漫画から学ぶ「チーム&リーダー」~HUNTER×HUNTER編~

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こんにちは!おおはしりきたけです!

前回は、ROOKIESを参考に「チーム&リーダー」「コーチング」という記事を書かせていただきました。今回は、ワンピースと並ぶ大人気漫画「HUNTER×HUNTER」と「ゲーミフィケーション」について書かせていただきたいと思います。

HUNTER×HUNTER 1 (ジャンプ・コミックス)

■HUNTER×HUNTERとは

HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)は、1998年から現在まで週刊少年ジャンプで連載されているバトル物の漫画です。休載が多い事でも有名ですが、非常に面白い作品です。簡単な概要は以下

主人公の少年ゴン=フリークスがまだ見ぬ父親ジンと会うために架空の花形職業であるハンターとなり、父親を探しながら仲間達との絆を深める様を描く。

Wikipediaから抜粋(http://ja.wikipedia.org/wiki/HUNTER×HUNTER)

■HUNTER×HUNTERとゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションとは、ここ最近よく聞く言葉ですね。ゲーミフィケーションをはどのようなものなのでしょうか。

ゲームデザイン手法や仕組みを用いて問題の解決やユーザー契約などを獲得すること。例えば、既存のシステムやサービスへの、ポイント性、順位の可視化、バッヂ、ミッション、レベルシステムの採用など。さらにゲームの要素を盛り込むことによって楽しみながら意図せずそれらと関わっていってもらうことが目的で行われる場合もある。

Wikipediaから抜粋(http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲーミフィケーション)

HUNTER×HUNTERでは、漫画の中で上記にあるようなゲーミフィケーションの仕掛けが良く出てきます。初期のハンター試験なんかは、ミッションに対し順位がつけられたり、天空闘技場では階の高さで敵のレベルを把握できるようにしていたり、グリーンアイランドはゲームそのものだったりと、読者にワクワクさせる展開が用意されてます。ドラゴンボールのスカウターなんかも近いものがあると思いますが、HUNTER×HUNTERはいたるところにゲーミフィケーションの要素が詰まっています。

■クラスメソッドブログのゲーミフィケーション

漫画は元々読者を楽しませるためにあるので、ゲーム的な要素が多いと思いますが、ここ最近ではビジネスの領域にもゲーミフィケーションが浸透してきています。弊社のブログを見ても執筆者のページに経験値、レベルTwitterやFacebookのいいねカウント数、はてブ数などの仕掛けがあります。これは、まさにゲーミフィケーションだと思います。ブログの記事内にもTwitterのRT数、Facebookのいいねの数、はてブのブクマ数などが見え、この記事こんなに見られているんだ~ということが分かります。また、月末には集計が公開され瞬発力の高い記事、持続性のある記事なども分かるようになっており、次はこんな記事書いてみようかな~という意欲が湧いてきます。

■システム開発でのゲーミフィケーション

システム開発でゲーミフィケーションというのはあまり見かけませんが、バーンダウンチャートはゲーム感覚に近いかと思います。バーンダウンチャートというのは、一般的な右肩上がりではなく、右下がりになっており、日々の作業量をプロットしていくものになります。作業量がゼロになれ作業が完了します。イメージは以下のような図になります。

こうやって作業量が見えることにより、エンジニアとしてはタスクをこなして減らしていくという意欲もわきますし、管理者も%の報告よりわかりやすいものになっています。今後システム開発の現場でもタスクに応じたバッチ集めや、レベルによるプロジェクト貢献度などが分かるようなゲーミフィケーションの要素を持ったTracやRedmineのプラグインなども出てくるかもしれません。開発も楽しくやっていきたいですよね。

■どんなチームか?

HUNTER×HUNTERの代表的な登場人物と言えばこの方々

  • ゴン=フリークス:本作品の主人公。
  • キルア=ゾルディック:ゴンの親友。有名な暗殺一家ゾルディック家の出身
  • クラピカ:クルタ族の生き残り。エンペラータイムは最強
  • レオリオ=パラディナイト:ハンター試験でゴンの知り合った。医師を目指している
  • ヒソカ:謎の奇術師。天才的な格闘センスを持つ

○馴れ合いの仲間ではない

HUNTER×HUNTERでは、チームプレイという描写が少ないですが、グリーンアイランド編のドッチボールでゴン、キルア、普段は敵のヒソカなどが協力するという描写がありました。その時のヒソカのセリフです

ヒソカ「みんなの力があったからだよ。全員の勝利ってやつさ。」 ゴン「何かそのセリフあわないよ」多分オレ思いっきり撃てない

ゴンはヒソカを倒すのを目標の一つにしていますが、この場面では仲間として一緒にゲームを進め目標を達成しました。チームというのは仲が良ければ良いというものではありません。仲が良すぎることにより慣れあってしまうという弊害もあります。バランスが大切です。

■どんなリーダーか?

○向上心の塊

ゴンは、向上心が高く常に高い目標を持っています。天空闘技場でヒソカと戦って負けてしまった時のゴンのセリフです

遠い・・・ けど 全然 届かないわけじゃない!! もっと念を磨いて ヒソカに負けない能力を見つける!!

ヒソカと初めて会ったのはハンター試験の会場でした。その時は実力差が歴然でしたが、修業を積み重ね再度ヒソカに挑戦するも負けてしまいましたが、さらにやる気が出ています。難易度の高いプロジェクトだと、引き気味になってしまうエンジニアの方もいらっしゃると思いますが、私の経験上スキルアップを体感できたのは自分の実力以上のプロジェクトをやったときでした。完全な負け試合は避けた方が良いと思いますが、接戦できると思った迷わずプロジェクトに挑戦するべきだと思います。

○メンバーに影響を与える

また、ゴンの向上心は周りにも影響を与えています。以下はゴンの故郷にキルアと戻った時にそれぞれの未来を語り合うシーンでのキルアのセリフです。

オレってないんだよなー。お前みたいにやりたいこと。やりたくないことことなら結構あんだけどさ

この時点では、キルア自信やりたいことが無かったのですが、ゴンと一緒にいることで、キルア自信も以下のような変化をしていきます

ゴン「キルア ありがと! オレ、キルアと一緒にここに来れて…ううん、キルアと会えて本当によかったよ!」 キルア「やめろよバカ恥ずいだろ」 ゴン「なんで?オレ本当にそう思ってるんだよ!!」 キルア心の声「逆だよ。ゴン、オレなんだ。ゴン、オレ、お前に会えて本当によかった」

キルアは暗殺一家に生まれ、小さいころから教育され仲間という存在がいませんでした。ゴンと一緒にいてゴンの背中を見ていくことで、キルアが成長していく姿が見られます。背中を見せてメンバーに影響を与えるというのはリーダーに必要な能力だと思います。もちろん現実の世界で背中だけ見せてついてくるメンバーというのは少ないと思いますが、対話、教育、またプライベートでの交流などによりメンバーに影響を与えていく必要があると思います。

○実力よりも信頼関係

HUNTER×HUNTERでは、チームプレイという描写が少ないですが、グリーンアイランド編のドッチボールでゴン、キルア、普段は敵のヒソカな どが協力するという描写がありました。 ゴンのアタックにより、手がボロボロになったキルアをチームメンバーがキルアを変えた方が良いといった時のゴンのセリフです

キルアじゃなきゃダメなんだ ビスケでもヒソカでも 多分オレ思いっきり撃てない 何も考えず球に集中して 全力をぶつけることが出来るのは キルアが球を持っていてくれるからなんだ

いや~顔が赤くなりそうなセリフですね!同じチームのビスケやヒソカの方が、念の実力は確実に高いです。それよりもキルアを選んだのはずっと一緒に行動してきた信頼関係によるものだと思います。受託開発では、プロジェクトが終了するとチームを解散してしまうことが多いと思いますが、私はある程度固定のメンバーでチームを組んだ方が生産性も品質も格段に上がると思っています。特にここ最近の開発は短期の開発が増えてきており、チームメンバを固定しておくメリットというのは増えてきていると思います。

■まとめ

HUNTER×HUNTERは少年誌とは思えない描写などもあり、大人の方も楽しめる漫画だと思います。難点なのは休載が多くやきもきしてしまったり、たまにワイヤーフレームか?と思うくらいの原稿がのっていたりしますが、それでもすごく面白い漫画です。HUNTER×HUNTERでは、「念」という能力があり、個人ごとに特徴があります。エンジニアも同様に様々なスキルを持ってチームを組むことが多いと思います。自分はどんな価値が提供できるのか?ということを常に考えて仕事に励んでいきましょう。私もゴンの様に常に高い向上心を持ち、背中を見せられるようになっていきたいと思います。

最後に暗殺一家として生まれたキルアのこの言葉でお別れしましょう。

クセになってんだ、音殺して歩くの

皆さんの周りでキーボード叩く音がしない人がいたら、その方はもしかしたらゾルディック家の出身かもしれません。