Tableauの関数を全て試してみる〜集計関数編その4〜 #tableau
はじめに
こんにちは。DI部のtama@奈良県です。
当エントリはTableau Functions Advent Calendar 2017の20日目のエントリです。 昨日のエントリはTableauの関数を全て試してみる〜集計関数編その3〜でした。
今回は集計関数編の最終章となります。
- 使用するTableauのバージョンは一貫して10.4.1です。
- 各関数の説明で引用しているのは、Tableauの公式リファレンスからの引用です。
- TableauHelp 関数
目次
検証環境
作業環境
- MacOS High Sierra 10.13.1
- Tableau 10.4.1
使用データ
- (原則)Tableau付属のサンプルスーパーストア
- (場合によって)関数グラフ描画用データ
- -1〜1の範囲で、0.01毎に値が並んでいるデータ
- 上記の値をディメンション「X軸」とし、その上に色々な関数をプロットする。
- 参考:Tableau 関数グラフの描画 | Developers.IO
SUM(expression)
概要
式内のすべての値の合計を返します。SUM に使用できるのは数値フィールドだけです。NULL 値は無視されます。
- 概要そのままの関数となります。
使ってみた
実は、サンプルデータストアには「利益率」という項目が既にあり、それにSUM関数が使用されています。
SUM([利益])/SUM([売上])
どういう時に使う?
- これはもう、ありとあらゆる場面で使用することになると思います。
- 特定のケースで使用する…といった限定的な関数ではないでしょう。
参考文献
- SUM 関数 - Office サポート
- 計算フィールドの作成中にエラー “SUM の引数 … は既に集計です” が発生した | Tableau Software
- SUM関数に限らず、計算フィールド作成におけるよくある事象だと思います。
VAR(expression)
概要
VARP(expression)
母集団全体について、指定された式のすべての値の統計的変異を返します。
- 統計的変異と書いてありますが、「分散」を返す関数です。
- 分散を簡単に説明すると、「データの散らばりの度合いを表す値」となります。
- 両者の違いは「サンプル母集団(標本分散)」か「母集団(母分散)」のどちらに基いて算出するか、です。
- STDEV関数と同じ分け方です。(過去リンク)
- ちなみに、標準偏差を2乗したものが分散となります。
- 標準偏差と分散の違いについては、標準偏差の意味と分散との違い | 高校数学の美しい物語をご覧ください。
※標準偏差の詳しい解説は、下記の参考文献に載せているリンク等をご覧ください
使ってみた
「そのデータ全てを母集団として」計算してみたいので、VARP関数を使用してみます。
VARP([利益])
年別にしてみたところ、2015年が一番値が大きい結果となりました。2015年が、利益というデータのばらつきが一番大きいということになります。 STDEVP関数と同じ結果になりました。
昨日のエントリで紹介したSTDEVP関数の値を合わせて表示してみたところ、確かに「標準偏差を2乗したものが分散」という関係になっていることがわかります。
どういう時に使う?
- データのばらつきを調べたいとき
- 異常値(特異値)を見つけることは、分析では重要です。異常値に引っ張られた分析結果を使用してしまうと、そこから起こす次のアクションもズレたものになってしまいます。
- 現実のデータと同じ単位でばらつきを見たい場合は標準偏差(STDEV系)、確率についてのばらつきを見たい場合は分散(VAR系)…という使い分けの一例も考えられます。
- データからワンランク上の規則性を見つけるために 「分散」と「標準偏差」をざっくり理解し、エクセル分析しよう (1/4):MarkeZine(マーケジン)
- 標準偏差の意味と分散との違い | 高校数学の美しい物語
参考文献
- 分散 (確率論) - Wikipedia
- 6-1. 分散 | 統計学の時間 | 統計WEB
- 分散の意味と求め方、分散公式の使い方
- 不偏標本分散の意味とn-1で割ることの証明 | 高校数学の美しい物語
- 母分散と不偏分散
- VAR.S 関数 - Office サポート
- VAR.P 関数 - Office サポート
- VAR VARP 関数 分散 エクセル Excel エクセルの学校
おわりに
集計関数も終わり、当アドベントカレンダーも佳境に入ってきました。
次回はtamaによる「Tableauの関数を全て試してみる〜ユーザー関数編」です。お楽しみに。