「PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント」を読んでみた~寝かしつけをしながら学ぶプロジェクトマネジメント

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AWS事業本部インテグレーション部のいわほりです。
お子様の寝かしつけの際に童話を読んであげてらっしゃるお父さん、お母さん。
そんな方々に、寝かしつけをしながらプロジェクトマネジメントを学べる一石二鳥な情報をお届けします。

どんな本?

書名:「PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントにおける基本的で重要な事項を童話を用いてわかりやすく説明している本です。
(※)PMBOK:「ぴんぼっく」と読むのが一般的

どんな人におススメ?

次のような方におススメです。

  • PMBOKをざっくりと理解したいが、その厚さ(3cmくらい)を前に気力が萎えてしまう方
  • PMBOKに一通り目を通したが、端々で具体的なイメージを持てない方
  • わかりやすさのための多少のデフォルメに目くじらを立てない方

PMBOKとは?

米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)で発行しているプロジェクトマネジメントの知識体系・ベストプラクティス集で、プロジェクトマネジメントに必要とされる49個の「プロセス」から成ります。また、それらの「プロセス」は10個の「知識エリア」に分類されます。
(※)プロセスや知識エリアの数は、2019年4月時点での最新である第6版に基づく

どのように例えてる?

本書に書かれている童話のエピソードとPMBOK(知識エリア、プロセス)との対応をいくつかご紹介します。

Case1

  • 童話:3匹の子ブタ
  • エピソード:2匹のお兄さんブタは満たすべき基準を設定することなく家を作ってしまった
  • 知識エリア(プロセス):スコープマネジメント(スコープの定義)
  • PMBOK的教訓:何を成果物とするのか、その受入基準、制約&前提などを定めてから構築に着手する

Case2

  • 童話:ウサギとカメ
  • エピソード:ウサギは「いつまでにゴールするか?」・「勝てるはずの時間からどのくらい乖離したか?」を把握せずに寝続けてしまった
  • 知識エリア(プロセス):スケジュールマネジメント(スケジュールの作成&コントロール)
  • PMBOK的教訓:スケジュールのベースラインを定めて、予実のズレを適切に把握し、対処する

Case3

  • 童話:桃太郎
  • エピソード:犬、猿、キジにきびだんごを与えることによって、彼らのモチベーションを高めた
  • 知識エリア(プロセス):資源マネジメント(チームのマネジメント)
  • PMBOK的教訓:色々な手法により、メンバーに対して適切な動機付けを行う

Case4

  • 童話:ヘンゼルとグレーテル
  • エピソード:森の奥に置いてけぼりされる可能性を感じた時点で小石を集めたので、(一度目の放置時は)家に戻れた
  • 知識エリア(プロセス):リスクマネジメント(リスク対応の計画)
  • PMBOK的教訓:リスクを特定した時点で、リスク対応策を策定し、リスクが顕在化する前に実践する

Case5

  • 童話:シンデレラ
  • エピソード:力を持ち、自分に関心のある魔法使いを重要なステークホルダーと特定し、適切な関係を構築することにより、幸せになれた
  • 知識エリア(プロセス):ステークホルダーマネジメント(ステークホルダーの特定)
  • PMBOK的教訓:影響力のあるステークホルダーを見極め、支持を得ることができるように行動する

わかりやすさに配慮?

ご紹介した5つのケースは、ごく一部それも非常にわかりやすい例ばかりを選びました。本書では、PMBOKに登場する独特な用語(※)の具体例もオリジナルストーリーに多少の加筆を行うことで登場させています。
(※)組織のプロセス資産、プロジェクト憲章、変更管理委員会、作業パフォーマンスデータ、等
ただ、これらについての詳細な解説は書かれていないように感じました。したがって、PMBOKに一通り目を通した人が見ればピンと来るものであっても、本書がプロジェクトマネジメント関連最初の書籍となっている方は気づけないかもしれません。
過度に詳細な説明をすることによって難解な本になってしまう可能性に配慮されたのでは?と推測します。

読み終えた後のステップ

本書を読み終えた後は、それぞれの目標に応じた次のステージに進むことをご検討ください。
  • PMPの取得が目標の方:PMBOKもしくは関連テキストで改めて体系的に勉強してください。具体的なイメージを持つことができるようになっているので、効率的に学習できると思います。本書の理解だけでPMP試験に臨むのは避けた方が無難です。
  • 軽くPMBOKに触れてみたかっただけの方:ご自身が参画しているプロジェクトを見直してみてください。改善できることがあるかもしれません。

 

個人的には、抽象的で独特なPMBOK用語と格闘しながらPMPの試験勉強をしていたあの頃に出会いたかった本です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。お子様の寝かしつけの際にチラっと思い返していただければ幸いです。