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1 はじめに
AIソリューション部の平内(SIN)です。
先日、Alexa-hostedスキル(ベータ版)が、一般利用可能になりました。
すべての開発者がAlexa-hostedスキル(ベータ版)を利用できるようになりました
Alexa-hostedでは、AWS Lambda、Amazon S3、AWS CodeCommitをAWSのアカウント無しで利用可能です。
しかし、提供されているサービスにDynamoDBが含まれていないため、Alexa-DSKで実装されているDynamoDBを使用したデータの永続化は利用できません。
そこで、今回は、Alexa-hostedで利用可能なS3を使用して、データの永続化を行うクラスを作成してみました。
ちょうど、S3で永続化データを利用できる、PersistenceAdapterのイメージです。
既に、@zono_0さんによる ask-sdk-s3-persistence-adapter を利用したデータの永続化が紹介されていました。 Alexa-hostedによる、ユーザーごとの永続化データは、⇣が王道ですね。
Alexa-hostedスキルでセッション永続性(S3)とメディアファイル(S3ファイル)を利用する方法
2 動作確認
最初に利用している様子です。テストのために作成したスキルでは、永続化データを使用して、カウンターを実装してみました。
呼び出し名は、「セッションテスト」としました。
開発者コンソールのコードエディタを利用しています。
開発者コンソールのテストで、動作確認しているようすです。呼び出すたびに、カウンターがインクリメントされていることが確認できます。
3 永続化データ管理クラス
S3を使用して永続化データを管理するクラスは、下記のとおりです。
ユーザーごとのデータを管理できるように、コンストラクタで、userIdを取得して、Keyとして使用しています。なお、Alexa-hostedで使用できるバケットは、決められていて、環境変数のS3_PERSISTENCE_BUCKETから取得できます。
get()とset()は、キーを指定してデータの読み書きを行っています。
const AWS = require('aws-sdk');
const s3 = new AWS.S3();
class AttributesManager {
constructor(handlerInput) {
this._params = {
Bucket: process.env.S3_PERSISTENCE_BUCKET,
Key: handlerInput.requestEnvelope.context.System.user.userId,
}
}
async get(key) {
try {
const data = await s3.getObject(this._params).promise();
const json = JSON.parse(data.Body);
return json[key];
} catch (err) {
// まだデータが存在しない場合
return undefined;
}
}
async set(key, value) {
let attr = {}
attr[key] = value;
this._params.Body = JSON.stringify(attr);
return await s3.putObject(this._params).promise();
}
}
4 使用例
先の永続化データ管理クラスを使用している例です。
永続化データ管理クラスでは、キーを指定してデータのRead Writeが可能ですが、ここでは、counterというキー名で、数値オブジェクトを読み書きしています。
S3への保存は、全て文字列に変換して行っているので、扱うデータの型は、問いません。
とりあえず、リクエストを全部受けるために、canHandleでtrueを返していますが、あくまでテストのためということでご了承下さい。
const LaunchRequestHandler = {
canHandle(handlerInput) {
return true; // テストのために、とりあえず全てのリクエストを処理する
},
async handle(handlerInput) {
// 永続化情報管理クラス
const attributesManager = new AttributesManager(handlerInput);
// 永続化データの取得
const key = "counter";
let counter = await attributesManager.get(key);
if (counter === undefined) {
// データが存在しない場合の初期化
counter = 0;
}
counter++;
// 永続化データの保存1
await attributesManager.set(key, counter);
const speechText = 'カウンターは' + counter + 'です。';
return handlerInput.responseBuilder
.speak(speechText)
.reprompt(speechText)
.getResponse();
}
};
5 S3の状況
S3を見ると、userIdをキーとしたデータができているのが確認できます。
データの中身は、JSONが、文字列として保存されています。
6 最後に
そこで、今回は、Alexa-hosted(ベータ版)で利用可能なS3を使用して、データの永続化を行うサンプルを作成してみました。
個人的には、スキルで心地よい体験を提供するには、永続化データは、必須だと思います。Alexa-hostedで利用可能なのは、限られた資源となりますが、なんとかこれを駆使して快適なスキル作成に挑戦してみたいです。
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7 参考リンク
すべての開発者がAlexa-hostedスキル(ベータ版)を利用できるようになりました
[日本語Alexa] Alexa-SDK Ver2 永続化情報の保存先をS3にしてみた 〜PersistenceAdapterの置き換え〜