Tableau 2018.1 新機能紹介:地理情報の二重軸表示が便利になりました #tableau

Tableauの新バージョン『2018.1』は現在ベータ版としてその情報を公開していますが、その中の新機能である『地理情報の二重軸表示改善』について当エントリではその内容を紹介したいと思います。
2018.04.23

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Tableau製品は現在バージョン2018.1がベータ版として試用可能な状態となっています。v2018.1ベータ版試用終了の旨が通知されていたのでもうじき正式リリース版も利用可能となる事が予想されますが、当エントリではそんなTableau 2018.1バージョンの機能を正式版リリースを前に少し先取りしてご紹介してみたいと思います。

当エントリで紹介する内容は『地理情報の二重軸表示機能改善』です。

『生成された緯度経度情報』と『カスタム緯度経度情報』の二重軸表示

地理(緯度経度)情報をTableauで表示

Tableauでは、緯度経度の情報を使って任意の点や線・面などを表現したり、また国名や州・都道府県といった『地域』の情報であればTableauの組み込み機能として『地域の名称等を認識して地図情報として表示する』事が可能となっています。

地理情報の二重軸表示

『地理情報の可視化』は利用者の視覚的にも強く訴える事が出来るものですし、何より更なる"気付き"を得るための強力な表現方法ともなり得る手段です。

地理情報を扱って行くと、利用者としては『もっと表現力豊かにVizを作りたいな...』という思いは募ってくるものです。自然と『面(ポリゴン)と点、または線の情報を組み合わせて表示したい』という考えも出てくることでしょう。以前私もその様な思いを抱き、下記エントリにあるような形でアイデアの実現方法を調べたりもしていました。

地理情報の二重軸表示:改善版の実践

今回当エントリでご紹介する内容は、この機能(改善)について言及されているものです。Tableauの機能によって自動で認識された(生成された)緯度経度情報と、ユーザーの操作によって新たに認識させた(カスタム生成した)地理情報をよりスムーズな形で二重軸表示させる事が出来るようになりました。

では実践に移ってみましょう。今回扱うデータは、以下のサイトから『世界各国の火山データ』を使ってみることにします。volcano.csvというファイルをダウンロード。

ちなみに中身はこんな感じになってます。

volcano.csv

$ wc volcano.csv 
    1547    9631  213598 volcano.csv
$ vi volcano.csv 
VolcanoID,V_Name,Country,Region,Subregion,Latitude,Longitude,PEI,H_active,VEI_Holoce,hazard,class,risk
210010,West Eifel Volcanic Field,Germany,Mediterranean and W Asia,Western Europe,50.170000000000000,6.850000000000000,6,0,Unknown VEI,NULL,U-HR,NULL
210020,Cha?ne des Puys,France,Mediterranean and W Asia,Western Europe,45.774999999999900,2.970000000000000,7,0,Unknown VEI,NULL,U-HR,NULL
210030,Olot Volcanic Field,Spain,Mediterranean and W Asia,Western Europe,42.170000000000000,2.530000000000000,5,0,No confirmed eruptions,NULL,U-NHHR,NULL
210040,Calatrava Volcanic Field,Spain,Mediterranean and W Asia,Western Europe,38.869999999999900,-4.020000000000000,6,0,Unknown VEI,NULL,U-HR,NULL
211001,Larderello,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,43.250000000000000,10.869999999999900,4,0,3,NULL,U-HR,NULL
211003,Vulsini,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,42.600000000000000,11.930000000000000,5,0,Unknown VEI,NULL,U-HR,NULL
211004,Alban Hills,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,41.729999999999900,12.699999999999900,7,0,No confirmed eruptions,NULL,U-NHHR,NULL
211010,Campi Flegrei,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,40.826999999999900,14.138999999999900,7,1,5,3,NULL,3
211020,Vesuvius,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,40.820999999999900,14.426000000000000,7,1,5,3,NULL,3
211030,Ischia,Italy,Mediterranean and W Asia,Italy,40.729999999999900,13.897000000000000,5,0,3,NULL,U-HR,NULL
:

上記ファイルをTableauで選択。選択時点で『Country』と『Latitude』『Longitude』の項目はTableau側で自動で地理情報と認識されています。

『Country』の場合は『国/地域』と認識されています。

まずはじめに、『Country』をダブルクリックし、国別のマップを作成。次いで『緯度』の情報を複製する形で(MacではCommandを押下しながら/Windowsの場合はControlを押下しながら)横に持ってくると...

地図情報が横に2つ並ぶ形で複製されました。

ここでは左側に生成されている地図(『緯度(生成)』のマークで対応している部分)の色味などを変更してみます。

次いで右側に生成されている地図(『緯度(生成)(2)』のマークで対応している部分)の設定を見直します。複製した形となるのでこの時点では『Country』のピルが残ったままとなっているので、これを外します。

『緯度(生成)(2)』のマークで対応している地図には何も表示されなくなりました。

ここに、別の緯度経度情報をマッピングして行きます。火山1つ1つの緯度経度と火山名の情報を表示してみたいので、緯度経度をまずはマッピング。緯度経度それぞれの内容はその項目名と値から、自動で地理的情報が付与されています。もし項目名が『Latitude』『Longitude』、または『緯度』『経度』のような項目名では無い場合、前以て対応する地理的役割を与えておく必要があります。

『Latitude』『Longitude』をそれぞれダブルクリック、追加で『V_Name』(火山名)をマークカードの部分にドラッグ&ドロップします。すると以下のように別種の地理情報を表示する事が出来ました。

火山それぞれの情報(点)についても表示内容をカスタマイズ。

表示内容を設定出来たら複製した方のピルを右クリック→『二重軸』を選択。

以下の様な形で異なる種類の地理情報のレイヤーを1つにまとめて表示する事が出来ました!

地理情報の場合はMapboxと連携して、より表現力の高いVizとする事も可能です。

Tableau公式ヘルプにはその他『地理情報の二重軸表示』に関するチュートリアルが展開されています。興味のある方は是非試してみてください。

まとめ

以上、Tableau 2018.1バージョンの新機能『地理情報の二重軸表示機能改善』のご紹介でした。

今回の新機能(改善)により、地理情報を踏まえた可視化がより便利になりました。使いどころを見極めて有効活用していきたいワザですね。

Tableau 2018.1バージョンの新機能については以下のシリーズで適宜その内容をご紹介して行きたいと思います。