[日本語Alexa] Alexa-hostedスキル(ベータ版)で永続化データを管理するクラスを作成してみました

2019.01.28

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1 はじめに

AIソリューション部の平内(SIN)です。

先日、Alexa-hostedスキル(ベータ版)が、一般利用可能になりました。

すべての開発者がAlexa-hostedスキル(ベータ版)を利用できるようになりました

Alexa-hostedでは、AWS Lambda、Amazon S3、AWS CodeCommitをAWSのアカウント無しで利用可能です。

しかし、提供されているサービスにDynamoDBが含まれていないため、Alexa-DSKで実装されているDynamoDBを使用したデータの永続化は利用できません。

そこで、今回は、Alexa-hostedで利用可能なS3を使用して、データの永続化を行うクラスを作成してみました。

ちょうど、S3で永続化データを利用できる、PersistenceAdapterのイメージです。

 

2019.01.28追記

既に、@zono_0さんによる ask-sdk-s3-persistence-adapter を利用したデータの永続化が紹介されていました。 Alexa-hostedによる、ユーザーごとの永続化データは、⇣が王道ですね。

Alexa-hostedスキルでセッション永続性(S3)とメディアファイル(S3ファイル)を利用する方法

2 動作確認

最初に利用している様子です。テストのために作成したスキルでは、永続化データを使用して、カウンターを実装してみました。

呼び出し名は、「セッションテスト」としました。

開発者コンソールのコードエディタを利用しています。

開発者コンソールのテストで、動作確認しているようすです。呼び出すたびに、カウンターがインクリメントされていることが確認できます。

3 永続化データ管理クラス

S3を使用して永続化データを管理するクラスは、下記のとおりです。

ユーザーごとのデータを管理できるように、コンストラクタで、userIdを取得して、Keyとして使用しています。なお、Alexa-hostedで使用できるバケットは、決められていて、環境変数のS3_PERSISTENCE_BUCKETから取得できます。

get()set()は、キーを指定してデータの読み書きを行っています。

const AWS = require('aws-sdk');
const s3 = new AWS.S3();

class AttributesManager {
constructor(handlerInput) {
this._params = {
Bucket: process.env.S3_PERSISTENCE_BUCKET,
Key: handlerInput.requestEnvelope.context.System.user.userId,
}
}

async get(key) {
try {
const data = await s3.getObject(this._params).promise();
const json = JSON.parse(data.Body);
return json[key];
} catch (err) {
// まだデータが存在しない場合
return undefined;
}
}

async set(key, value) {
let attr = {}
attr[key] = value;
this._params.Body = JSON.stringify(attr);
return await s3.putObject(this._params).promise();
}
}

4 使用例

先の永続化データ管理クラスを使用している例です。

永続化データ管理クラスでは、キーを指定してデータのRead Writeが可能ですが、ここでは、counterというキー名で、数値オブジェクトを読み書きしています。

S3への保存は、全て文字列に変換して行っているので、扱うデータの型は、問いません。

とりあえず、リクエストを全部受けるために、canHandleでtrueを返していますが、あくまでテストのためということでご了承下さい。

const LaunchRequestHandler = {
canHandle(handlerInput) {
return true; // テストのために、とりあえず全てのリクエストを処理する
},
async handle(handlerInput) {
// 永続化情報管理クラス
const attributesManager = new AttributesManager(handlerInput);

// 永続化データの取得
const key = "counter";
let counter = await attributesManager.get(key);
if (counter === undefined) {
// データが存在しない場合の初期化
counter = 0;
}
counter++;
// 永続化データの保存1
await attributesManager.set(key, counter);

const speechText = 'カウンターは' + counter + 'です。';
return handlerInput.responseBuilder
.speak(speechText)
.reprompt(speechText)
.getResponse();
}
};

5 S3の状況

S3を見ると、userIdをキーとしたデータができているのが確認できます。

データの中身は、JSONが、文字列として保存されています。

6 最後に

そこで、今回は、Alexa-hosted(ベータ版)で利用可能なS3を使用して、データの永続化を行うサンプルを作成してみました。

個人的には、スキルで心地よい体験を提供するには、永続化データは、必須だと思います。Alexa-hostedで利用可能なのは、限られた資源となりますが、なんとかこれを駆使して快適なスキル作成に挑戦してみたいです。

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7 参考リンク

すべての開発者がAlexa-hostedスキル(ベータ版)を利用できるようになりました

[日本語Alexa] Alexa-SDK Ver2 永続化情報の保存先をS3にしてみた 〜PersistenceAdapterの置き換え〜