INSPIRED BY USER! 当事者と学ぶ アクセシビリティ 勉強会を開催しました #a11y #inspired_a11y

2019.08.11

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概要

「アクセシビリティ」とは、スマホアプリやWebアプリの設計において、ユーザーの様々な特性(見ることができない、見えづらい、聴くことができない、聴こえづらい、細かい操作が困難、認知や理解・学習が困難)に配慮したデザインやアプリ開発を行うことです。

Web分野ではアクセシビリティへの取り組みが増えてきましたが、スマホアプリの分野では、あまり語られていない印象があります。これから開発されるスマホアプリが少しでも多くアクセシブルになることを願って、2019年7月31日、クラスメソッド大阪オフィスで「INSPIRED BY USER! 当事者と学ぶアクセシビリティ勉強会」を開催しました。

当日は、13名の方にご参加いただき、クラスメソッドからも4名の参加がありました。

障害当事者である実際のユーザーの声を聞くことを通じてアクセシビリティの必要性を実感できることを大切にしたいという思いで、今回は京都福祉情報ネットワーク代表の園 順一さんに「見えない人はどのようにスマホを利用しているのか」という演題でお話を伺いました。

当日のツイートはINSPIRED BY USER! 当事者と学ぶアクセシビリティ勉強会 のまとめ #inspired_a11y - Togetterにまとまっていますが、かなりの衝撃になったようで、懇親会でも議論が活発でした。

やはり、視覚に障害のある方が、スマホ利用でどのような不便感じておられるのか、具体的にお話いただいたのがよかったのかなと思います。

以下、当日の開催レポートです。

イベントの内容に興味がありつつも、当日に時間が確保できなかったり、会場まで足を運ぶことができなかった方に向け、講演の動画も公開しています。

INSPIRED BY USER! 立ち上げの思いとアクセシビリティについて

最初に私から以下の内容で、導入のお話をさせていただきました。

  1. アクセシビリティの大切さを実感するには当事者の利用状況を見るのが一番だ!
  2. Web以外にもアクセシビリティは必要だ!
  3. 日本のモバイルアプリやWebアプリをアクセシブルにしたい!
  4. アクセシビリティの問題を知るには、アクセシブルでないアプリを取り上げざるを得ない
  5. アクセシビリティはCXの土台である

スライド

スライドの元データ(Markdown)

スクリーンリーダー等をご利用の場合は、こちらをご参照ください。Markdownのため、特殊な記号が含まれています。 INSPIRED BY USER! 立ち上げの思いとアクセシビリティについて

講演動画

聴覚に障害のある方向けの字幕は、後日公開いたします。

見えない人はどのようにスマホを利用しているのか

次に、今回のメインであります、京都福祉情報ネットワーク代表 園さんより、ご自身がどのようにiPhoneを利用しておられるか、以下のようなお話をいただきました。

  • 自己紹介、障害の状況について
  • 持田と知り合うきかっけになったわたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」 ~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~について
  • 過去のご経歴と活動について
    • 視覚に障害がある方のパソコン利用にとってのショートカットキー
  • 見えない・見えにくいということについて
    • 視力と視野について
  • 普段のスマートフォンの使い方について
  • VoiceOverの基礎的な使い方と各種の機能について
  • ナビゲーションアプリの使い方
  • 音声で使いやすいWebページについて
  • VoiceOverで使うのに支障があるiOSアプリについて
  • VoiceOverのカスタムラベル機能でユーザーがラベルをつけることについて
  • アプリ開発者がVoiceOver対応をすることについて
  • 日本ライトハウス情報文化センターの情報機器関連資料について
  • 見えない・見えにくい方が色を反転して使うことについて
  • Siriでアプリを使うことについて
  • 質疑応答

iPhoneの画面をプロジェクターに投影させていただき、VoiceOverの音声をEcho ShowをBluetoothスピーカーとして出力しました。

講演動画

アンケート結果

事前に、5段階評価のアンケートをお願いしました。5名の方に回答をいただき、5段階評価の5を4人から、4を1名の方からいただきました。 今後の要望として、別の障害を持つ当事者の方のお話を聞きたいといった要望や、ユーザーテストが見たいといった内容をいただきました。

次回への展望

次回については、アンケートでもあった、異なる障害の当事者のかたや、様々な困難を抱える当事者の方にお話を伺えればと思っております。