[書評] Xamarinエキスパート養成読本

2017.03.27

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Xamarinエキスパート養成読本を読んでみた

こんにちは。モバイルアプリサービス部の加藤潤です。
Xamarinの技術書って少ないですよね。。 そんな中、3月25日に技術評論社様より「Xamarinエキスパート養成読本」が発売されました!! 早速読んでみたので感想などを書きたいと思います。

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全体を通しての感想

全体が4つの特集で構成されており、どこから読んでも理解できるような構成になっています。
Xamarinとは何か?から始まるので、Xamarinについて全く知らない人が読んでもでわかりやすく理解できると思います。また、ある程度やったことがある人でも、コントロール系の記事はカタログとして使えたり、PCLの章は復習も兼ねてとても役に立つという印象でした。

各特集の感想

特集1 XamarinのためのC#入門

JavaやSwiftはやったことあるが、C#をやったことが無い人に向けてのC#入門の内容です。
変数や型の説明、for文やwhile文などの制御構文、クラスやインターフェースの定義方法やジェネリックについて、そして最後は例外処理に至るまで、JavaやSwiftの例と併せてC#のコードが載っているので「C#だとこう書く」というのが初めての人にもわかりやすいと思います。

特集2 Xamarinによるクロスプラットフォーム開発

第1章ではVisual Studioのプロジェクトの作成方法から、iOS、Androidでデバッグ実行の方法が解説されています。Xamarinでは最初にデバッグ実行できるようになるまでが最初のハードルだと思うのでこの辺りが解説されているのはとてもありがたいです。
第2章はタブを使ったサンプルアプリについて、各タブの画面をXAMLで実装する方法が学べる内容になっています。また、ボタンクリック時のイベントハンドラーの書き方も解説されているので「Xamarinってこんな感じで画面を作るのかー」というのが体感できる内容になっていると思います。
第3章は郵便番号から住所を検索するアプリの実装方法が載っています。
Web APIを使ってJSONでやり取りを行うようなアプリの作り方が学べます。

特集3 先人が教えるクロスプラットフォーム開発の肝

第1章ではConentPageTabbedPageなどのページ系コントロールの紹介と使い方が載っています。 サンプルコードがXAMLとコードビハインド、そして実行結果のスクリーンショットも載っているので「こういう風に書くとこういう画面が作れる」というのがわかる内容になっています。
第2章はStackLayoutなどのレイアウト系コントロールの紹介と使い方が載っています。 こちらもレイアウトの説明が丁寧にされていて、私はRelativeLayoutのプロパティの説明が特に勉強になりました。
第3章はButtonEditorなどの部品コントロールの紹介と使用例が載っています。
特にImageの説明でプロジェクトに画像を埋め込む方法が詳しく解説されているのが嬉しいなと思いました。(知らないとこういうところでもつまづくので...)

特集4 一歩先行くクロスプラットフォーム開発のポイント

第1章はコード共通化の手法の1つであるPCLとは何か?の説明から、PCLでコードを共通化することのメリットが述べられています。
第2章ではPCLを使ったコード共通化のメリットとして、SQLiteデータベースへのアクセス処理を共通化したサンプルアプリの例が載っています。
SQLiteConnectionのインスタンスを取得する処理にDependencyServiceが使われており、プラットフォーム固有の処理をXamarin.Formsから呼び出す方法についても述べられています.
第3章では前章で作成したPCL(dll)を使った簡単なサンプルアプリを作る方法が述べられています。
PCLプロジェクトで作成したdllファイルをアプリに組み込む方法が丁寧に解説されている点が印象的でした。また、DependencyServiceを使ったプラットフォーム固有の処理の実装もコードが載っており、iOSとAndroidでディレクトリ構造やSQLiteデータベースへの接続が異なることが実感できる内容になっています。

おわりに

Xamarin本はまだまだ少ないので今後もこういうのが増えたら嬉しいです!
あとは設計の本(MVVMとかPrism)も出たらいいなぁ。

関連リンク

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