[Amazon Connect]日本の電話番号の移管について
こんにちは、洲崎です。
Amazon Connectを導入する際に、電話番号は最初に検討することが多いと思います。
特にコールセンターシステムをすでに導入している場合は、そのまま電話番号を利用できるかが1つのポイントになります。
今回は日本の電話番号の移管についてまとめてみます。
この記事は2023/2/9時点の情報です。
表まとめ
Amazon Connectの電話番号の取得・移管について表でまとめました。
電話番号種別 | 電話番号 | 新規取得 | 移管 |
---|---|---|---|
トールフリー番号 | 0120 | ○ | ○ |
0800 | ○ | ○ | |
Amazon Connectで取得できる直通ダイヤル(DID)番号 | 03 | ○ | × |
050 | ○ | × | |
それ以外 | 03以外の0ABJ番号(06等) | × | × |
0570 | × | × |
それぞれの番号について解説していきます。
トールフリー番号
トールフリー番号とは、0120や0800から始まる番号のことで、エンドユーザー(お客さま)側で通話料金が掛からない電話番号です。
エンドユーザーに料金が発生しない反面、通話料金の負担は提供側に発生します。
各キャリアごとにサービスを展開しており、下記例をあげます。
- NTTコミュニケーションズ
- KDDI
- ソフトバンク
フリーダイヤルの名称で知ってる方もいると思いますが、フリーダイヤルはNTTコミュニケーションズの登録商標である為、0120/0800番号はトールフリー番号と呼びます。
Amazon Connectからでも、新規でトールフリー(0120/0800)番号を取得することが可能です。(キャリアは非公開)
※東京リージョンで日本の電話番号を初めて取得する場合はAWSサポートに書類の提出が必要です。詳しくは下記ブログをご覧ください。
トールフリー番号はAmazon Connectに移管できる
結論ですが、日本のトールフリー番号(0120/0800)はAmazon Connectに移管可能です。(ドキュメントでその様に記載されています)
2018年のAmazon Connect 東京リージョンローンチ時点では移管できなかったのですが、現在はAWS側で対応できるようになっています。
2022/11/11にYoutubeで公開されたAWS Black Belt Online SeminarのAmazon Connect Update 振り返り【AWS Black Belt】でも紹介がありました。
トールフリー番号移行の申請方法
AWSサポートケースから申請します。
サポートケース起票後は、キャリアやお客さま情報によって対応が異なる為、AWS社からの指示に従います。
AWSマネジメントコンソールから「サポート」に進みます。
日本語になっていることを確認し、「ケースの作成」に進んで起票しましょう。(サポートプランにより画面が多少異なります)
サポートケース起票時には、下記情報を添えるとスムーズかと思います。
- 移行対象の電話番号
- 契約キャリア
- 移行先のAmazon Connect インスタンスARN
- AWSマネジメントコンソールのAmazon Connectのアカウント概要画面で確認できます
- トールフリーを契約している担当者情報(社名・電話番号・メールアドレス)
移行前にしといたほうがいいこと
トールフリー番号を移行する前に、あらかじめAmazon Connectで作成したコールフローのテストを行うことが推奨されています。
Amazon Connectで050番号等を新規で取得し、コールフローのテストを行ってから移行を進める様にしましょう。
流れとしては下記です。
- Amazon Connect インスタンスを作成(ARNを控える)
- Amazon Connectの新規電話番号の取得・コールフローのテストを行う
- 問題なければトールフリー番号の移行手続きをサポートケースで起票する
直通ダイヤル(DID)番号
0ABJ番号
0ABJ番号は、0から始まる10桁の電話番号です。03~は東京、06〜は大阪といった形で、地域毎に異なる市外局番が決められています。
Amazon Connectでは、03(東京)の電話番号を新規で取得することができます。(東京に事業所があることが前提)
これらの0ABJ番号も、Amazon Connectに移管することはできません。
余談ですが、0ABJ番号は総務省の法律で取得要件が決められています。
2019年に電気通信事業法が改正されて、電気通信事業者(電話番号等を提供する会社、今回でいうとAWS)や、そのサービスを利用する事業者も事業所が拠点にあることを証明することが必要になりました。
また、0ABJ番号は総務省によって厳しい品質基準が定められており、基本はアナログ回線(メタル線)やデジタル回線(ISDN)を利用しています。
アナログの回線をIP通信に変換するにはVoIPゲートウェイと呼ばれる機材が使われたりします。
上記の法律やアナログからIPに切り替える機材等の理由が、03(東京)を除いた0ABJ番号をクラウドで利用する際のハードルになっているのではと思っています。
050番号
050番号は、Amazon Connectで新規に取得することができます。
0ABJと同じで、Amazon Connectに移管することはできません。
それ以外
0570番号
0570から始まる番号です。通称、ナビダイヤルと呼ばれることが多いです。(ナビダイヤルという名称はNTTコミュニケーションズが商標登録しています)
0120/0800と似てますが、トールフリー番号と違い、エンドユーザー(お客さま)側で通話料金が発生します。
こちらはAmazon Connectに移管することはできません。
代替策
移行できない電話番号をどうしても利用したい場合は、各キャリアが提供しているボイスワープを利用することが代替案になります。
ボイスワープはかかってきた電話を設定した転送先の電話番号に転送するサービスです。※細かい仕様は各キャリアで提供されているサービスにお問い合わせください。
お客さま→契約中の電話番号→ボイスワープ→Amazon Connect電話番号と転送することで、Amazon Connectでも利用できます。
ただ、注意点があります。
- 発信時はAmazon Connectの電話番号で発信される
- ボイスワープの費用と、契約中の電話番号から転送先までの通話料が別で発生する
フリーダイヤルは表に出しているが、それ以外の電話番号は表に出していない等のケースでは、フリーダイヤルだけ移管する方が良いケースもあります。
最後に
Amazon Connectにトールフリー(0120/0800)番号が移管できるかどうかと、その他の電話番号についてまとめました。
トールフリー番号は一般的に表に出してる番号のため、移管対象になりやすいと思います。
既存のトールフリー番号を使いながらAmazon Connectを利用したい、といった方はAWSサポートケースより申請してみてください。
ではまた!コンサルティング部の洲崎でした。