AWSのAI系サービスの理解を深めるためのドキュメント、AWS AI Service Cardsがリリースされました #reinvent

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はじめに

細かいアップデートも拾っていくぞのコーナーです。ご紹介するのはこちら。

AWS AI Service Cardsとは

AWSのAI系サービスの理解を深めるためのドキュメントです。AI/MLは革新的なテクノロジーの1つであるが故に、責任を持って活用することが重要である、とAWSは考えているとのこと。

AWS AI Service Cardsは、各サービスが意図しているユースケースや設計、展開、運用についてのドキュメントです。AWS曰く

They are part of a comprehensive development process we undertake to build our services in a responsible way with fairness and bias, robustness, explainability, governance, transparency, privacy, and security in mind.

(これらは、公平性とバイアス、堅牢性、説明可能性、ガバナンス、透明性、プライバシー、およびセキュリティを念頭に置いて、責任ある方法でサービスを構築するために私たちが引き受ける包括的な開発プロセスの一部です。)

とのことなので、こういった情報を広く公開する必要性があるとAWSは判断したのだと思います。確かにAI/MLは世界をより良く変えるようなテクノロジーであるとともに、悪用も想定されますので、このようなガイドラインがあるのは重要だと思います。

AWS AI Service Cardsは顧客からのフィードバックとそれに基づくアップデートがあるたびに更新されるとのことです。最初のリリースでは以下の3種類が提供されます。

AWS AI Service CardsはResponsible use of artificial intelligence and machine learningのサブコンテンツになっています。

上記ページの下部にAWS AI Service Cardsへのリンクが掲載されています。

以下がAWS AI Service Cardsになります。

内容としては、サービスの概要、主な使用目的、制限事項、サービスデザイン、設計のベストプラクティスなどが含まれています。興味深いなと思ったのは、サービスデザインに含まれるFairness and bias(公平性とバイアス)で、例えばAmazon RekognitionのFace Matchingには「We routinely test across use cases on datasets of face images for which we have reliable demographic labels such as gender, age, and skin tone. 」という記載がありました。確かに素のデータセットに性別、年齢、肌の色などで偏りがあると正しい顔認識が出来ませんので、きちんと公平性がありバイアスの無いデータによって検証されているという情報が公開されているのは重要です。

さいごに

日本においても、AI/MLは今後ますます重要はテクノロジーになっていくことが想定されます。このようなガイドラインをしっかりと読むことで、システムのパフォーマンスを向上させると共に、責任のあるサービス開発の一助になるのではないでしょうか。