Amazon FSx for Windows 大量アップデートが来ました 2019年11月

日本時間の2019年11月21日に Amazon FSx for Windows のアップデートが大量に発表されましたのでまとめてみました。
2019.11.21

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こんにちは。 ご機嫌いかがでしょうか。 "No human labor is no human error" が大好きな吉井 亮です。

日本時間の2019年11月21日に Amazon FSx for Windows のアップデートが大量に発表されましたのでまとめてみました。

ファイルシステムの最小サイズが32GBになりました

これまで FSx for Windows で作成するファイルシステムの 最小サイズは 300GB でしたが 32GB に変更になりました。

この変更は FSx for Windows が利用可能なリージョンで有効です。 東京リージョンも含まれています。

Amazon FSx for Windows File Server reduces the minimum size for file systems from 300 GBs to 32 GBs

転送中の暗号化が可能になりました

これまでは保存しているデータの暗号化はサポートされていました。 それに加えて転送中のデータ暗号化がサポートされました。

SMB 3 に対応するクライアントからファイルシステムへアクセスすると 転送中のデータを自動的に暗号化します。

SMB 3 対応クライアント

  • Windows 8 以降
  • Windows Server 2012 以降
  • Samba 4.2 以降を使う Linux

ファイルシステムアクセスに対して暗号化をサポートするクライアントのみを許可することが可能です。 また、ファイル共有ごとに転送中の暗号化の有効・無効を決定できるので 同じファイルシステムでも暗号化有無を混在させることも可能です。

この変更は FSx for Windows が利用可能なリージョンで有効です。 東京リージョンも含まれています。 暗号化を実施しても追加費用は発生しません。

Amazon FSx for Windows File Server now enables enforcement of in-transit encryption

PowerShellを介したファイル共有の管理をサポートしました

FSx for Windows は GUI で管理・操作してきましたが PowerShell で管理可能になりました。 これ以降に紹介するアップデートで必要です。

以下の手順で管理を行います。

  1. ファイルシステム管理者グループのメンバーであるユーザーで、ファイルシステムに接続されているマシンに接続する
  2. PowerShell を開く
  3. Invoke-Command コマンド実行する
PS> Invoke-Command -ComputerName fsxComputeName -ConfigurationName FSxRemoteAdmin -scriptblock {fsx-command}

※ fsxComputeName はご自身の環境に置き換えください。

この変更は FSx for Windows が利用可能なリージョンで有効です。 東京リージョンも含まれています。

 

日本時間 2019年11月21日(木) 03:00 以降に作成したファイルシステムで有効です。 既存ファイルシステムは今後のメンテナンスで対応する予定とのことです。

Amazon FSx for Windows File Server now supports managing file shares via PowerShell

ユーザーレベルのクォータをサポートしました

管理者がユーザーレベルのストレージ利用を監視および制御できるようになりました。

クォータでは、Warning と Limit の2つのしきい値を設定できます。 Limit に達したユーザー/グループはファイルシステムへの書き込みができなくなります。

クォータの設定は前述した PowerShell コマンドで行います。

PS> Invoke-Command -Computername fsxComputeName -ConfigurationName FSxRemoteAdmin -ScriptBlock {Enable-FSxUserQuotas -Enforce -DefaultLimit 9672960 -DefaultWarningLimit 100000}

※ fsxComputeName, -DefaultLimit, -DefaultWarningLimit はご自身の環境に置き換えください。

この変更は FSx for Windows が利用可能なリージョンで有効です。 東京リージョンも含まれています。

 

日本時間 2019年11月21日(木) 03:00 以降に作成したファイルシステムで有効です。 既存ファイルシステムは今後のメンテナンスで対応する予定とのことです。

Amazon FSx for Windows File Server now supports user storage quotas, enabling monitoring and control of user-level storage consumption

データ重複排除をサポートしました

数年前、高価なストレージ機器が重複排除を提供し始めた時には 大きな驚きを感じたことを思い出しました。 ストレージ機器では一般的になっている重複排除が FSx for Windows でもサポートされました。

ファイルサーバーは複数のユーザーが同じファイルを保存することは珍しくありません。 重複した冗長なデータを削減することで、ファイルシステムを効率的に利用できるようになります。

重複排除の設定は前述した PowerShell コマンドで行います。

PS> Invoke-Command -Computername fsxComputeName -ConfigurationName FSxRemoteAdmin -ScriptBlock {Enable-FsxDedup }

※ fsxComputeName はご自身の環境に置き換えください。

この変更は FSx for Windows が利用可能なリージョンで有効です。 東京リージョンも含まれています。

 

日本時間 2019年11月21日(木) 03:00 以降に作成したファイルシステムで有効です。 既存ファイルシステムは今後のメンテナンスで対応する予定とのことです。

Amazon FSx for Windows File Server now supports Data Deduplication, reducing storage costs by 50-60% for general file shares

高可用性 SQL Server のストレージとしてサポートされました

WSFC を使用した SQL Server の共有ストレージとしてサポートされました。 CA ファイル共有のサポートにより SQL Server のデータファイルストレージとして、 または、クォーラム用のストレージとして使用することができます。

RDS for SQL Server を使えず on EC2 で構成せざるを得ない場合でも 選択肢が増えたということが言えそうです。

Amazon FSx for Windows File Server adds support for High Availability Microsoft SQL Server Deployments

複数の Availability Zone をまたがるファイルシステムをサポートしました

単純に素晴らしいアップデートです。 「冗長化に目をつぶってください」や「DFS 検討しましょう」を 言わなくてよくなりました。 ありがとう、AWS !!

Multi-AZ で構成すると Active-Standby になり Active 側 AZ に障害が発生すると自動的に切り替わります。

ファイルシステム作成時に Multi-AZ か Single-AZ を選択できます。 今のところファイルシステム作成後の変更はできないようです。

Multi-AZ にした際の Storage capacity と Throughput capacity は 当たり前ですが倍になります。 コストと可用性要件を比べて選択ください。

Amazon FSx for Windows File Server now supports file systems that span multiple Availability Zones

まとめ

1年前の re:Invent 2018 でセッションを聴講した時に比べて大きく進化してきています。 業務システムのクラウド移行が進むなかで ファイルサーバーの移行が大きな課題になっている企業も多いのではないでしょうか。 マネージドサービスを利用することがクラウドのメリットの一つだと考えます。 今後も FSx for Windows が進化していくことを期待しています。

それではラスベガスで会いましょう!!!

参考

Amazon FSx For Windows File Server Update – Multi-AZ, & New Enterprise-Ready Features Amazon FSx for Windows File Server reduces the minimum size for file systems from 300 GBs to 32 GBs Amazon FSx for Windows File Server now enables enforcement of in-transit encryption Amazon FSx for Windows File Server now supports managing file shares via PowerShell Amazon FSx for Windows File Server now supports user storage quotas, enabling monitoring and control of user-level storage consumption Amazon FSx for Windows File Server now supports Data Deduplication, reducing storage costs by 50-60% for general file shares Amazon FSx for Windows File Server adds support for High Availability Microsoft SQL Server Deployments Amazon FSx for Windows File Server now supports file systems that span multiple Availability Zones リージョン表

以上、吉井 亮 がお届けしました。