
Claude Code v2.1.224 の主要アップデート - セルフホスト環境とセッション間メッセージング
クラウド事業統括本部の石川です。Claude Code の v2.1.224(2026-08-07 公開)がリリースされました。今回は新機能が多く、注目のアップデートアップデート盛りだくさんです。新機能である 「セッションをまたぐ SendMessage と ListAgents」を試しています。
前回のアップデート記事はこちらです。
アップデートサマリー
v2.1.224 では 31 件の変更が入りました。内訳は新機能が 5 件、セキュリティに関わるものが 5 件、修正が 13 件で、残りは改善や表示まわりの変更です。機能別では Remote Control に関わる項目が 9 件と最も多く、web・モバイルからの利用まわりを集中的に手当てした回になっています。
注目のアップデート
セルフホスト環境を作る claude self-hosted-runner
新たに claude self-hosted-runner コマンドが追加されました。自分のマシンやコンテナを、Claude Code の web・モバイル・デスクトップのセッションが動く場所にできます。対象は Team および Enterprise プランです。
自社のネットワークやコンテナイメージに閉じた環境で web・モバイルからのセッションを動かしたい組織にとっては、選択肢が一つ増えたと感じます。
セッションをまたぐ SendMessage と ListAgents
クロスセッションの SendMessage が追加され、Claude Code のセッション同士がメッセージをやり取りできるようになりました。手元の複数のマシンにまたがって送信でき、相手の検出には ListAgents を使います。対応は macOS と Linux です。
あわせて crossSessionInbound と dialogExpiry の設定が追加されました。パーミッションをバイパスして動作中のセッション宛に送られたメッセージは承認待ちとして保留され、それ以外のセッション宛のメッセージは自動的に配信されます。
これまでセッションごとに閉じていた作業を、片方の結果をもう片方へ渡す形でつなげられるようになると感じます。
Bedrock 向けの ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX
Bedrock 向けに ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX 環境変数が追加されました。AWS_REGION から導出されるものより優先して、特定のクロスリージョン推論プロファイルを選べます。
Bedrock 経由で使っていて、AWS_REGION から決まるものとは別のクロスリージョン推論プロファイルを使いたい方には、環境変数ひとつで指定できるようになったと感じます。
サンドボックスの拒否設定が末尾スラッシュで回避できた問題を修正
末尾にスラッシュを付けて記述したサンドボックスのファイルシステム拒否設定(例: denyRead: "~/.aws/")が、Linux と macOS で気づかないうちに回避できてしまう問題が修正されました。
拒否設定を末尾スラッシュ付きで書いていた方は、意図した拒否が効いていなかった可能性があるため、更新とあわせて設定を見直す価値があると感じます。
サンドボックスの資格情報マスキングの拡張
サンドボックスの資格情報マスキングにオプションが追加されました。構造化された環境変数値向けの extract と onExtractNoMatch、JWT を解釈してマスクする decode: "jwt" と maskClaims、AWS SigV4 の再署名を行う awsPairs/sigv4 が使えます。これらは network.tlsTerminate を必要とし、ユーザー設定・マネージド設定・--settings 経由の設定からのみ有効になります。
AWS の資格情報や JWT をサンドボックス越しに扱うワークロードでは、マスキングの粒度を上げる余地が広がったと感じます。
フィードバックアンケートのトランスクリプト共有で送られる範囲が広がった
フィードバックアンケートのトランスクリプト共有の挙動が変わりました。ユーザーの同意のもと、直近のリクエストのモデル設定、つまりシステムプロンプト(CLAUDE.md の指示を含む)・ツール定義・モデルパラメータもアップロードされるようになっています。シークレットはこれまで通り秘匿され、共有サイズが大きすぎる場合はこれらのフィールドが最初に削られます。
フィードバックアンケートでトランスクリプトを共有する際は、CLAUDE.md の内容も送られる前提で判断することになると感じます。
長いプロジェクトパスによるセッションの取り違えを修正
200 文字を超える長いプロジェクトパスが、サニタイズ後に共通のプレフィックスを持つことで別プロジェクトのセッションディレクトリに解決されてしまう問題が修正されました。セッション一覧・リネーム・フォーク・削除・/resume がプロジェクトをまたがなくなっています。
深い階層に置いたプロジェクトで /resume の候補が妙だと感じたことがある方は、このバージョンで解消している可能性があると見ています。
アップデート内容
新機能
claude self-hosted-runnerによるセルフホスト環境(Team および Enterprise プラン)- クロスセッションの
SendMessageと、相手を検出するListAgents(macOS と Linux) crossSessionInboundとdialogExpiryの設定- サンドボックスの資格情報マスキングのオプション(
extract/onExtractNoMatch/decode: "jwt"とmaskClaims/awsPairs・sigv4) - Bedrock 向けの
ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX環境変数 archiveプラグインソース。git や npm を使わずに HTTPS 経由の zip からプラグインをインストールでき、SHA-256 によるピン留めも任意で指定できます- 利用できなくなったペーストを削除することでコマンドのテキストが変わる場合の、キャンセルと確認のステップ
改善
- フルスクリーンモードで、コンパクションを繰り返してもコンパクション前の履歴全体をスクロールバックに保持するようになりました(従来は直近の区間のみ)
- Remote Control で、接続中の web・モバイルクライアントにコンパクションの進行状況と境界が見えるようになり、
/clearによるリセットも伝わるようになりました - Remote Control の接続失敗時に、8 秒で消えるトーストではなく、詳細と再接続ショートカットを備えた常時表示の失敗インジケーターが出るようになりました
- 1 セッションあたり 200 サブエージェントという起動上限が撤廃されました(並列数と深さの制限は引き続き適用されます)
- マネージド設定で、組織の設定が変わっていない場合は再ログインや組織の切り替えの後に承認プロンプトが再表示されなくなりました
- Remote Control で、コンパクションや
/resumeの後に新しいセッションが作られた際、古いサーバーセッションがアーカイブされるようになりました - 呼び出し直したペーストのプレースホルダー番号が、入力に取り込まれた時点で振り直されるようになりました
- Bash ツールの説明に、コマンドの出力はモデルには表示されるがユーザーには確実に表示されるとは限らない点が明記されるようになりました
修正
- 長いプロジェクトパスによるセッションの取り違えを修正: 200 文字超のパスが別プロジェクトのセッションディレクトリに解決される問題が解消されました
- Remote Control の会話履歴の持ち越しを修正: サーバー側のセッションが期限切れになった後に作り直されたセッションが、それ以前のローカルの会話履歴を新しいセッションにアップロードする問題が解消されました
SendMessageの誤った成功報告を修正: 相手の受信ボックスへの書き込みに失敗していても「Message sent」と報告していた問題が解消され、配信失敗はエラーとして報告されます- MCP ツールの遅延登録の不備を修正: ターンの途中で接続された MCP ツールが、その名前をモデルに知らせないまま遅延ツールとして扱われる問題が解消されました
- プラグインのインストール記録の破損を修正: 同じプラグインを複数のプロジェクトでインストールしたときに記録が壊れる問題が解消されました
- ペースト内容の取り違えを修正: 呼び出し直した/復元したペーストが、期限切れやプレースホルダー番号の衝突の際に誤ったデータを添付したり、黙ってテキストを失ったりする問題が解消されました
- Remote Control の自動起動失敗を修正: 古いログイントークンでのコールドスタート時に「Remote credentials fetch failed」で断続的に失敗する問題が解消されました
- VS Code 拡張機能の接続状態の誤表示を修正: 接続に失敗した後も Remote Control を接続済みと表示する問題が解消されました
- オフにした Remote Control が再接続される問題を修正:
--resume、SDK ホスト、VS Code 拡張機能で、セッションの再開時に黙って再接続される問題が解消されました - 地味に嬉しい修正: Wayland での選択時コピーがクリップボードに届かないことがある問題が修正されました。Linux のデスクトップ環境で Claude Code を使っている方には、地味ながら日々効いてくる修正だと感じます
- このほか、フィードバックアンケートのトランスクリプト共有、
/clear後の空メッセージ表示、VS Code 拡張機能のremoteControlAtStartupなど、細かな不具合も修正されています。
「セッションをまたぐ SendMessage」 を試してみた
先ほどのセッション間メッセージングが実際に届くのかを確認します。自分の作業セッションに送ってしまわないよう、検証用のセッションを 1 つ立てて、そこだけを送信先にします。
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セッションA起動: ターミナル1(左)で任意のプロジェクトディレクトリに移動し
claudeを起動します。/rename session-aなどで識別しやすい名前を付けます。 -
セッションB起動: ターミナル2(右)で別のプロジェクトディレクトリから
claudeを起動し、/rename session-bと名前をつけます。 -
セッションの確認: session-aで「ListAgents ツールで他の Claude Code セッションを一覧して」と指示します。session-b が結果に現れるかを確認します。表示される ID・名前・状態(working/idle など)の形式で出力されます。
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メッセージの送信: session-aで「session-b に SendMessage で『受信テスト。受け取ったら"ACK"とだけ応答して』と送って」と指示します。
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メッセージの受信の確認: ターミナル2側で、メッセージがどう届くか(プロンプトとして注入されるのか、通知として出るのか)と、Claude がそれに反応してターンを開始するかを観察します。

実際に確認すると、セッションごとにソケットが 1 つ作られていました。
% ls -la /tmp/cc-socks/
total 0
drwx------@ 4 ishikawa.satoru wheel 128 8月 7 20:55 .
drwxrwxrwt 44 root wheel 1408 8月 7 20:54 ..
srw-------@ 1 ishikawa.satoru wheel 0 8月 7 20:55 84536.sock
srw-------@ 1 ishikawa.satoru wheel 0 8月 7 20:55 84597.sock
ListAgents は自分がメッセージ可能なエージェント(プロセス内サブエージェント、ローカル/クラウドの別セッション等)を発見するツールで、SendMessage により別マシン上を含む Claude Code セッション同士がメッセージを送り合えます。メリットは、複数セッションを疎結合な「エージェントチーム」として連携でき、調査・実装・レビューなどを並行分担しつつ、結果や依頼を人手の転記なしに直接受け渡せる点です。なお auto モードでは送信前にパーミッション分類器が評価する安全策も入っています。
最後に
v2.1.224 は、セルフホスト環境やセッション間のメッセージングという Claude Code が動く範囲そのものを広げる新機能と、サンドボックス周りの地道な安全性の底上げが同時に入ったリリースだと感じます。とくに拒否設定を末尾スラッシュ付きで書いていた場合の回避は、設定したつもりで効いていなかった可能性があるため、サンドボックスを使っている方は早めに確認しておく価値があると見ています。
サンドボックスや Remote Control を日常的に使っている方は、アップデートして試してみてはいかがでしょうか。
参考文献








