
クラスメソッド データアナリティクス通信(AWSデータ分析編) – 2026年6月号
クラウド事業本部コンサルティング部の石川です。2026年5月のAWSデータ分析関連のアップデート情報をお届けします。今月は、AWS Graviton ベースの Amazon Redshift RG インスタンスの一般提供、待機コストゼロを実現した次世代 Amazon OpenSearch Serverless の一般提供、そして Amazon EMR の Apache Spark 4.0.2 対応が大きなトピックです。Graviton による価格性能の改善と、エージェント/生成 AI ワークロードを見据えた機能強化が同時に進んだ月でした。他にもアップデートがあるので紹介します!
Amazon Redshift
新機能・アップデート
2026/05/07 - Amazon Redshift now scales data ingestion automatically with concurrency scaling for batch workloads
Amazon Redshift の同時実行スケーリングがバッチ処理のデータ取り込みに対応し、Amazon S3 からの Parquet および ORC 形式の COPY クエリで自動的にスケールするようになりました。トラフィック急増時における取り込み速度とクエリ性能のトレードオフが解消されます。Redshift Serverless では需要に応じて自動で、プロビジョンド版では事前設定に基づいて有効化されます。
2026/05/12 - Amazon Redshift launches RG instances powered by AWS Graviton
AWS Graviton プロセッサを搭載した新世代 RG インスタンスが一般提供されました。データウェアハウスワークロードで最大2.2倍、データレイクワークロードで最大2.4倍の高速化を、RA3 比で vCPU あたり30%低い価格で実現します。統合されたデータレイククエリエンジンにより、Redshift Spectrum の TB あたりスキャン課金が不要になります。rg.xlarge と rg.4xlarge の2サイズで提供され、東京(ap-northeast-1)を含む複数リージョンで利用可能です。
AWS Glue
新機能・アップデート
APIの変更点
2026/05/06 - AWS Glue - 3 updated methods
StartDataQualityRulesetEvaluationRun に、CloudWatch ロググループパスを指定する CustomLogGroupPrefix パラメータが追加されました。あわせて ListDataQualityRulesetEvaluationRuns に、ルールセット名で評価実行をフィルタする RulesetName が追加されています。
2026/05/14 - AWS Glue - 1 updated methods
get-catalogs API に --has-databases パラメータが追加され、データベースを保持できるカタログのみを返すフィルタリングが可能になりました。あわせて、テーブルのパーティションインデックスリストのサイズに対するモデルレベル検証が撤廃されました。
Amazon OpenSearch Service
新機能・アップデート
2026/05/05 - Amazon OpenSearch Service expands Cluster Insights with a new insight
Cluster Insights の提供対象が全 OpenSearch バージョンおよび Elasticsearch 6.8 以降に拡大されました。コンソールからクラスターの健全性とパフォーマンスを事前に可視化でき、問題の予兆を早期に把握できます。
2026/05/28 - The next generation of Amazon OpenSearch Serverless is now generally available
ゼロから再設計された次世代 Amazon OpenSearch Serverless が一般提供されました。コンピュートとストレージを分離したアーキテクチャにより、従来比20倍高速なオートスケーリングと数秒でのプロビジョニング、アイドル時の scale-to-zero を実現します。ピーク負荷向けにクラスターをプロビジョニングする場合と比べて最大60%のコスト削減が可能で、エージェント型ワークロードに最適化されています。
APIの変更点
2026/05/05 - Amazon OpenSearch Service - 10 updated methods
OpenSearch ドメインからの送信トラフィックを、パブリックインターネットではなく VPC 経由でプライベートにルーティングする VPC egress に対応しました。
2026/05/13 - Amazon OpenSearch Service - 7 updated methods
自動スナップショットの一時停止オプション(AutomatedSnapshotPauseOptions)のサポートが追加されました。
Amazon Quick
新機能・アップデート
2026/05/01 - AWS Transform now offers BI migration agents for Power BI and Tableau to Amazon Quick
AWS Transform に、Power BI および Tableau のダッシュボードを Amazon Quick(QuickSight)アセットへ自動変換する BI 移行エージェントが追加されました。データセットの再構築、ビジュアルの変換、フィールドマッピングを自動化し、移行作業を数か月から数日へ短縮します。エージェントは AWS Marketplace から購入でき、データ処理はお客様の AWS アカウント内で完結します。
2026/05/04 - Amazon Quick introduces Dataset Q&A for conversational analytics against enterprise data
Amazon Quick に Dataset Q&A が追加され、トピックを事前作成せずにデータセットへ自然言語で直接質問できるようになりました。text-to-SQL エージェントが質問を解釈し、Amazon Redshift、Amazon Athena、Aurora PostgreSQL、S3 上の Apache Iceberg テーブルなど複数のデータソースに対して SQL を生成します。生成結果を検証する Explain 機能も備えています。
2026/05/04 - Amazon Quick upgrades the extension for Microsoft Outlook (Preview)
Microsoft Outlook 向け Amazon Quick 拡張機能のプレビューが提供されました。自然言語で未読メールの要約、受信トレイの整理、会議のスケジュール、インライン返信の下書きなどを、Outlook を離れずに実行できます。東京(ap-northeast-1)を含む7リージョンで利用可能です。
2026/05/05 - Amazon Quick now integrates with New Relic for observability-driven AI agents
Amazon Quick が New Relic の AI エージェントと連携し、インシデント調査、根本原因分析ブリーフの生成、タスク作成を Quick 上から実行できるようになりました。New Relic のリモート MCP サーバーを通じて、アラートインサイト、ログ分析、自然言語での NRQL クエリなどを利用できます。
APIの変更点
2026/05/01 - Amazon QuickSight - 23 updated methods
OAuth データソース向けのプライベート CA 証明書指定(IdentityProviderCACertificatesBundleS3Uri)、テーマのフォントファミリーの256文字対応、全13種フィルターへの ControlTitleFormatText、クロスリージョンの ContextRegion、CreateCustomCapability API への Story/scenario 追加など、多数の機能が追加されました。
2026/05/13 - Amazon QuickSight - 4 updated methods
Quick Apps 向けに5つのカスタム権限オプションが追加され、これらの機能を公開 SDK/CLI から制御できるようになりました。
2026/05/18 - Amazon QuickSight - 3 updated methods
新しいデータ準備エクスペリエンスにおける、データセットのエンリッチメントと地理空間(geo spatial)機能がサポートされました。
2026/05/29 - Amazon QuickSight - 5 new methods
3-Legged OAuth でデータベースに接続するための OAuth 構成を保存する新リソース OAuthClientApplication の作成・更新・記述・一覧・削除に対応しました。
Amazon EMR
新機能・アップデート
2026/05/27 - Amazon EMR now supports Apache Spark 4.0.2 in general availability
Amazon EMR が Apache Spark 4.0.2 を3つのデプロイモデル(EMR on EC2/EKS/Serverless)すべてで一般提供しました。ANSI SQL や VARIANT データ型、行・列レベルのきめ細かなアクセス制御(FGAC)、Apache Iceberg v3 テーブルフォーマットに対応し、より強力なトランザクション保証とデータリネージの追跡による監査証跡の確保が可能になります。
Amazon SageMaker Unified Studio
新機能・アップデート
2026/05/11 - Amazon SageMaker Unified Studio adds getting started tutorials and in-product release notes
Amazon SageMaker Unified Studio に、サンプルデータを使って主要ワークフローを学べる getting started チュートリアルが追加されました。システム設定に応じてダーク/ライトモードが自動で切り替わるほか、新機能やリリースノートを確認できる製品内の「What's New」セクションも追加されています。
2026/05/13 - Amazon SageMaker Data Agent now available for IAM Identity Center domains
IAM Identity Center で構成されたドメインで Amazon SageMaker Data Agent が利用可能になりました。分析の目的を平易な英語で記述すると Python や SQL のコードが生成され、Amazon Athena、Amazon Redshift、Amazon S3、AWS Glue Data Catalog への接続に対応します。「Fix with AI」によるデバッグ機能も含まれます。
2026/05/20 - Amazon SageMaker Unified Studio now supports data quality rule authoring and evaluation
AWS Glue Data Quality を基盤としたデータ品質ルールの作成・評価が、Amazon SageMaker Unified Studio 内で可能になりました。ルールの定義、ルールセット評価の実行、結果の確認を Studio から直接行え、保存データと転送中データの両方を対象に、分析パイプラインへ影響が及ぶ前に問題を検知できます。
2026/05/21 - SageMaker Unified Studio automates Glue connector provisioning for cross-subnet job retries
SageMaker Unified Studio が、複数サブネットにまたがる AWS Glue コネクタのプロビジョニングを自動化しました。プライマリサブネットで障害が発生した際にジョブを自動でリトライでき、バックアップコネクタを手動構成することなく、ビジネスクリティカルなデータパイプラインの計画外ダウンタイムを削減して SLA 順守を支援します。
2026/05/22 - Amazon SageMaker adds business metadata and governance in IAM-based domains
これまで IdC ベースドメインのみで提供されていたビジネスコンテキスト・メタデータ・データガバナンス機能が、IAM ベースドメインでも利用可能になりました。AWS Glue Data Catalog テーブルにビジネス名・説明・README を付与でき、AI 生成メタデータによるビジネス名・説明の自動作成にも対応します。
2026/05/22 - Amazon SageMaker expands domain management across domain types
これまで IAM ドメインのみで利用できたドメイン管理機能が、IAM Identity Center ベースドメインにも拡張されました。管理者は AWS マネジメントコンソールを使わずに、SageMaker Unified Studio ポータル内でプロジェクトの作成・管理、実行ロールの構成、VPC 設定、クロスアカウントアクセスの管理を行えます。
APIの変更点
2026/05/05 - Amazon SageMaker Service - 12 updated methods
SageMaker Studio の JupyterLab および CodeEditor アプリで、ml.p5.4xlarge インスタンスタイプが東京を含む複数リージョンでサポートされました。
2026/05/06 - Amazon SageMaker Service - 3 updated methods
SageMaker HyperPod が DescribeCluster、DescribeClusterNode、ListClusterNodes のレスポンスで ImageVersionStatus を返すようになり、クラスターインスタンスが最新イメージバージョンで稼働しているかを確認できるようになりました。
2026/05/13 - Amazon SageMaker Service - 27 updated methods
Studio でユーザーアイデンティティを反映する実行ロールセッション名モード、Studio アプリでの Flexible Training Plans、IAM による独自モデルアーティファクトへのアクセス制御(restricted model packages)などが追加されました。
2026/05/19 - Amazon SageMaker Service - 4 updated methods
SageMaker Notebook Instances プラットフォームで、ml.p5.4xlarge および ml.p5en.48xlarge インスタンスがサポートされました。
2026/05/21 - Amazon SageMaker Service - 3 updated methods
SageMaker ドメインで、ホーム EFS ファイルシステムの作成を無効化できるようになりました。
2026/05/27 - Amazon SageMaker Service - 7 updated methods
SageMaker HyperPod の Restricted Instance Groups(RIGs)で共有環境がサポートされ、RIG をまたぐワークロードスケジューリングと FSx 共有が可能になりました。レコメンデーションジョブの p6 インスタンス対応も追加されています。
Amazon DataZone
新機能・アップデート
APIの変更点
2026/05/14 - Amazon DataZone - 8 new methods
SageMaker Unified Studio のノートブック操作(インポート/エクスポートを含む)をサポートする8つのメソッドが追加されました。
2026/05/22 - Amazon DataZone - 4 updated methods
VPC 接続のサポートが追加されました。
2026/05/26 - Amazon DataZone - 3 updated methods
環境ブループリント構成 API に resourceConfigurations と allowUserProvidedConfigurations フィールドが追加され、V1 から V2 ドメインへ移行したお客様がリネージスケジュールなどのリソース構成を SDK 経由でプログラム的に更新できるようになりました。
AWS Clean Rooms
新機能・アップデート
APIの変更点
2026/05/21 - AWS Clean Rooms Service - 13 updated methods
コラボレーション作成者が、コラボレーションを再作成せずに支払い構成を更新できるようになりました。コストタイプごとに複数の支払い候補を構成した場合、分析実行者が送信時に実際の支払者を指定でき、課金をきめ細かく制御できます。
2026/05/21 - AWS Clean Rooms ML - 15 updated methods
AWS Clean Rooms ML でも同様に、コラボレーションの再作成なしでの支払い構成の更新と、送信時の支払者指定に対応しました。
最後に
2026年5月は、AWS Graviton ベースの Amazon Redshift RG インスタンスや次世代 Amazon OpenSearch Serverless の一般提供に代表されるように、価格性能の改善とコスト最適化が大きく前進した月でした。同時に、Amazon Quick の Dataset Q&A や New Relic 連携、Amazon SageMaker Data Agent の IAM Identity Center 対応、Amazon EMR の Apache Spark 4.0.2 対応など、エージェント/生成 AI を見据えた分析体験の強化も目立ちました。また、Amazon SageMaker Unified Studio では IAM ベースドメインへのガバナンス機能やドメイン管理機能の拡張が続いており、レイクハウスのガバナンス基盤としての正常進化も着実に進んでいます。
気になるアップデートがあれば、ぜひ試してみてください。この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。







