【レポート】DNPにおけるCCoEの役割とAWS DeepRacerを活用した人材育成 #AWSSummit
セッション概要
本日より開催されています AWS Summit Tokyo 2019。大日本印刷様によるお客様事例セッション J1-04 を聴講してきましたのでレポートします。
スピーカー(敬称略)
- 和田 剛
- 大日本印刷株式会社
- 情報イノベーション事業部 C&Iセンター システムプラットフォーム開発本部 CCoEグループ
- CCoEグループリーダー
DNPではパブリッククラウド活用の推進組織としてCCoE(Cloud Center of Excellence)を設立し、コミュニケーションハブとして活動することで、プロジェクト支援や共通サービスの開発、ガイドラインの作成に加えて、人材育成の役割を担っています。本セッションでは、DNPが考えるCCoEの役割と、人材育成の活動の一環として実施しているAWS DeepRacerの社内レースについてご紹介いたします。
資料
(後日公開されましたら掲載します)
セッションの内容
- 本日お話すること
- CCoEの役割
- DRを活用した人材育成
-
DNPについて
- 創業143年
- 顧客は3万社
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世界最大規模の印刷会社
-
印刷業界は縮退傾向。事業を新しい領域に進める。
- 知とコミュニケーション
- 食とヘルスケア
- 住まいとモビリティ
- 環境とエネルギー
CCoE
- CCoE = Cloud Center of Excellence
-
re:Invent 2018で事例は1個だけだった。セッションは少ない
-
DNPは...
- AWSからみてユーザー企業
- 自社データセンターを持っている
- グループ内に開発会社がある
- 1000名単位で開発者がいる
- AWS利用開始は2017/7から
- CCoEは去年の4月にできた
- 140アカウント以上を使用中
- CCoEを組織化
- ずっとオンプレで運用していた
- 人材育成
- 組織作り
- ルール決め
- アーキテクトを中心にAWSの知識をインプット
- CCoEの役割検討
- 国内外の多数の事例を参考にした
- ベストプラクティスを参考に九ヶ月で組織化
- CCoEの立ち位置
- コミュニケーションHUBに
- 1箇所にまとまってくるように。情報が広がるように。
- 情報は双方向に
- 継続的な学習に力を入れている
- セキュッリティガバナンスを確立
- 迅速なサービスの立ち上げ
- セキュリティ統制とガイドライン
- マルチアカウント構成
- CCoEがルートユーザーを管理
- ガイドラインのボリュームは少なめに
- 詳細な設計ポリシーは別に用意している
- セキュリティ/運用機能の共通サービス化
- ガイドラインの解釈のズレをなくすため
- 情報共有の場作り
- 集まった情報を社員に還元
- CCoEサミット:毎月2-3時間、全国に中継
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CCoE Expo: 月一ペース。全国の開発拠点で実施
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人材育成
- クラウド人材育成プログラム
- DNPオリジナル研修
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ハッカソン
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クラウド人材育成プログラム
- 15名 3名x5で演習 SAA取得レベル
- 30営業日、160時間以上
- 研修ハンズオンを自社環境で再現
- AWSリーダーシップ研修: 事例ベースのロールプレイとアウトプット
- DNPオリジナル研修
- 自社ガイドラインに準拠したアカウントを利用
- サーバレスとコンテナ
-
教えることによって理解が深まる
-
CCoEについて知見を共有したい。ディスカッション歓迎します
DeepRacerを活用した人材育成
- 真の意味でのクラウドシフト
- 利用料が二次関数的増加の傾向。しかし増えれば良いというわけではない
- クラウドシフトからクラウドネイティブへ
- サービスを組み合わせて価値を生み出せるBuildersの育成が急務
- AI技術に関するサービスは次々とリリース
- 機械学習系のサービスがとても増えている
- re:Inventで発表されたDeepRacerに注目
そうだ社内レースを開催してみよう
- AWS DeepRacer GP (Grand Prix) powered by DNP
- DNPが主催する大会
- 月1回、社内レースを開催
- Pitと称した週2回の勉強会で全体の底上げ
- 70人以上が参加
- 目標:AWS DeepRacer Leagueで優勝
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業務として上長と調整して参加
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DeepRacerのGA前からSageMaker + RoboMakerで社内レースをやった
- Pythonプログラミング
- シミュレーション
- 報酬の調整
- ハイパーパラメータの調整
- 学習中は、通常の業務をやってるので効率が良い
- 社内レース:CCoEが主催
- レース後に必ずノウハウ共有会を実施
- 優勝者にはクリスタルトロフィ(数万円)
- ノウハウはQiitaに共有。社外に出すことが重要。
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Qiitaの利用については社内で異論も。でも重要と判断して実施。
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参加者が社内レースを盛り上げようとオーナーシップを発揮
- 電光掲示板
- タイム計測システム
- 距離センサー
- 手作りコース
- ラップタイム計測システムについて少し詳しく解説
- 顔写真を車両に貼る
- Rekognitionで認識してラップタイム表示
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自然と様々なサービスを組み合わせてクラウドネイティブなシステムを作り上げた
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海外のサミットサーキットにも参加
- シンガポールはレベルが高かった
- カスタムモデルを使っているのが珍しくインタビューを受けた
- シンガポールではDNPの知名度はそれほどでも
- 仮想サーキットにも参加
- メンバー着用のTシャツは実際の走行軌跡をプロットしたもの
DeepRacerから得られたもの
- 強化学習がとても身近になった
- 世界のレベル/温度感がわかった
- 社員のオーナーシップを再確認
- 本気で取り組む
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楽しむ風土を醸成
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AWS DeepRacer GP (Grand Prix) powered by DNP
- DNP主催でレースを開催します
- 空間メディアプロデュースのノウハウを活用してコースを作成
- 本日より参加者を募集開始
- 実機はAWSから借りてレースを実施予定。技適は取ったもの。
まとめ
- CCoEはコミュニケーションハブ
- Buildersの育成が必要
- DeepRacerを活用すればヒューマンスキルを有したエンジニアを育成可能
感想
AWS Summit Tokyoの会場では日本では初開催のDeepRacer Leagueが盛り上がっていました。そこで圧倒的な存在感を見せていたのがDNPからの参加者のみなさんでした。その秘密の一端をうかがい知ることができました。