SendGrid でメールの到達率を確保するためにやるべきこと

SendGrid でメールの到達率を確保するためにやるべきこと

2026.04.08

SendGrid でメールの到達率を確保するためにやるべきこと

はじめに

メールが届かなければ、どんなに良いキャンペーンも意味がありません。

メールの到達率を高く保つには、ドメイン認証・レピュテーション管理・配信停止の仕組みなど、やるべきことが意外と多くあります。これらを自前で構築・運用するのは大変ですが、SendGridなら、そのほとんどをコンソールの設定だけで完了できます。

今回は、実際の SendGrid コンソールの画面に沿って、最初のメールを送る前に完了すべき設定をまとめてみました。

全体像

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なぜ設定が必要なのか

メールを受け取る側(Gmail、Outlook など)は、届いたメールに対してこう判断しています。

  1. この送信者は本物か?(ドメイン認証)
  2. この送信者の評判は良いか?(レピュテーション)

ドメイン認証が正しく設定されていれば、未設定のドメインに比べて受信トレイへの到達率が大幅に向上するというデータがあります。

SendGrid では、このドメイン認証の大部分を画面の画面の流れに従うだけで完了できます。

初期セットアップ(最初のメールを送る前に完了する)

以下のステップを順番に完了すれば、メール送信の基盤は整います。

ドメイン認証(Step 1〜2)

まずはドメインの認証を完了します。
これにより、あなたのドメインから送られるメールが「正当な送信者からのもの」として受信側に認識されるようになります。

Step 1. Domain Authentication

参考:

Settings > Sender Authentication から設定します。

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画面の流れに従って進めると、SendGrid が DNS に追加すべきレコードを自動生成してくれます。
それを DNS プロバイダ(Route53、Cloudflare など)に追加し、SendGrid 側で「Verify」をクリックすれば完了です。

「Automated Security」は ON(デフォルト)のままにしておきましょう。SendGrid がドメイン認証の鍵管理やローテーションも自動で行ってくれます。

なお、Domain Authentication の画面の流れでは DMARC レコード(なりすまし防止のポリシー)も一緒に生成されます。GmailYahoo が大量送信者に DMARC を必須化しているため、SendGrid がドメイン認証の一環として組み込んでくれているのは助かります。

参考: 公式ドキュメント

Settings > Sender Authentication(Step 1 と同じ画面)から設定します。

メール内のクリック追跡リンクを、SendGrid のドメインからあなたのドメインに置き換えます。
迷惑メールフィルタはメール内のリンク先も評価しているので、自分のドメインにすることで他の SendGrid ユーザーの送信品質に影響されなくなります。

Step 1 の画面の流れにもし「I would also like to brand the links for this domain」のようなオプションが出てきたら、チェックすれば、同時に設定できます。

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Step 3. Dedicated IP + IP Warm-up

参考: 公式ドキュメント

Settings > IP Addresses から設定します。

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SendGrid の共有 IP だと、他のユーザーの送信品質があなたのメールにも影響する可能性があります。専用 IP を使えば、あなたの送信行動だけでレピュテーションが決まります。

IP を追加したら「Automated warmup」を有効化しましょう。SendGrid が段階的に送信量を増やし、IP の信頼を自動で構築してくれます。

マーケティングとトランザクション(注文確認等)で IP を分けるとさらに効果的です。

Step 4. Subscription Tracking

参考: 公式ドキュメント

Settings > Tracking > Subscription Tracking から設定します。

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マーケティングメールやニュースレターなど、受信者が「購読」しているメールに配信停止リンクを自動で付与する機能です。
GmailYahoo は、大量送信者にワンクリックでの配信停止を必須化しています。マーケティングメールを送る場合、この設定を有効にするだけで要件を満たせます。

ここで注意点が一つ。Tracking Settings には複数の項目がありますが、到達率に直接関わるのは Subscription Tracking だけです。Open Tracking や Click Tracking はデフォルトで ON になっていますが、Subscription Tracking は OFF のままです。見落としやすいので、必ず確認してください。

なお、注文確認やパスワードリセットなどのトランザクションメールのみを送信する場合、この設定は不要です。

Step 5. Suppression Groups

参考: 公式ドキュメント

Marketing > Unsubscribe Groups から設定します。

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メールの種類ごとに配信停止グループを作ります。
「全メール停止」しか選べないと、受信者はスパム報告ボタンを押しがちです。カテゴリ別に選べるようにすれば、不要なカテゴリだけ解除してもらえます。スパム報告が減ることで、送信者としての評判が守られます。

ちなみに、宛先不明やスパム報告で返ってきたアドレスへの送信停止は、SendGrid が自動で処理してくれるので設定不要です。

初期セットアップ完了

ここまでで以下の基盤が整いました。

  • ドメイン認証(DMARC 含む) → 正当な送信者として認識される
  • Link Branding → 自分のドメインでレピュテーションを管理
  • Dedicated IP + Warm-up → 自分だけのレピュテーションを構築
  • Subscription Tracking → 配信停止の仕組みを自動化
  • Suppression Groups → スパム報告を減らす選択肢を提供
  • 自動サプレッション → 宛先不明・スパム報告は SendGrid が自動処理

継続的な改善(推奨)

初期セットアップが完了したら、以下のツールで到達率をさらに高め、運用の可視性を確保できます。

Event Webhook

参考: 公式ドキュメント

Settings > Mail Settings > Event Webhook から設定します。

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メールの配信・開封・クリック・バウンス等のイベントを受信できます。配信の異常を早期検知し、リスト品質の問題に素早く対応できるようになります。

Email Validation API

参考:

無効なアドレスに送信すると宛先不明が増え、レピュテーションが下がります。サインアップ時や既存リストの一括検証で、事前に防ぐことができます。

Deliverability Insights

参考: 公式ドキュメント

Stats > Deliverability Insights から閲覧できます。

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SendGrid に組み込まれた到達率ダッシュボードで、設定不要で使えます。

いろんなメトリクスを確認できますので、定期的にチェックして、問題の兆候を早めに掴んでおくのがおすすめです。

おわりに

SendGridでメールの到達率を確保するために必要なことは、実はとてもシンプルです。

Step やること 概要
1 Domain Authentication ドメイン認証(DMARC 含む)を設定
2 Link Branding メール内リンクを自ドメイン化
3 Dedicated IP + Warm-up 専用 IP で独立したレピュテーションを構築
4 Subscription Tracking 配信停止リンクを自動付与
5 Suppression Groups カテゴリ別の配信停止を提供

宛先不明の処理やドメイン認証鍵のローテーションは SendGrid が自動で行ってくれるので、日々やることは Deliverability Insights を時々チェックするくらいです。

他のメール配信サービスでは、これらの仕組みを一つひとつ自分で構築・運用する必要があります。SendGrid なら、初期設定を済ませるだけで、メールが迷惑メールフォルダではなく受信トレイに届く環境が整います。

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