[レポート]Early Alert Systemによるカスタマーサクセスの促進 – Looker:JOIN 2019 at San Francisco #looker #JOINdata

現地時間2019年11月05日〜07日の期間、米国サンフランシスコで開催されたLookerの年次カンファレンスイベント『JOIN 2019』。今年2019年のイベントは、弊社から3名のメンバーが現地参戦しました。

当エントリでは、その中から『Driving Customer Success with an Early Alert System (Early Alert Systemによるカスタマーサクセスの促進)』の内容について参加レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッションの概要は以下の通りです。

[登壇者情報]:
Sean Kester氏(SalesLoft社 VP Platform Strategy )

[セッション情報]:
Driving Customer Success with an Early Alert System
(Early Alert Systemによるカスタマーサクセスの促進)

Customer Success (CX) organizations have limited visibility into issues their customers may be facing. Once a customer surfaces a concern, it’s often too late to save the relationship. Join this session to hear how SalesLoft leveraged the Looker platform to create an Early Alert System to notify CX teams with insights around at-risk accounts. With this system in place, teams can be proactive with their customers and ultimately create a better, more successful customer experience.
(顧客のカスタマーサクセスを担当する組織では、顧客が直面している問題の可視性が限られています。顧客が懸念を表した場合、今までの関係を続けていくには遅すぎることがよくあります。このセッションでは、SalesLoft社がLookerプラットフォームを活用して早期警報システムを作成し、リスクのあるアカウントに関する情報をCXチームに通知した方法について説明します。このシステムを導入することで、チームは顧客に対してプロアクティブに対応し、最終的には顧客満足度を向上させることができます。 )

 

セッションレポート

 

はじめに

本日は、私、SalesLoft社のプラットフォーム戦略担当副社長であるSean Kesterが、カスタマーサクセスの担当組織が問題を特定するのに役立つEarly Alert Systemをどのように開発したかについてお話しします。この仕組より、顧客への対応が容易になります。このシステムを開発した理由は、カスタマーサクセスに関する問題に、迅速に対応できるようにするためです。

 

SalesLoft社について

私たちは2011年に設立されたセールスエンゲージメントプラットフォームの提供をしている企業です。私たちはバイヤーを支援し、顧客と、より確実につながることができるようにしています。私たちはすべてのプロセスを許可し、裏で電話やEメールのログを取る等といったことを自動化しています。

私たちは本当に急速に成長しています。サンフランシスコ、ロンドン、ニューヨーク、アトランタのオフィスを拠点としています。最近、Annapolisという会社を買収しました。そのため、国内(アメリカ)では500人の従業員を抱えており、私たちは本当に興奮しています。

 

science + sincerity

私は営業所を設立して、多くのことを理解しようとしています。この2つのシステムがどのように相互作用しているかについて話すと、難しそうに聞こえると思います。インターネット上では、(製品やサービスなどに対する)重要なレビューなどを通して、知っていることをすべて教えてくれますが、 その声の中の本当の事を正しく追いかけるのは非常に難しいです。そこで私たちは科学(science)と誠実性(sincerity)が融合したプラットフォームを作りたかったのです。

自動化されたワークフローが裏で動くことによって、より本物の人間のような対応を可能にします。そのプラットフォームを販売することは、さまざまな方法があります。 私たちのシステムには、電話、電子メール、SNS統合機能、SMS機能等があり、顧客とのコミュニケーションに使用できるあらゆるチャネルを網羅しています。このようにして、顧客が購入先に対してより信頼できるようにしています。

 

How can be best serve our customers?

このように、カスタマーサクセスについて説明するときに、指摘しておきたいことがいくつかあります。1つは、カスタマーサクセスマネージャー(CSM)についてです。スライドの質問(How can be best serve our customers?)は、実際に(CSMである)彼女が述べていることです。この質問に対して、私たちは多くのことをやってみます。でも結局はわかりません。

…いいえ、そうでもないかも。SalesLoftはエンタープライズ級の複雑なプラットフォームです。しかし、メール配信機能、Salesforceのデータの監査、顧客のプラットフォームの使用状況の測定などを行い、管理者はユーザーがログインしているかどうかを把握する必要があります。

これらには、非常に複雑なプロセスが存在し、自動化ツールは導入と使用に関する問題を引き起こします。これらはすべて、カスタマーサクセスチームにとってのブラックホールです。それらのデータが手に入れば、実際に提供することになります。

これらの仕組みでは下記のような問題がありました。

  • 顧客製品の使用状況を把握できていない。
    • 顧客が何をしているのかを理解することができない
    • 顧客が我々に何を伝えているのかを示すには遅すぎる
  • 顧客と向き合う役割のための単一の窓口がない
    • 「何が起こっているのか」「何が起きていなかったのか」が理解できない
  • データ分析とそれに伴う活動は手作業で行われ、事後対応的である
    • エンジニアチームに連絡していちいちデータを受け取らないといけないのはかなりの手間
    • 彼らエンジニアチームはそういった作業に積極的にはなれない

 

カスタマージャーニー

顧客から何らかのリアクションがあったとき、自動的にデータが検索され、すぐに顧客に返す必要があります。

ここで、ソフトウェアによるカスタマージャーニーについて考えます。 これにより、私たちはインサイトを得て、顧客がオンボーディングプロセスを見つけるのを助けることができます。 私達はこれを実現するための製品の採用をすることに決めました。

製品探しはまさにブラックホール状態で、新しいインターコムシステム等にもあたりましたが、それらは、どれも、こちらから顧客に対して積極的にリアクションを返すことのできるシステムではありませんでした。

我々が望む状態としては下記の通りです。

  • すべての顧客データを1ヶ所で管理
    • 顧客の状況をトップダウンで社内に伝えたい
  • 製品の使用率と(製品の)採用の指標を把握
  • リスクのあるアカウントと連携するためのトリガーとワークフロー
    • 顧客が(自分たちの)望んだ状態になっているかどうか、すぐわかる状態にしたい
    • 20日間ログインしていない顧客がいる場合、トリガーを自動的に発火し、すぐにコミュケーションをとる

私たちに必要なのは、これを実現できるデータ分析プラットフォームであることに気づきました。

 

データ分析プラットフォームを探して

BIツールを探すのであれば「聖書」を読めばいいと考えていました。

しかし、ここで書かれていることは、非常にノイズが多く、それぞれの用途や機能が非常に幅広く定義されているため、何が必要なのか理解しにくくなっています。文字通り視覚化されているだけです。

 

Lookerとの出会い

そこで見つけたのがLookerでした。 Lookerは本当にプラットフォームなので、他の多くの異なるワークフローシステムと連携することができます。生データを取り込んでグラフやチャートにするだけではないということです。

SalesLoft社におけるLookerのユースケース

  • エグゼクティブダッシュボード
    • 私たちのELTは、ビジネスを推進もしくはビジネスに影響を与える指標をリアルタイムで把握します。より良い決断を可能にします。

  • 統合のトラッキング
    • Lookerを使用して、統合の使用状況を追跡し、それを保持、満足度、および継続性と関連付けることができます。
    • 3000社の顧客に加え、1000万社の顧客との統合を特定することができました。
  • AEアカウントビュー
    • 販売担当者は、POCおよび顧客のライフサイクル全体を通じて、アカウントの使用状況と導入状況を把握できるようになりました。
  • ビジネスオペレーション
    • すべてのビジネスには、組織全体を測定するためのコア指標があります。Lookerを使用することで、運用チームはすべての部門にわたってインサイトを得ることができます。

 

V1.0: All the Data

今年、どんなことをしようが、売上データは必ず「ここ」にある…というものが、これにあたります。

これは、あらゆるデータを一つにまとめるということですが、 その名の通り、すべてのデータが対象なので、最初にすべての顧客データを収集して1つの場所に配置したいと考えました。 顧客のリテンションと幸福にとって最も重要な要素は何かをよりよく理解するためには、たくさんの異なることがあります。

  • 課題を特定する
    • 「顧客はどこで苦労しているか」「どのような問題があるのか」を特定します。
  • インサイトを浮上させる
    • 最適とは言えない結果や、顧客の製品使用状況を特定するために、アカウント・マネージャとCSMが1ヶ所で対応します。
  • 成功のコアを補足する
    • 顧客の健康にとって最も重要な指標をリアルタイムで補足します。これはエンジニアリングを必要としません。
  • プロセスの作成
    • カスタマーサクセスは、事後対応ではなく事前対応型であるべきです。顧客は助けを求める必要性を失うべきではないです。たいてい「その時」での対応は遅すぎます。

今までの状態はこうでした。顧客のデータを集めるのに、エンジニアに多大な時間と労力が必要でした。

  • マニュアル
  • 技術者を必要とする
  • 時間がかかりすぎる
  • データ・ポイントが少ない
  • 規範的ではなかった。

そこで、すべてのアカウントについて、より優れたダッシュボードを用意しました。このダッシュボードは、各種指標やROI等のさまざまな側面を持っています。30人のCSMが3000以上の顧客データを確認できます。

  • SalesLoftの顧客向けチームのための分析ダッシュボード。
  • CSMが会話を開始する前に全体像を把握できるようにします。
  • 事後対応型から事前対応型への移行。
  • ビジネス価値を高めるための規範的な会話を行う。
  • このダッシュボードの中核には、顧客に最適なサービスを提供する方法があります。

しかし、このダッシュボードだけでは、当プラットフォームはスケールしませんでした。監視と関与については、まだ手動だったのです。 次のバージョンでは、ワークフローを導入してコミュニケーションシステムに接続することで、主要な物を全部見なくても拡張できるようになりました。

 

V1.2: Early Alert System

  • Lookerプラットフォームを活用して、データのインサイトからアクションへ移行します。
  • 主要な使用状況に基づいて、それが低い場合は顧客の状態を評価し、顧客との契約を開始するためのアクションを実行します。
  • データの分析に費やす時間の短縮=顧客へのサービスに費やす時間の増加。

V1.2は今日お話しするEarly Alert Systemです。私たちがやりたかったのは顧客データを取り出して、それに対して打つべきアクションを調べることでした。そのため、これは顧客別の主な用途に基づいています。私たちには、コミュニケーションのために彼らに電話をかけたり、特定の測定基準の課題に対応したりする場合、様々なケースのワークフローやプレイブックがあります。これらのワークフローは、さまざまなものに基づいてCSMで実行できるように作成しました。彼らは、データ分析に費やす時間を減らし、顧客とのコミュニケーションに時間を費やしたいと考えています。このプラットフォームは、SalesLoftのように、担当者がより視覚的に顧客とコミュニケーションをとることを可能にし、手作業のデータをSalesforceに入力する時間を減らし、私たちのシステムが、顧客との対話に、より多くの時間を費やすことを望んでいました。最終的に彼らがすべきことのほとんどは「何が起こっているのか」を分析することに集中されることになります。

私がどのようにビジネスを行ってきたかに入る前に、ケイデンスエンジンとは何かについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。 これはGTM戦略を成文化したものです。

  • 電話、Eメール、ソーシャル、ダイレクトメール、およびSMSを利用して成功に導く顧客との接触パターンを定義します。
  • メッセージング戦略を最適化して、すべての通信の影響を最大化します。
  • 組織全体にわたって規模に応じたコストの運用を可能にし、お客様の活動全体を通じて一貫したエクスペリエンスを実現します。

これは顧客の製品(やサービス)の使用率の停滞に関するワークフローの設定です。ユーザーがフラグを設定し、顧客の製品(やサービス)の使用率が低い場合、このワークフローが自動的にトリガされます。このワークフローの最初のステップでは、アカウントをレビューしてスクラブします。

戦略に集中するための戦術を自動化しました。

  • 反復的なタスクを自動化し、セールス担当が業務の遂行に専念できるようにします。
  • ブールロジックを使用して、単純なユースケースと複雑なユースケースをサポートします。
  • 自動化された処理を通じて、CRMデータ・ガバナンスへのコンプライアンスを確保します。

Early Alert Systemとダッシュボードのまとめとしては下記の通り。

  • すべての関係者に当社の主要な測定基準の認識を促します。
  • 顧客との貴重な対話に重点を置いています。
  • 重要な顧客の製品採用のためのしきい値を設定できます。

Lookerのデータによると、4か月以上の期間で製品使用率が低いと特定された61社のお客様と契約しました。

CSMのスザンヌ氏いわく、「2019年に自動化されたLookerデータの活用を開始するまでは、これら61社の顧客のいずれも事前に特定されていなかったことになります。9月の時点では、顧客の連絡先を自動的に 『Low Usage (低使用率)』に設定するようになっているため、チームの手作業が削減され、顧客とのやり取りの効率が向上しました。」

Early Alert Systemの使用により、顧客の保持率を31%を向上することができました。

 

セッションを聴講して

良かったところ

Lookerを使用して、データ分析のみならず、分析結果からアクションにつなげる部分をシステム化した事例として、非常に興味深い話でした。Lookerができる範囲の広さがBIツールの平均的な守備範囲を超えていることがわかります。

また、セールスにおいて一番重要なパートである「顧客との対話」に重きを置いて、それ以外は軒並み自動化する(人間の手から離す)という目的がしっかりしていたのが好印象でした。個人的に、下記と通ずるところを感じました。

自分なりの補足

スライドと発表内容を振り返っても、ワークフローの構築システムなどの、裏側の仕組み(アーキテクチャなど)が不明だったのですが、おそらくLooker APIをふんだんに使っていると思われます。顧客データを集めたDBをつなげて、しきい値(顧客の使用率など)をAPIを通して読み込んでこれば、あらゆるシステムにLookerで読み込んだデータを使用できるので、おそらくそれかと思いました。

参考資料