QGISでAmazon Location Serviceプラグインを使って地図表示・ジオコーディング・ルート検索をしてみた

QGISでAmazon Location Serviceプラグインを使って地図表示・ジオコーディング・ルート検索をしてみた

QGISのAmazon Location Serviceプラグインを使い、コードを書かずにGUI操作だけで地図表示・ジオコーディング・ルート検索の3機能をAWS初心者向けにステップバイステップで試した手順を紹介します。
2026.04.13

位置情報サービスを使ってみたいけど、コードを書くのが大変そう…。そう、感じたことはないでしょうか?
Amazon Location ServiceはAPIキーを取得するだけで地図表示・場所検索・ルート計算をすぐに試せます。

オープンソースのデスクトップGISソフトウェアであるQGISを利用して、QGIS向けのAmazon Location Serviceプラグインを使えば、コードを一行も書かずに AWSの位置情報サービスをGUI操作で体験できます。今回はこのプラグインを使って、地図表示・ジオコーディング・ルート検索の3つのユースケースを試してみました。

Amazon Location Serviceの概要は弊社ブログでも解説しているので、こちらもご覧ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/introduction-2024-location-service/

Amazon Location Serviceとは?

Amazon Location Serviceは、AWSが提供するフルマネージドな位置情報サービスです。地図表示(Maps)・場所検索(Places)・ルート計算(Routes)・ジオフェンス(Geofences)・トラッカー(Trackers)の5つの機能を提供しています。

料金

Amazon Location Serviceは、リクエスト数に応じた従量課金制です。詳しくは、公式ドキュメントをご覧ください。

QGIS版Amazon Location Serviceプラグインとは?

QGIS は、地図データの表示・編集・分析ができるオープンソースのデスクトップGISソフトウェアです。

このQGIS向けの Amazon Location Serviceプラグイン は、MIERUNEが開発・OSSとして公開しているプラグインです。Amazon Location ServiceのMaps・Places・Routesの各機能をQGISのGUI操作で利用できます。

プラグインが提供するメニューは次の5つです:

メニュー 機能
Config リージョン・APIキーの設定
Map 地図スタイルの表示(ベクトルタイル or ラスタータイル)
Place 住所・ランドマーク名からの場所検索(ジオコーディング)
Routes 2地点間のルート計算
Terms Amazon Location Serviceの利用規約リンク

https://plugins.qgis.org/plugins/location_service/

https://github.com/MIERUNE/qgis-amazonlocationservice-plugin

前提条件

この記事では以下の環境を前提としています:

  • AWSアカウントが作成済みであること
  • QGIS 3.x(LTR版)がインストール済みであること
  • 使用リージョン: ap-northeast-1(東京)

AWS側の準備: APIキーの作成

まず、AWSマネジメントコンソールでAmazon Location ServiceのAPIキーを作成します。

1. Amazon Location Serviceのコンソールを開く

AWSマネジメントコンソールにログインし、検索バーで「Location Service」と検索してコンソールを開きます。

マネジメントコンソール

2. APIキーを作成する

左メニューから 「APIキー」 を選択し、「APIキーを作成」ボタンをクリックします。

APIキー一覧画面

次の設定を行います:

項目 設定値
名前 任意(例: qgis-plugin-key
有効期限 任意(デフォルトでは期限なし)
アクション 以下の表を参照

アクションの選択

今回使用する3機能に対応したアクションを選択します:

使用機能 必要なアクション
Map(地図表示) geo-maps:GetTile, geo-maps:GetStaticMap
Place(場所検索) geo-places:SearchText, geo-places:GetPlace
Routes(ルート計算) geo-routes:CalculateRoutes

APIキー作成画面(名前とアクションの設定)

「APIキーを作成」をクリックすると、APIキーの値が表示されます。この値は作成時にしか確認できないため、必ずコピーして安全な場所に保存してください。

APIキー作成完了画面(キー値のコピー)

QGISプラグインのインストール

次に、QGISにAmazon Location Serviceプラグインをインストールします。

  1. QGISを起動し、メニューバーから 「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」 を開きます
  2. 検索欄に「Amazon Location Service」と入力します
  3. 「Amazon Location Service」プラグインを選択し、「プラグインのインストール」をクリックします

QGISプラグイン管理画面(インストール)

インストール完了後、メニューバーに 「Amazon Location Service」 メニューが追加されます。

インストール後のメニューバー表示

プラグインの初期設定(Config)

メニューバーから 「Amazon Location Service」→「Config」 を開き、次の設定を入力します:

項目 設定値
Region ap-northeast-1
API Key 先ほど作成したAPIキーの値

入力後、「Save」をクリックして設定を保存します。

Config画面の設定例

設定はこれだけです。次からは各ユースケースを試してみましょう。

ユースケース1: マップスタイルを表示・比較する

メニューバーから 「Amazon Location Service」→「Map」 を開きます。

マップスタイルの選択肢は次の4種類です:

スタイル 特徴
Standard 一般的な地図。ラベル・POI(施設名など)付き
Monochrome モノクロ調。データ可視化のベースマップとして最適
Hybrid 衛星画像+ラベル。実写の視認性とラベルの両立
Satellite 衛星画像のみ。ラベルなし

スタイルを選択して「Add」ボタンをクリックすると、QGISのマップキャンバスに地図レイヤーが追加されます。

マップの追加

クラスメソッドの日比谷オフィス周辺を各スタイルのマップで見てみましょう。

Standardスタイル

道路名・施設名などのラベルが表示される、一般的な地図スタイルです。

Standardスタイルの表示結果

Monochromeスタイル

モノクロ調のスタイルです。独自データを重ね合わせて可視化するベースマップとして活用できます。

Monochromeスタイルの表示結果

Hybridスタイル

衛星画像の上にラベルが重ねられています。実際の地形や建物を確認しながら場所を特定したい場合に便利です。

Hybridスタイルの表示結果

Satelliteスタイル

衛星画像のみのスタイルです。ラベルがない分、地物の形状をそのまま確認できます。

Satelliteスタイルの表示結果

ユースケース2: ジオコーディングで場所を検索する

ジオコーディングとは、住所やランドマーク名などのテキストから緯度・経度を取得することです。

メニューバーから 「Amazon Location Service」→「Place」 を開きます。

  1. 「SearchText」を選択します
  2. テキストボックスに検索したい場所を入力します(例: 「東京タワー」「大阪城」)
  3. 「Get Location」 ボタンをクリックし、地図上で検索の基準にしたい地点をクリックして指定します(Latitude・LongitudeにGUI上から座標が自動入力されます)
  4. 「Search」ボタンをクリックします

Place検索画面(検索テキストの入力)

検索結果がQGISのマップキャンバス上にポイントレイヤーとして追加されます。

ジオコーディング結果のポイントレイヤー表示

レイヤーを選択して属性テーブルを開くと、取得された情報(名称・住所・座標など)を確認できます。

属性テーブルの内容

日本語の地名やランドマーク名でも検索できるので、国内の場所探しにも使いやすいです。

ユースケース3: 2地点間のルート検索をする

メニューバーから 「Amazon Location Service」→「Routes」 を開きます。

  1. 「CalculateRoutes」を選択します
  2. 「Get Location(Starting Point)」 ボタンをクリックし、地図上で出発地点をクリックして指定します
  3. 「Get Location(End Point)」 ボタンをクリックし、地図上で到着地点をクリックして指定します
  4. 「Search」ボタンをクリックしてルートを検索します

Routes画面(出発地点と到着地点を設定した状態)

検索結果がQGISのマップキャンバス上にラインレイヤーとして追加されます。

ルート検索結果のラインレイヤー表示

注意点

本プラグインはAmazon Location Serviceの全機能を実装しているわけではありません。
現在はMaps・Places・Routesの3機能のみ対応しており、今後も機能追加が予定されているようです。

おわりに

QGISのAmazon Location Serviceプラグインを使って、地図表示・ジオコーディング・ルート検索の3機能を試してみました。

APIキーを取得するだけですぐに始められ、QGISプラグインのおかげでコードを一行も書かずにGUI操作だけでAWSの位置情報サービスを体験できました。簡易的なデータ分析のベースマップとして非常に手軽に使えます。

参考リンク

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