Cloudflare Kitesurf で Chrome DevTools MCP の URL 許可リストを使おうとしたら Chrome のバージョン要件に引っかかった話
はじめに
ブラウザー操作エージェントへ社内の検証サイトを任せる場合、意図しない URL へ移動しないよう、操作先を制限したくなります。Chrome DevTools MCP には、指定した URL だけを許可する --allowedUrlPattern があります。
Kitesurf は、Cloudflare Workers 上で動作する AI エージェント向けのブラウザーです。Chrome DevTools Protocol (CDP) に対応しており、Chrome DevTools MCP を介してブラウザー操作エージェントから利用できます。
この設定を使っていた Chrome for Testing の構成へ Kitesurf を追加したところ、接続には成功したものの、最初の画面操作で Chrome のバージョン要件に関するエラーが発生しました。
調べた結果、Kitesurf が報告する Chrome のバージョンと、Chrome DevTools MCP 1.6.0 が URL 許可リストに要求するバージョンが一致していませんでした。 本記事では、確認した内容と URL 許可リストを外した診断結果を紹介します。
対象読者
- Kitesurf を Chrome DevTools MCP から操作したい方
--allowedUrlPatternで操作先を制限している方- Chrome のバージョン要件に関するエラーを確認したい方
検証環境
- 確認日: 2026 年 8 月 11 日
- Kitesurf が返した Chrome のバージョン:
Chrome/145.0.0.0 - Chrome DevTools MCP: 1.6.0
- 比較用ブラウザー: Chrome for Testing 150.0.7871.24
- ブラウザーを操作したエージェント: Codex (使用モデル:
gpt-5.6-sol)
なお、Kitesurf への接続には、Browser Rendering - Edit 権限を持つ API トークンを使用しています。
参考資料
現象: URL 許可リストのエラー
最初の比較では、Chrome DevTools MCP の --allowedUrlPattern に検証サイトだけを指定しました。Kitesurf への CDP 接続は成功しましたが、最初の画面操作で次のエラーを確認しました。
The allowlist option require Chrome 149 or greater.
原因: Chrome のバージョン要件
CDP の Browser.getVersion で、Kitesurf が返す情報を確認しました。
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| CDP プロトコル | 1.3 |
| 製品識別 | Chrome/145.0.0.0 |
| リビジョン | @kitesurf |
Chrome DevTools MCP の公式 README では、--allowedUrlPattern は Chrome 149 以上を必要とします。今回の条件では、Kitesurf が報告した Chrome 145 と --allowedUrlPattern を同時に利用できませんでした。
Chrome DevTools MCP が公式に対応を保証しているブラウザーは、Google Chrome と Chrome for Testing であるものの、Cloudflare は Kitesurf を Chrome DevTools MCP から使う設定例を公開しています。この組み合わせで URL 許可リストを利用できるか確認した際に発生しました。
検証: URL 許可リストなしの操作
Kitesurf の公式 MCP 設定例 は、--wsEndpoint と --wsHeaders を使いますが、--allowedUrlPattern を指定していません。そこで、元の比較結果を変更せず、URL 許可リストを外した診断を別に実行しました。
診断では、利用できる MCP 機能を次の操作に限定しました。
- ページの一覧取得
- 指定 URL への移動
- 画面構造のスナップショット取得
- スクリーンショットの撮影
- ページの終了
Kitesurf で検証サイトのフォーム画面を開き、React の初期化完了を示す表示を確認しました。スクリーンショットの撮影ができるのも確認しました。実行記録に含まれる移動先 URL もチェックし、許可していない URL への移動がないのを確認しました。
考察
今回の組み合わせは、URL 許可リストを必須とする環境へそのまま導入するのは難しいと考えます。設定を外せば Kitesurf を操作できますが、動作させるためにセキュリティ要件を弱めることになるためです。
機密情報を含まない検証サイトであれば、利用できる MCP 機能を限定し、実行後に移動先を監査する方法で試す余地はあります。ただし、実行後の監査では意図しない通信を事前に止められません。本番環境や管理画面を操作させる場合は、URL 許可リストと同等の事前制御を用意できるまで、この方法だけに頼らないほうがよいでしょう。
まとめ
Kitesurf が報告した Chrome 145 では、Chrome DevTools MCP 1.6.0 の --allowedUrlPattern を利用できませんでした。このオプションを外すと、Kitesurf でもページ操作とスクリーンショットの撮影を実行できました。ただし、MCP 機能の限定と実行後の URL 監査は、移動先を事前拒否する URL 許可リストと同じ扱いにはならないことに注意が必要です。本記事が、Kitesurf と Chrome DevTools MCP を組み合わせる際のバージョン要件とセキュリティ設定の参考になれば幸いです。





