AWS re:Invent 2019 AWSブースで配布してたDBの薄い本を読む #reinvent
AWS re:Invent 2019のAWSブースで、DBA(データベース管理者)向けの冊子が配布されていました。
An Introduction to Cloud Databases 〜A Guide for Administrators〜
(日本語意訳: クラウドデータベースの概要 データベース管理者向け手引き)
こちらの内容を紹介します。
冊子の対象者と概要
DBAと関連スタッフ(データサイエンティスト、データアーキテクト、アプリケーション開発者など)向けに、クラウド製品を選択する際の資料として書かれています。
クラウド環境でDBAがどのような責任を果たすべきかについて一般的なレベルで説明し、クラウドへデータベースを移行させるためのガイドラインを示しています。
冊子の構成
- 1章 クラウドのデータベースオプション
- クラウドへの移行の高レベルの効果
- 自己管理型データベースと管理型データベース
- クラウドネイティブデータベース
- 管理対象データベースの種類
- 管理されたデータベースが適切でない場合
- 管理されたデータベースでのDBAの役割
- 2章 クラウドにおけるDBAの変化する役割
- クラウドでのDBAタスクの変化
- ベンダーが引き継ぐDBAタスク
- 残っているが変更されたDBAタスク
- クラウド内のDBAの新しいタスク
- クラウド内のデータとアプリケーションのセキュリティ
- アクセス制御とアイデンティティおよびアクセス管理
- ネットワーク分離
- データ暗号化
- コードとしてのインフラストラクチャ:クラウドを最大限に活用する
- 3章 データベースをクラウドに移動する
- 計画中
- 移行の要因
- 主要な移行タスク
- 準備評価
- 非互換性の確認
- データ移動
- データベースの移行
- アプリケーションの移行
- 移行後のチェック
- 最適化
- 可用性
- パフォーマンスの最適化
- クラウドの違いへの適応
- 結論
- 4章 結論
感想とおすすめポイント
冒頭の説明通り、既存のオンプレシステムのDBA向けに、以下の疑問に対して丁寧に回答しています。
- そもそも「既存のオンプレデータベースをクラウドに移行させる」とはどういうこと?
- 既存のオンプレデータベースをクラウドに移行させるとどんな変化(メリット/デメリット)が起きる?
- クラウド上でデータベースを自己管理することと、マネージドデータベースの違いは?
- マネージドデータベースを使う際のデメリットは?
- 「クラウドネイティブデータベース」とは?従来の商用データベースとどう違うの?
- クラウドで利用できるデータベースの種類は?
- DBAのタスクはクラウド移行でどう変化する?
- プロビジョニング
- ETL、データの取り込み、およびデータのエクスポート
- バックアップとスナップショット
- アクセス
- 開発およびテスト環境のメンテナンス
- ログ管理
- 監視と通知
- パフォーマンスチューニング
- 可用性の担保
- 運用コスト計画
- アーキテクチャとアプリケーション設計への影響考慮
- ライセンス管理
- セキュリティ(アクセス管理)はどう変化する?
- 既存のオンプレデータベースをクラウドに移行させる具体的な手順は?
AWSのイベントで配布したものなので、実装例にはAWSのサービス使われてはいますが、AWS一辺倒ではなくどのクラウドでも使えるような汎用的な解説がなされていました。ページ数は多くないですが、既存のオンプレデータベースをクラウドに移行するための要素が詰まっていて、DBAがまず最初に読む本としてお勧めできると思いました。
入手方法
こちらの冊子、会場では紙で配布していたのですが、pdf版が以下リンクから入手できます。
- An Introduction to Cloud Databases(pdfファイル)
また、同様のものがオライリーのデジタルライブラリーサービス"Safari"から参照できます。
Safariは10日間のトライアル期間があり、その間無料で参照できます。