Amazon Connect でエージェントがパフォーマンスの評価結果に対して、異議申し立て(レビューリクエスト)できるようになりました
はじめに
Amazon Connect でエージェントがパフォーマンスの評価結果に対して異議申し立て(レビューリクエスト)できるようになりました。
Amazon Connect では、Contact Lens の生成AI機能を活用して、通話終了後に自動でパフォーマンス評価を行うことができます。
しかし、AIによる自動評価は非常に効率的である反面、ニュアンスの捉え違いなどでエージェントが「この評価は納得いかない」と感じる場面もゼロではありません。
今回のアップデートにより、エージェントが評価に同意できない場合、Connect UI 内から直接、理由を添えて評価結果を異議申し立てできるようになりました。これにより、AIによる自動評価の効率性を活かしつつ、評価の透明性と公平性を担保することが可能になります。
また、評価フォームの作成・検証段階や実際の運用において、エージェントからフィードバックを収集する用途としても非常に有効です。導入初期は生成AIによる評価が適正に行われるか分からず、結果にブレが生じることもあります。しかし、エージェントからの具体的なフィードバックをもとに評価フォームの基準やプロンプトを修正していくことで、徐々に精度の高い適正な評価フォームを作成できるようになります。
主な機能
1. エージェントからの異議申し立て
エージェントは、生成AIによって自動採点された自身の評価結果を確認し、納得がいかない項目について Connect UI から直接異議を申し立てることができます。
例えば、「積極的な傾聴」のスコアが低かった場合、「この通話の〇〇分〇〇秒で、顧客の問題を認識し積極的に傾聴した」といった具体的な事例を挙げてアピールすることが可能です。
2. レビューリクエストの自動通知とマネージャーによる解決
エージェントが異議申し立て行うと、事前に評価フォームで設定された通知先に対して自動的に E メールで通知が送信されます。
マネージャーは通知を受け取った後、システム上でその内容を確認し、通話録音やトランスクリプトを再確認した上で、評価の修正や解決を行うことができます。
確認・設定方法について
この機能を利用するための設定手順をご紹介します。
なお、生成AIを有効化した評価フォームと通話終了後の自動評価ルールは、以下の記事を参考に作成済み済みとします。
1. セキュリティプロファイル(権限)の設定
各ロールに対して、異議申し立て機能を利用するための権限を付与します。
- エージェント(異議申し立てをリクエストする人)
- カテゴリ: 分析と最適化
- 権限名:
評価フォーム - 評価レビューのリクエスト - アクション:
作成および表示
- マネージャー(異議申し立てを審査・解決する人)
- カテゴリ: 分析と最適化
- 権限名:
評価フォーム - 評価レビュー - アクション:
作成および表示

2. 評価フォームでの「レビューリクエスト」の有効化
作成済み評価フォームで、異議申し立て機能をオンにします。
- [分析と最適化] > [評価フォーム] を開きます。
- 対象の評価フォームを開き、画面上部の [その他の設定] タブをクリックします。

- 「レビューリクエストを許可」 のチェックボックスをオンにし、レビューリクエストの時間枠(1~90日)と通知受信者を設定して、保存・公開します。

3. ユーザープロファイルの E メール設定
エージェントがレビューをリクエストした際や、マネージャーがレビューを解決した際に、自動で E メール通知が送信されます。
この通知を正しく受信するためには、マネージャーとエージェント両方のユーザープロファイルに E メールアドレスが設定されている必要があります。
設定手順:
- [ユーザー] > [ユーザー管理] を開きます。
- 対象のユーザー名をクリックして、編集画面を開きます。
- 「Eメールアドレス」 の項目に、通知を受け取るメールアドレスが正しく入力されているか確認し、未設定の場合は入力して保存します。


実際の利用手順(ワークフロー)
設定が完了したら、実際にどのように異議申し立てが行われるか、一連の流れを見てみましょう。
Step 1: エージェントによるレビューリクエスト
-
通話が終了し、評価が完了したら、エージェントは、自身のコンタクト履歴から対象の通話の [評価] タブを開きます。
-
評価結果を確認し、異議がある場合は画面上の [レビューをリクエスト] ボタンをクリックします。

-
異議申し立ての理由をコメント欄に入力し、送信します。

-
リクエストが完了すると、ステータスが「レビューがリクエストされました」に変わります。

なお、対応したエージェント本人ではなくてもレビューリクエストは、可能でした。
Step 2: マネージャーによるレビューと解決
-
エージェントがリクエストを送信すると、指定されたマネージャー(通知先受信者)の E メールアドレス宛に自動通知が届きます。メール内の「こちらをクリックしてください」をクリックすると、直接コンタクト詳細ページに遷移します。

-
エージェントからのコメントを確認し、必要に応じて通話録音の再生や会話内容の確認を行います。評価内容(スコアや回答)に修正が必要であれば、[レビューを開始] します。
また、修正が不要で評価内容が適正と判断された場合は、[レビューリクエストをキャンセル] することも可能です。

-
[レビューを開始] 後、「質問ノート」にフィードバックコメントを入力し、[レビューを解決] をクリックしてレビュープロセスを完了(解決)させます。
※ 質問ノートを入力せずに「レビューを解決」をクリックすると、コメントの入力を求めるエラーが表示されますのでご注意ください。


ちなみに、コンタクト検索画面で「レビューリクエストのステータス」を条件にフィルタリングすることも可能です。対応漏れを防ぐために活用できそうですね。

Step 3: エージェントによる結果の確認
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マネージャーがレビューを完了すると、エージェントに結果のメール通知が届きます。メール内の「こちらをクリックしてください」をクリックすると、コンタクト詳細ページに遷移します。

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評価のステータスが更新され、マネージャーによって修正されたスコアや、マネージャーからのフィードバックコメント(解決の理由など)を確認することができます。

-
必須ではありませんが、エージェント側で評価結果に対する「承認」を行うことも可能です。


これにより、一連の異議申し立て(アピール)プロセスが完了します。
メール通知に関する補足
本機能で送信されるメールの件名や本文は、Amazon Connect 側で用意されているデフォルトのものが使用されます。
- リクエスト時:
[評価フォーム名] 評価のためのレビューがリクエストされました - 解決時:
[評価フォーム名] 評価のレビューが解決されました
これらはカスタマイズ不要でそのまま利用できるため、設定の手間がかかりません。
一方で、運用上「毎回メールが通知されると大変」という場合は、あえてユーザープロファイルの E メールアドレスを空欄(未記載)にして通知を飛ばさないようにし、先ほど紹介したコンタクト検索から定期的にレビューリクエストを確認する、といった運用も考えられます。運用方針に合わせてご検討ください。
まとめ
生成AIによる自動評価はコンタクトセンターの業務効率を向上させますが、エージェントのモチベーション維持と公平な評価のためには、人間(マネージャー)によるフォローアップの仕組みが不可欠です。
今回のアップデートにより、AIの評価に対するエージェントからの異議申し立て(レビューリクエスト)が、Connectのシステム上でスムーズに行えるようになりました。これにより、エージェントの納得感を高められるだけでなく、現場のリアルな声をもとに評価フォームの精度を継続的に改善していくことが可能になります。
自動評価をすでに導入している、あるいはこれから導入や検証を検討している方は、ぜひこのレビュー機能もセットで活用してみてはいかがでしょうか。






