VUIをトータルに勉強できる本「スマートスピーカーを遊びたおす本」を読んでみた。 #Alexa

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せーのでございます。今日はVUI本としてはちょっと異色の本 「スマートスピーカーを遊びたおす本」を読んでみましたのでご紹介します。

ただの「技術本」ではない

この本の最大の特徴としては「スマートスピーカーのスキル・アプリの構築を技術面”以外”からのアプローチも踏まえて書かれている」ということです。
私も執筆経験があるのでわかるのですが、通常「技術本」はテーマを頂いたら、その課題を技術的に解決するアプローチを基礎的な内容から徐々に網羅していく構成にします。この本一冊読めばとりあえずゴールまでいける、モノは作れる、という事をゴールにするものなのです。

しかしVUIに関していえばツールの使い方やコーディング方法だけではいいスキルは作れません。GUIと違い、VUIには「見た目」がないため、ユーザーが「ここにボタンがあるから押すんだな」「電話番号のボックスより生年月日のボックスが上にあるから生年月日から入力していくんだ」というような推測が効きません。
そこでVUIはどのようにユーザーを自然に導くか、という「設計」がスキルのクオリティに大きく関わってきます。

この「スマートスピーカーを遊びたおす本」はスキル構築の基礎的な説明をあえて省き「VUIのスキルはどのようなプロセスで作っていくのか」という部分にフォーカスした章を増やすことによって、実際にスキルを作るエンジニアがどういう思考回路を経てアイデアを形にするか、をサポートするような、まさに「超実用的」な構成になっていて、とても斬新でした。

各章概要

Amazon Echo Spot対応スキルのためのキャラクター設計と実装のプロセス

「VUIをやりたくて会社を辞めた」という斬新すぎる経歴をもつshowさん(@surumegohan)が実際に構築、公開したスキル「ヒロインの告白」の制作過程を記述しています。
企画構想からイラストレータの契約過程、特許を取得した(!!)という「声によるレビューシステム」についての解説、セリフを決定するための市場調査など、Amazon審査部からのフィードバック内容など、かなりドキュメンタルな内容となっています。

ここが違うぞLINE Clova完全版

月に一回関東でVUIエンジニアによる懇親会を開催するなど、精力的にVUIコミュニティの拡大に努めているimajoさん(@imasirooo)によるLINE Clovaスキル「VoiSinger」の開発工程が記されています。
日本で圧倒的なシェアを誇るスマホアプリ「LINE」を効果的に使ったスキルの構築方法が学べます。
LINE ClovaとLINE アプリを上手に使ったスキルを作ってみたい、という方は注目です。

Google Homeで(Qiitaより簡単に)つくるスマートホーム

Alexa Skills Awardでもファイナリストに輝いた田中みそさん(@miso-develop)さんが、VUIのコアコンテンツの一つと言われている「スマートホームスキル」をGoogle Homeを使って構築する手順が記述されています。
この章は初心者にはハードルが高いかな、と思っていましたが、読んでみるとかなり丁寧に構築方法が書かれていて、これなら初めてスマートホームスキルを作ってみよう、という方にも作れるかな、と思いました。
赤外線リモコンの操作方法やPS4の操作など、興味の惹かれる話題が沢山あり、とても楽しめました。

就活イベント向けに会社紹介スキルを作ってみた

torisankanasannさん(@torisankanasan)からは、プログラムが苦手な人でも簡単に構築できるGoogle Homeスキルの構築方法を紹介しています。
「会社紹介スキル」を様々なGoogle製ツールを使って、なるべくノンコーディングに近い形で構築する様子は、VUI構築の敷居を下げて、エンジニア以外のビジネスマンや学生さんでもVUIに触れられるような構成になっています。
VUIはその性格からプログラマ以外にも注目されている分野です。そんな非プログラマの人たちも簡単にスキルが構築できるように海外のinvocable(旧名Storyline)や日本のNOIDなど、ノンコーディングツールが流行のきざしがある中、このようなノンコーディングでスキルを構築できる方法はニーズが高いのではないでしょうか。

子供と遊ぶスマートスピーカー

最終章は長村ひろさん(@hirosys__)がちょっと面白いアイデアのスキルを紹介しています。
なんとRaspberry PiとFelicaリーダーを使い、Suicaの残金をGoogle Homeで話す、というソリューションです。
Google Homeの機能として、プッシュ通知である「Google Notifier」というものがあるのですが、このスキルはそのプッシュ機能を使い、SuicaのカードをFelicaリーダーで読み取って話す仕組みが解説されています。この部分は私もイベントで紹介した「社員証による勤怠スキル」など、他のソリューションにも応用が効く、面白い部分なので勉強してみてはいかがでしょうか。

特別寄稿: ちょまどとスマートスピーカー

巻末にはMicrosoftのアドボケートでもあるちょまどさん(@chomado)によるコラムマンガが描かれています。ほっこりしたマンガですが、ちょまどさんの切実な悩みが綴られているので、ファンの方にはたまらないです。

まとめ

ということで簡単に各章をご紹介しました。一冊読むとVUIとの上手な付き合い方がわかる書籍となっていますので、是非お読みくださいませ。