[レポート]「Adobe MAX 2018 レポートセミナー@札幌」アドビの新サービス&新機能まとめて紹介!

2018年10月13日〜17日に米国ロサンゼルスで「Adobe MAX 2018」が開催されました。
このAdobe MAXで発表された新サービスやアップデート情報を、まとめて共有してもらえるイベントが「Adobe MAX 2018レポートセミナー」です。
レポートセミナーは全国6都市で開催され、私は12月3日(月)に最後の開催地・札幌で参加してきました。
会場は満員で、アドビサービスの注目度が高いことが伺えます。
こちらの記事では、新機能や新サービスの情報と、気になったサービスについては実際に動かしてみた内容を書いています。

Adobe MAX 2018レポートセミナー

アジェンダ

  • CCの新機能と既にあったけど便利な機能(デザイン)
  • CCの新情報(Web・動画・サービス)
  • アドビが考える未来

はじめに

アドビが考えるAIの助けとは

デザインを作るにあたって、AIについては否定的な意見もありますが、アドビは保存などの単純作業をAIに任せることによって、仕事の効率を上げると考えています。
そこで、作業スピードのさらなる高速化を目指し、Adobe Senseiを開発しました。
Adobe Senseiとは、人工知能(マシーンラーンニング)のことです。
では、どこにこの技術が使われているのでしょうか?新機能やアップデート情報と合わせて、これから説明していきます。

新機能と既にあったけど便利な機能

Photoshop

コンテンツに応じた塗りつぶし

従来であれば、スポット修復ブラシツールを使って修正しますが、Adobe Senseiの技術を活用した「コンテンツに応じた塗りつぶし」を使えば、簡単に塗りつぶしができるようになりました。

  1. 選択ツールを使用して、塗りつぶしたい領域を選択します
  2. メニューバーから、編集/コンテンツに応じた塗りつぶしを選択します
  3. 画面左側のサンプル領域を適宜修正します
  4. 画面右側のコンテンツに応じた塗りつぶしパネルでオプション設定や塗りつぶしの調整をします

コンテンツに応じた塗りつぶしについて

フレームツール

画像をフレームに配置して、簡単にマスキングすることができるようになりました。画像をフレームに配置するには、ドラッグ&ドロップをするだけです。
画像は、フレームに合わせて自動的に拡大・縮小されるうえ、常にスマートオブジェクトとして配置されるので、非破壊的に拡縮することができます。
フレームツールについて

新しいverの変更点

  • Control + Z(Win)/Command + Z(Mac)を使用して、複数のステップを取り消すことができます
  • シフトキーを押さずに拡縮→縦横比率を保ったまま変形できます
  • シフトキーを押して拡縮→縦横比率を変えて変形できます

Illustrator

グラデーションツール

従来は線形グラデーションor円形グラデーションしかありませんでしたが、フリーグラデーションができました。
ポイントやラインで自由自在にグラデーションが設定できるようになりました。(グラデーションメッシュを作る必要がありません)
グラデーションについて

フォントメニュー

フォントを選択する際に、フォントのサンプルが表示されるようになりました。またフォント右側のアイコンによって、フォントの種類を表示してくれます。
OpenTypeはO、Adobe Fonts(旧Typekit)は雲マーク、などです。
フォントについて

トリミング表示

ガイドやグリッド、アートボードからはみ出している要素を表示せずに、完成イメージだけを表示できます。
起動方法は、[表示]メニューから[トリミング表示]をクリックします。

プレゼンテーションモード

アートボートをスライド表示ができる、プレゼンテーションモードが新設されました。
起動方法は3つあります。

  • ツールパネル下部のスクリーンモードで[プレゼンテーションモード]をクリックします
  • キーボードショートカット:shift + F
  • [表示]メニューから[プレゼンテーションモード]をクリックします

InDesign

プロパティパネルができた

必要な操作項目をスムーズに、より簡単に見つけられるようにするため、新しいインタフェースのプロパティパネルを作りました。

フレームに写真の大きさを合わせる

Adobe Senseiの技術を活用し、フレーム内に画像を配置したとき、画像の最も適した部分にフィットさせることができます。
画像の最適な部分とは、フレームの寸法と縦横比に基づいて決定されると共に、画像の様々な部分による判断からも決定されてます。
フレームとオブジェクトの操作について

CCの新情報

Dimension

2Dと3Dを組み合わせたリアルな合成画像を、簡単に作成することができるツールです。
まるで実際に撮影したかのような3D表示ができます。
このDimensionのデモを見たときがいちばん衝撃が大きかったです。
ということで素人の私でも作成できるのか、試してみました!

モデルを選択する

Dimensionには、たくさんのモデルが用意されています。いろいろな形のボトルや食品缶、箱やギフトバッグ、タオルなど様々です。
その中で自分が使いたいモデルを選択し、カンバスに配置します。

ツールパネルを使ってみる

左側のツールパネルには、モデルの移動や拡大・縮小、回転、3D空間内での視点の移動ツールなどがあります。
どのように見え方が変わるのか、移動するのかを一通りツールパネルを操作してチェックしてみます。

材質を設定する

マテリアルから、好きな材質を選択してドラッグ&ドロップします。
モデルと同様にマテリアルに関しても、ガラスやボール紙、アルミ、プラスチックなど様々な材質が用意されています。

グラフィックを配置する

あらかじめIllustratorで作成したロゴを、3Dのボトルと紙袋に配置します。
ドラッグ&ドロップで配置したあと、ロゴの移動や拡縮などを行います。

背景を設定します

置かれている3D空間に背景画像を配置します。

「画像から環境を設定」をクリックすると、背景画像に合わせてカメラの位置(視点)や、ボトルと紙袋の位置の調整、光の強さや角度などを設定できます。

レンダリングと保存

3Dオブジェクトと背景画像の合成が完了したら、画像をレンダリングして書き出します。
※レンダリングとは:3D空間内に配置されたモデルや質感、ライトなどの情報をもとに計算を行い、2D画像に変換する処理のこと

さらに加工(今回は完成とする)

psdで保存されるので、ここからさらにPhotoshopでテキストなどを入力して、ポスターに仕上げます。

今回はPhotoshopでの仕上げは行わず、一旦ここまでで完成としました。
完成画像はこちら

まあ、ど素人の私が初めてDimensionを触っての作成なので、こんなものではないでしょうか…
完成度はかなり低いですが形にはなりました。
初めてアプリを立ち上げて作成していると、どの流れで作業していくかの説明画面が表示されるので、とてもわかりやすかったです。
あとはこちらの詳細説明ページも並行して読みながら進めると、作成しやすいと思います。
Dimensionことはじめ

XD

Webデザイン・プロトタイプなどを作成するサービスで、画面遷移の設定ができるので、電子マニュアルのような使い方も可能です。

同じ間隔、大きさでテキストや画像を入れる場合

リピートグリッドでグループ化すると、コピペでの繰り返しが必要ありません。
リピートグリッド機能について

画面遷移だけでなく、アニメーションを設定できる

トランジション、自動アニメーション
例)文字の配置が下にさがる、◯から□に変動する様子、ハートに揺れる動きをつける、など

自動アニメーションについて

Premiere Rush

SNS動画の作成と投稿をかんたんにした動画編集サービスです。YouTuberなどが流行っている、今の時代に沿ったサービスとして開発されました。
PC、タブレット、スマホどれでも同じUIで使えます。

オーディオ

動画の中で、BGMと人の声がぶつかっていて聞き取りづらい場合があります。
そんなときは、BGMだけ音量を小さくし、人の声を優先してくれるような設定ができます。

  1. タイプを選択する(ミュージックor音声)
  2. 「自動ダッキング」にチェックを入れる(人の声が優先される)

このミュージックや音声の検出は、Adobe Sensei(人工知能)によるものです。
オーディオの調整について

Adobe Stock

絞り込み機能

「コピースペースフィルター」を使うと、テキストやオブジェクトの合成に必要なスペースがある画像を、はやく見つけることが可能です。また、似た画像の検索機能が強化され、読み込ませた参照画像の要素(被写体、カラー、構図)に絞っての検索も可能になりました。

アドビが考える未来

近い未来

Photoshop iPad版

レタッチや合成、スポット修復、描画モードなど、慣れ親しんだデスクトップツールとワークフローをiPadですべて使用できます。
Photoshop iPad版の詳細

Project Gemini iPad版

タッチペンやタッチデバイス向けの新たなデザインアプリです。Creative Cloudのアプリとシームレスにつながるため、PSDファイルをGeminiに取り込んで自由に創作を行うことも可能です。
Project Geminiの詳細

Project Aero

PhotoshopやDimensionなど、すでに使い慣れたツールを使ってAR(拡張現実)対応コンテンツを制作できます。
Project Aeroの詳細

遠い未来

FantasticFold

パッケージデザインなど、紙を折りたたんで設計する物の表面の印刷を設計するツールとして制作されました。イラストレーターなどで設計してみたけれど、組み立ててみたら絵柄がうまく合わない、といったことがないように、3Dのプレビューを見ながらデザインを設計することができます。
参照ページ

感想

2時間のセミナーでしたが、盛りだくさんな内容で勉強になったことがたくさんありました。私は業務の中で、たまにPhotoshopやIllustrator、Premiere Proを使っていますが、アップデート情報はまったく確認していなかったので、参加してとてもよかったです。セミナー中はデモが多く、自分でも実際に動かして試してみたい機能がいくつかありました。また今回初めてDimensionを触ってみて楽しかったので、他のアプリも使ってみたくなりました。Photoshopの自由変形では、縦横比率を変えたくない場合が多いので、拡縮の際にシフトキーを押さなくてよくなったのは、個人的にいちばんうれしいアップデートかもしれません。