Tableau Serverのコマンドユーティリティ「tabcmd」入門 #tableau

2018.05.28

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はじめに

こんにちは。大阪オフィス唯一のDI部メンバー、tamaです。

本エントリは、Tableau Server Qualified Associateの試験ガイド「評価するスキル」に関連する内容となります。

  • ※2018年4月にバージョン2018.1がリリースされましたが、2018年5月現在のTableau Server Qualified Associateはバージョン10.5が対象のため、バージョンで異なる仕様や挙動については、バージョン10.5を対象にしています。

本エントリの概要

今回は試験ガイドの「tabcmd」を見ていきたいと思います。

tabcmdとは

Tableau Serverには、サーバーが処理するタスクを自動化(スクリプト化)するためのツールとして、2種類のWindowsベースコマンドラインユーティリティが組み込まれています。 そのうちの1つがtabcmdです。

tabcmdは、Tableau ServerのWebUI上で出来る操作(ユーザーの登録や抽出の更新など)をコマンドで代替できるものです。

tabadminと混同しがちですが、とりあえず最初のとっかかりとしては、tabadminはTableau Serverの重要な設定を行うものに対して、tabcmdは、手動でもできる作業をコマンドで実行して楽をするもの…くらいの感じで捉えておくと良いと思います。

tabcmdのインストール方法

Tabadminとは異なり、tabcmdは別途インストールする必要があります。ちなみに、Tableau Serverが複数台構成(分散環境)の場合、プライマリノードではないマシンでもインストールすることができます。

上記はTableau Serverのインストーラーをダウンロードできるページですが、実はここにtabcmdのインストーラーもあります。

バージョン毎のページに移動し、インストーラーのダウンロード部分を見てみると、tabcmdのインストーラーもあるので、ダウンロードします。

基本的にはインストーラーを実行し、ウィザードを進めていけば、インストールは完了します。

tabcmdを使用してできることの一例

  • ユーザーの作成と同期
  • ブックとデータソースを公開する
  • 画像とPDFを作成する
  • 抽出をリフレッシュする
  • スケジュールを実行する
  • ブック、データソース、およびユーザーを削除する
  • グループとプロジェクトの追加と削除
  • グループにユーザーを追加する
  • 管理タスクの自動化

tabcmdコマンドの基本構成

以下がtabcmdの基本的なコマンドの形式です。

tabcmd <command> [options]

ちなみに、tamcmdのログ(デバッグやエラーメッセージ等含む)は、以下の場所に書き込まれます。

C:\Users\<ユーザー>\AppData\Local\Tableau\Tabcmd

使用例

ログインする

tabcmd login -s http://localhost -u administrator -p training

tabcmdで何らかの処理を行いたい場合、必ず最初がこのログインコマンドから始めます。(ログインしないと、他の処理ができないため)

ログアウト

tabcmd logout

ヘルプの表示

tabcmd help

利用可能なすべてのヘルプコマンドを一覧表示する

tabcmd help commands

特定のコマンドのヘルプを表示する

tabcmd help <a command>

サイト「Default」にプロジェクトを作成する

tabcmd createproject -n "営業部" -d "営業部用のプロジェクト"

「営業部」という名称のプロジェクトをDefaultサイトに作成します。

指定したデータソース(抽出)を更新する

tabcmd refreshextracts -—datasource "売上データ"

「売上データ」という抽出ファイルを更新します。

CSVからユーザーをインポートする

tabcmd createusers "Users.csv" -license “Interactor"

「Users.csv」というファイルを用いて、ユーザーを登録します。

画像のエクスポートまたはPDF

tabcmd export "売上ダッシュボード" --pdf -f “C:\Users\Administrator\Downloads\filename”

「売上ダッシュボード」というワークブックを、PDFの形式でダウンロードフォルダにエクスポートします。

ワークブック全体を取得する

tabcmd get "売上ダッシュボード.twb" -f "C:\Users\Administrator\Downloads\売上ダッシュボード.twb"

「売上ダッシュボード」というワークブックを、ダウンロードフォルダにダウンロードします。

実践

tabcmdをインストールした環境で、実際にtabcmdを使用してみたいと思います。(プライマリノードにtabcmdをインストールした場合)

準備

コマンドプロンプトを管理者権限で起動する

tabcmdが存在するディレクトリに移動する

プライマリノードにインストールした場合は、下記のコマンドで、そちらに移動できます。

cd "C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\<バージョン>\bin"

Tableau Serverにログインする

下記のユーザーでログインします。

tabcmd login -s http://localhost -u <ユーザー名> -p <パスワード>

プロジェクトを作成する

tabcmd createproject -n アトミックドロップ -d tabcmdのテストで作成してみた

ログアウトする

tabcmd logout

確認

ちゃんと作成されていますね。

おわりに

今回はtabcmdの基本的なところを見てきました。まずは、tabadminとtabcmdで、それぞれ出来ることに違いを把握しておきたいところです。

使いこなせば、Tableau Serverの作業がとても楽になると思います。実際にどんなことができるかは、下記の公式リファレンスを参照すれば問題ないでしょう。

参考