[アップデート] Amazon EFSに低コストなストレージクラス「1 ゾーン」が登場しました

2021.03.10

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AWSのフルマネージドファイルシステムAmazon EFSに安価なストレージクラス「1ゾーン」が登場しました。

New – Lower Cost Storage Classes for Amazon Elastic File System | AWS News Blog

S3で提供されていた「1ゾーン」がEFSにも応用されたものであり、ファイルをひとつのアベイラビリティーゾーンにのみ保存し、通常のストレージクラスに比べて可用性と耐久性が損なわれる一方で、約半額(53%)で利用できるようになりました。

開発・ステージング環境であったり、データ処理系システムのように、ファイルシステムに高レベルな可用性・耐久性が求められていないシステムに向いています。

ストレージクラス レート($/GB-月) 耐久性 SLA AZ 注意事項
標準 0.36 イレブン9 0.9999 マルチAZ なし
低頻度アクセス 0.0272 イレブン9 0.9999 マルチAZ アクセス時に費用発生
1ゾーン※NEW 0.192 イレブン9 0.9990 1 AZ障害にレジリエントでない
1ゾーン低頻度アクセス※NEW 0.0145 イレブン9 0.9990 1 アクセス時に費用発生。AZ障害にレジリエントでない

やってみた

1ゾーンを利用するには、EFS の作成画面でストレージクラスに「One Zone」を指定し、デプロイするAZを選択するだけです。

後述のように、作成済みの標準ストレージクラスを1ゾーンに移行することはでき無いので、ご注意ください。

EFSの詳細・一覧画面にはアベイラビリティの項目が追加され、従来型の場合は「Regional」、1ゾーンの場合は、デプロイしているAZが表示されます。

注意点

AZ障害に備える

1ゾーン系ストレージクラスでは、ファイルは指定したひとつのAZにのみ保存されます。 そのため、AZ障害によりファイルが失われるリスクがあります。

EFSのバックアップを有効化し、複数のAZにスナップショットを保存することで、このような障害に備えることができます。

1ゾーンの利用に関係なく、EFSはデフォルトでバックアップを取得するようになっています。 特別な理由がない限り、無効化しないでください。

標準 - 1ゾーン間のストレージクラス変更はできない

ライフサイクル機能を使うと、アクセスの少ないファイルを低頻度アクセスストレージクラス(IA)系に移動することができます。

一方で、マルチAZ(リージョナル)↔シングルAZ(1ゾーン)間のストレージクラスの変更はできません。

保存するファイルの用途を見据えて、適切なストレージクラスで作成してください。

一部リージョンでは利用できない

1ゾーンは東京リージョンを含め、多くのリージョンで利用可能です。

大阪のように利用できないリージョンも存在するので、お使いのリージョンで利用可能かご確認ください。

  • 東京
  • US East (N. Virginia)
  • US East (Ohio)
  • US West (N. California)
  • US West (Oregon)
  • South America (São Paulo)
  • Europe (Ireland)
  • Europe (Frankfurt)
  • Europe (Milan)
  • Europe (Stockholm)
  • Asia Pacific (Singapore)
  • Asia Pacific (Sydney)
  • Asia Pacific (Seoul)
  • Asia Pacific (Mumbai)
  • Asia Pacific (Hong Kong)
  • Africa (Cape Town)
  • Middle East (Bahrain)
  • AWS GovCloud (US)

まとめ

Amazon EFSにファイルを1アベイラビリティゾーンだけに保存するストレージクラス「1ゾーン」が登場しました。

高レベルの可用性や耐久性が不要な開発系・分析系システムにおいて、安価にEFSを利用できます。 アベイラビリティ障害によりデータが失われるリスクがあるため、EFSのバックアップは必ず取得しましょう。

それでは。

参照