【速報】AWS Snowballをより高機能にしたAWS Snowball Edgeが発表されました #reinvent
re:Invent2016のKeynoteにて「AWS Snowball Edge」が発表されました。
昨年の re:invent で AWS Snowball というペタバイト級のデータ移行サービスが発表されました。 この間に
- キャパシティの増加(50TBから80TBへの増加)
- ジョブ管理API
- HIPAA対応
- HDFS対応
- S3アダプタ
- 追加のAWSリージョン対応
など、堅実な機能追加が行われてきました。
この路線でさらなる機能追加や対応リージョンの追加も可能ですが、通信インターフェースの追加のように拡張の難しい領域もあります。
そういった思いからか、Amazon は従来の Snowball とは別に、機能を大幅に拡張した新アプライアンス AWS Snowball Edge を発表しました。
Snowball Edge の拡張ポイント
Snowball Edge は Snowball に比べて、以下が強化されています。
- より多くの接続性
- より多くのストレージ
- クラスタリングによる水平スケーリング
- 新しいストレージエンドポイント(S3およびNFS)
- Lambda-poweredローカルプロセッシング
順に見ていきましょう。
より多くの接続性
Snowball Edgeになって高速な接続オプションが増えました
Snowball | Snowball Edge | |
10TBase-T | ◯ | ◯ |
10Gb SFP+ | ◯ | ☓ |
10Gb SFP28 | ☓ | ◯ |
25Gb SFP28 | ☓ | ◯ |
40Gb QSFP+ | ☓ | ◯ |
より多くのストレージ
Snowball では50TBまたは80TBが利用可能でしたが、Snowball Edge は100TBのみです。
Snowball | Snowball Edge |
50TB or 80TB(US)
80TB(US以外) |
100TB |
クラスタリングによる水平スケーリング
Snowball では50TBまたは80TB単位でのデータ移行しかできませんでした。その為、Snowball 1台に収まらないデータを移行するときは、複数のSnowblal を取り寄せるなどして、並列性をあげてリーディングタイムを短くするといった戦略が必要でした。
Snowball Edge は複数ディスクでクラスタリングを組むことができ
- 耐久性の向上(99.999%)
- 水平スケーリング(80TB→400TB)
を実現しました。
新しいストレージエンドポイント(S3およびNFS)
Snowball では、
- Snowball 専用のプロトコル
- ローカルにS3プロキシーサーバーを立て、ローカルのS3コマンド→プロキシー→Snowball
の2択でした。
Snowball Edge では、Snowball Edge 自身が
- S3 API のサブセット
- NFSv3, NFS 4.1
も喋るようになりました。
Lambda-poweredローカルプロセッシング
これはなかなか面白い機能です。
Snowball から S3 に PUT するタイミングで ETL の T(Transform) のように処理を Lambda(AWS Greengrass) で挟むことができます。
価格
最後に価格を比較しましょう
Snowball | Snowball Edge | ||
容量 | 50TB | 80TB | 100TB |
利用料 | 200USD | 250USD | 300USD |
遅延料/日 | 15USD | 15USD | 30USD |
価格差はあまり無いですね。
まとめ
Snowball を使う上での不満ポイントが Snowball Edge では大幅に改善されています。
小規模なデータ移行であれば Snowball、中/大規模あるいは複雑な要件のデータ移行はSnowball Edgeという棲み分けができそうですが、両アプライアンス間で価格的に大きな差が無いため、若干オーバースペックでも Snowball Edge に寄せる、ノウハウがいい感じに貯まるのではないかと思います。