【製造業向け】工場で扱うデータについてユースケース別で適したAWSサービスを整理してみた
データアナリティクス事業本部コンサルティングチーム shun です。
私は前職まで輸送機器のメーカーに勤務していたのですが、当時AWSサービスに触れてまもない頃、「工場で扱っている色々なデータは、どんなAWSサービスに入れられるの?ユースケースについてもよく分からないな・・・」と思ったことがあったので、ここであえて平易な言葉&説明でその辺りをまとめてみたいと思います。工場でのデータ利活用を推進していく際に、AWSサービスについてよく分からないけど、どういったサービスがあるんだろう・・?という方の、最初の一歩に役立てて貰えたら幸いです。(もちろん、それ以外の方でも少しでもお役に立てる内容が見つかれば大変嬉しいです!)
この記事の狙い
- 工場でよく扱う各データについて、ユースケース別で適した「保管先」となるAWSサービスを平易な言葉でご紹介します
この記事ではやらないこと
- 紹介するAWSサービスについて詳細を網羅的にまとめること
この記事で扱うユースケース
- 画像や動画データ、大量の資料類を安価に安全に保管したい
- 他システムとの連携を想定した、リレーショナルデータを保管したい
- センサー類から取得できる時系列データを保管したい
では、以下にそれぞれの用途別に適した保管場所となるサービスについてご紹介します。
画像や動画データ、大量の資料類を安価に安全に保管するなら「Amazon S3」
Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)は、拡張性、データ可用性、セキュリティ、性能を提供するオブジェクトストレージサービスです。・・・といきなり難しい用語が並んでもピンと来ないかもしれませんので、より噛み砕いて説明しますと、
- S3は画像や動画データ、ExcelやPowerpointといったような資料類を保管できます
- S3は「バケット」というデータをアップロードするための「箱」を持っています
- 保管したデータへのアクセス権を設定できます
- データのアップロードの際や、保管中データの暗号化が可能です(SSE-KMS等と連携)
- S3は大容量のデータを安価に保存できます。
利用料については基本的に使用した分だけのお支払い方式で、「ストレージクラス」というS3内の利用プランと、サービスを受けるリージョン(国・地域)によっても変わるので詳しくはAWSのホームページからご確認ください。
その他、S3には便利な機能が多々ございますのでより詳しく知りたい方は以下の弊社ブログも参照いただけますと幸いです。
他システムとの連携を想定した、リレーショナルデータを保管するなら「Amazon RDS」
Amazon Rerational Database Service (RDS) は AWSが提供する マネージドなリレーショナルデータベースサービスです。 特徴は以下の通りで、リレーショナルデータを収めるのに適したサービスとなります。
- ここで言うマネージドとは、OS(オペレーションシステム)やミドルウェアのパッチ適用など本来ユーザーが管理する業務をAWS側が担ってくれます。これによりユーザー側の運用負担が軽減されるといったメリットがあります。
- 取り扱えるOSは、MySQL, PostgreSQL, MariaDB, Oracle, Microsoft SQL ServerとAmazon Aurora(MySQL, PostgreSQLと互換性。より高スループットな設計)から選択できます。
- 「リードレプリカ」と言う読み取り専用のDBインスタンスを立てることで、一度に大量の読み取りアクセスが来た際も対応可能です。
より詳しくRDSについて知りたい方は、以下の弊社ブログも併せてお読みいただければと思います。
センサー類から取得できる時系列データを保管するなら「DynamoDB」
センサー類から取得するデータというと、キーバリュー型で大量の時系列データを保管したい、、といったケースが割と多いのではないでしょうか。そういったニーズに最適なのが Amazon DynamoDB になります。
Amazon DynamoDB とは AWS が提供するフルマネージドのNoSQLデータベースサービスです。
- ここでいうフルマネージドとは、先ほどのRDSのマネージドサービスに加えて突発的な不具合でシステムがダウンしないような冗長や、急激な負荷対応などもすべてAWS側で管理してくれます。それにより、ユーザーはサービス利用して価値を出すことに専念できるといったものになります。
- NoSQLデータベースとは、キーバリュー型やドキュメント型といった”RDB以外”のデータストアの総称になります。
- 「テーブル」を作成し、そこにデータを保存する形になります。
より詳しく DynamoDB について知りたい方は、以下の弊社ブログも併せてお読みいただければと思います。
まとめ
工場でよく扱う各データについて、ユースケース別で適した「保管先」となるAWSサービスをご紹介いたしました。 紹介したユースケースに対するサービスはあくまで一例で、最適解はお客様ごとの環境によって異なります。 個々の環境についてのベストプラクティスのご提案や、その他のユースケースにおける最適なデータ保管や利活用についてのご相談などございましたら、是非弊社にご相談頂けますと幸いです。 以上、shunでした!