えない場合も多いです。この章ではまずその辺りの基本的な部分を改善してくれるポイントについて学ぶことが出来ます。

 

第6章:Step! 『違いを生むテクニック』

前章まではある意味「悪いところはこうやって直す」というところを紹介していた形ですが、ここからは「もう一段レベルアップ」するためのトピックが紹介されています。第5章同様「Before」「After」それぞれを見せる形で、「何が問題なのか」「問題を改善することでどう良くなるのか」が分かりやすく理解出来ます。

 

第7章:Jump! Biツールで差をつける

最後の第7章は、当ブログでも度々取り上げているBIツール「Tableau」を使った、より高みを目指すためのViz改善テクニックを紹介しています。可視化ツールとしてはUI・デザイン面に力を入れているTableauだけあって、かゆい所に手が届く「便利なワザ」を駆使したテクニックについて言及されています。

 

まとめ

という訳で、書籍『データビジュアライゼーションの教科書』の書評エントリのご紹介でした。

当書籍はボリュームとしても総ページ数:183ページと比較的薄めで、全ての内容に目を通すのにもそこまで時間は掛かりません。お手軽さもこの書籍のポイントだと思います。


((※藤氏の所属するtruestar社のブログ『Tableau-id Press -タブロイド-』でも書籍について紹介されています。確かにこの部分はポイント高いかもw)

BIツールの基本的な使い方は分かった。ではそのツールを使って実際に手元のデータを使って可視化を行ってみよう...そんな時に読んでおくと非常に効果の高い書籍であると思います。

また、『作成しているVizが問題を抱えているものになっていないか』を確認するためのチェックリストとしてもこの書籍は活用出来ると思います。定期的にVizの内容を確認するのにも参考になる情報がまとまっていますので、プロジェクトに1冊、いや1人1冊携行しておくと良いのではないでしょうか。オススメです!