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1 はじめに
Raspberry PiのWi-Fi設定は、/boot/wpa_supplicant.conf を記述しておくだけで変更できます。
しかし、この方法だと、一旦、MicroSDを外してMacでマウントしなければなりません。(といってもそれだけですが・・・)
そこで、より一般的に利用可能な、USBメモリに設定ファイルを書き込むことで、Wi-Fi設定が変更できるようにしてみました。
下記のように、USBメモリを差し込んで起動するだけで、WI-Fiの設定を変更できます。
※本記事は、2018-06-27-raspbian-stretch.img で作業しています。
2 USBメモリ
Raspberry PiにUSBメモリを挿入すると、下記のように自動的にマウントされて利用可能になります。マウント先は、/media/pi/ボリューム名となります。
$ df -k
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
・・・略・・・
/dev/sda2 14891008 37160 14853848 1% /media/pi/Wi-Fi
USBメモリ内のファイルにアクセスするには、ボリューム名が必要なので、今回は、Wi-Fiというボニューム名をつけることにしました。
このUSBメモリの中に、wpa_supplicant.confというファイルを作成します。(USB内には、その他のファイルが入っていても問題ありません)
wpa_supplicant.confは、通常の設定ファイルと同じです。起動時に、このファイルが /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf に上書きされることになります。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP
network={
ssid="Free001"
psk="password"
}
3 rc.local
起動時に、USBメモリの中のwpa_supplicant.confをコピーして、wpa_supplicantを再起動するシェルは、rc.localに追加しました。
_WPA="wpa_supplicant"
_EXE="/sbin/${_WPA}"
_SRC="/media/pi/Wi-Fi/${_WPA}.conf"
_DST="/etc/${_WPA}/${_WPA}.conf"
for i in `seq 0 30`
do
logger -p syslog.info -t EXT_WPA "LOOP i = $i"
if [ -e ${_SRC} ]; then
cp ${_SRC} ${_DST}
pkill -f ${_WPA}
sleep 1s
${_EXE} -Dnl80211,wext -iwlan0 -c${_DST} -B
break
fi
sleep 1s
done
動作の内容は以下のとおりです。
- USBメモリがマウントされ、/media/pi/Wi-Fi/wpa_supplicant.confが見つかるのを待つ(30秒間だけ待機する)
- wpa_supplicant.conf を /etc/wpa_supplicant/ にコピーする
- 既に起動している wpa_supplicantを停止する
- wpa_supplicant を起動する(バックグラウンド起動)
4 最後に
今回は、USBメモリに書き込んだファイルでWi-Fi設定の変更を試してみました。使ってみると思ったより便利かもって感じです。
当初、/etc/systemd/system/expanded-wpa_supplicant.serviceみたいなサービスへの追加を検討しましたが、この時点では、まだUSBメモリがマウントされていないため、実装できませんでした。
また、USBメモリを挿入したタイミングで動作させようと、/etc/udev/rules.d/ にルールを追加する事も試してみましたが、このタイミングだと、マウントが完了する前に実行されるため、うまくファイルにアクセスできなくて断念しました。
なお、本構成は、セキュリティについて一切考慮されておりません事を予めご了承下さい。