2023年版 世界中で最適なAuth0リージョンを探してみる #Auth0
現在Auth0のパブリックリージョンは 日本(JP)、アメリカ(US)、イギリス(UK)、ヨーロッパ(EU)、オーストラリア(AU) の5つから選択できます。
世界中のデータセンターからAuth0にアクセスする場合、どのリージョンを選べば良いのか、ログインにかかる時間をもとに考えていきたいと思います。
本ブログは 2023年版 アジア(Tokyo)に最適なAuth0リージョンを探してみる の続編となります。
検証方法は前回記事をご覧ください。今回は結果だけまとめていきます。
結論
データセンター(DC)から地理的に近いリージョンを選択するのが最適
データセンター | 最適リージョン |
---|---|
アメリカ - サンフランシスコ | US |
アメリカ - ワシントン | US |
ドイツ - フランクフルト | EU |
イギリス - ロンドン | UK |
中国 - 香港 | JP |
シンガポール | AU |
オーストラリア - シドニー | AU |
インド - ムンバイ | UK,US,AU |
気づき
USリージョンに対しては、東海岸DCより西海岸DCの方が早かった
→Auth0のUSリージョンは西海岸側に存在する?
EUリージョンに対しては、イギリスDCとドイツDCでほとんど差がなかった
→ヨーロッパ圏の複数拠点でAuth0を構築する場合EUリージョンが有力候補になるか
香港DCからは、JPリージョンとAUリージョンでほとんど差がなかった
→地理的に日本が近いが意外な結果に 香港からはJP, AUリージョンのどちらで構築しても良さそう
やってみた
Auth0のエンドポイントに対して、トークンを取得しログインユーザーの情報を取得するスクリプトの総実行時間(Duration)をSyntheticsで取得し可視化
対象DC
- アメリカ - サンフランシスコ
- アメリカ - ワシントン
- ドイツ - フランクフルト
- イギリス - ロンドン
- 中国 - 香港
- シンガポール
- オーストラリア - シドニー
対象リージョン
- 日本 - ラベル名:
auth0region_to_jp
- アメリカ - ラベル名:
auth0region_to_us
- ヨーロッパ - ラベル名:
auth0region_to_eu
- イギリス - ラベル名:
auth0region_to_uk
- オーストラリア - ラベル名:
auth0region_to_au
さあ、世界中のデータセンターにとって最適リージョンはどこ?
可視化
New Relicで以下の2つのクエリをそれぞれで実行し、可視化をしました
1.実行時間(50パーセンタイル)のグラフ
SELECT percentile(duration,50) FROM SyntheticCheck WHERE locationLabel = '' FACET monitorName TIMESERIES 5 minute SINCE 1698166800 UNTIL 1698199200
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
SELECT max(duration),min(duration),average(duration),percentile(duration,50) FROM SyntheticCheck WHERE locationLabel = '' FACET monitorName SINCE 1698166800 UNTIL 1698199200
アメリカ - サンフランシスコ(西海岸)
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
アメリカ - ワシントン(東海岸)
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
ドイツ - フランクフルト
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
イギリス - ロンドン
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
中国 - 香港
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
シンガポール
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
オーストラリア - シドニー
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
まとめ
何点か意外な結果はありましたが データセンターから地理的に近いリージョンを選択すること が最適だと思います。
(追記)インド - ムンバイ
インドにとって「地理的に近い」のは日本、オーストラリア、ヨーロッパでどこになるのだろうと疑問になり、追加調査しました。
2.実行時間(最大,最小,平均,50パーセンタイル)のテーブル
インドからは、イギリス(UK),アメリカ(US),オーストラリア(AU)リージョンが早い結果となりました。かなり僅差ですね。 ただ予想と違い日本(JP)とヨーロッパ(EU)リージョンが上位になかったのが意外でした。陸路より海路の方がより早く繋がることができる、ということでしょうか。