【BizDev入門】事業開発の知識ゼロのエンジニアが、Claude Code を使って新規事業に必要な最低限の知識を学んでみた

【BizDev入門】事業開発の知識ゼロのエンジニアが、Claude Code を使って新規事業に必要な最低限の知識を学んでみた

社会人3年目、エンジニア出身の新規事業責任者が、Claude Codeに自分専用のBizDev入門書を書かせ、章ごとに読んで感想を壁打ちする座学を2日間実施。事業開発の知識ゼロから、フレームワーク・用語・全体像を一気に習得した体験記です。
2026.10.12

リテールアプリ共創部のるおんです。

先日、社内で立ち上げている新規事業で、 事業責任者 という役割を担うことになりました。ただ、私は社会人3年目で、これまで経験してきたのはエンジニアとプロジェクトマネージャー(PM)です。「プロジェクトを期限どおりに届ける」ことはやってきましたが、「事業として成り立たせる」ための進め方を体系立てて学んだことはなく、 事業開発(BizDev)の知識はほぼゼロ の状態でした。

事業開発のメンバーや上司と話していると、「PMF」「NRR」「ユニットエコノミクス」といった言葉が当たり前のように飛び交います。なんとなく聞いたことはあっても、自分の言葉で説明できない。頭の中では「たぶんこう進めるべきだろう」というイメージはあるのに、上手く言語化できていない。そんな状態でした。

とはいえ、事業は待ってくれません。本を何十冊も読んでから動き出す時間はないので、まずは 新規事業を進めるのに必要な最低限の知識 を、短期間でひと通り押さえることにしました。

そこで今回は、 Claude Code に「自分専用の BizDev の入門書」を章ごとに書いてもらい、1章ずつ読んで感想を書き、壁打ちする という座学を2日間やってみました。この記事では、そのやり方と、事業開発の知識ゼロのエンジニアが実際に学んだことを共有します。

先に結論

  • 新規事業に必要な最低限の知識を、Claude Code に 章立て・Web検索での裏取り・読むべき本の一覧 まで含めた入門書として、Markdown で1章ずつ書いてもらいました。全12章(0〜11章)+付録2つで、約8万文字。2日間でひと通り学べました。どんなものかは、すぐ下の「作ったもの」で本文の例(第9章)ごと見られます。
  • 読む → 感想を書く → 壁打ちする → AIが本文と「感想メモ」に反映する、というループを章ごとに回すことで、本を読むだけでは起きない「自分の事業への当てはめ」が毎章起きました。
  • 一番効いたのは、AIが こちらの意見に反論してくれる ことでした。「営業利益が一番大事ですね」と言ったら、「最終ゴールとしてはそう。でも立ち上げのうちは…」と返ってきます。
  • 学んだことを一言でまとめると、 「事業を一言で言えないのは、事業の解像度が低いから」 。言葉と型を手に入れると、自分の現在地と次にやることが見えるようになりました。
  • AIで資料や数字は爆速で作れるようになりました。だからこそ、人間の勝負どころは「判断」と「実行力」に移ったと感じています。
本を読んで独学する Claude Code と座学する
教材 1冊ごとに分かれていて、全体像をつかむまでが長い 定番の本と資料を横断した「自分用の入門書」を、章立てから作れる
レベル感 本に合わせるしかない 「社会人3年目・エンジニア出身」に合わせて、分量と言葉を調整できる
自分の事業への当てはめ 自分で考えるしかない 章ごとに「自分の事業だとどうなるか」を一緒に考えられる
疑問 本は答えてくれない その場で質問・反論・深掘りができる
原典へのつながり その本だけ 章ごとに「読むとよい本」と参考資料のリンクが付く

作ったもの:自分専用の BizDev 入門書

先に、今回 Claude Code と作って勉強に使ったものを紹介します。新規事業を進めるのに必要な最低限の知識を、全12章+付録2つにまとめた入門書です。

章 題 中身
0 はじめに:事業責任者の仕事 事業責任者は何に責任を持つのか。この入門書の地図
1 事業とは何か 価値・顧客・お金の流れ。ビジネスモデルを1枚で描く
2 新規事業の進め方の全体像 段階(課題 → 解決策 → 市場に合う → 広げる)、リーンスタートアップ
3 顧客と課題を知る 顧客のヒアリング、ジョブ理論、理想の顧客像(ICP)
4 市場と競合を知る 市場の大きさ、競合と代替品、戦略とは
5 価値の約束と製品 バリュープロポジション、MVP、PMF
6 お金の構造 売上・原価・粗利、SaaS の数字、料金の決め方
7 売り方 THE MODEL、MEDDIC、デザインパートナー、キャズム
8 導入と定着 カスタマーサクセス、成功の計画、ヘルススコア
9 数字で事業を回す KPI ツリー、北極星の指標(ノーススターメトリック)、撤退基準
10 組織と人 DACI、権限委譲の7段階、属人化、採用
11 リスクと信頼 プレモーテム、リスク台帳、AI 事業者ガイドライン
付録 A 読む本・資料の一覧 最初の5冊・役割ごと・章ごと
付録 B 用語集 テーマごとの言葉と、詳しく扱う章

各章は、同じ構成でそろえています。

この章で分かること → 考え方の要点 → よく使うフレームワーク
→ よくある失敗 → 自分の事業に当てはめると → 読むとよい本 → 参考にした資料

実際の本文は、こんな感じです。1章分だけ、私がいちばん参考になった第9章を載せておきます(社内の事業に当てはめた節は除いています)。

本文の例:第 9 章 数字で事業を回す(クリックで開く)

この章で分かること

  • 事業の数字を 1 本の木にする方法(KPI ツリー・北極星の指標)
  • 先に動く数字と、あとから出る数字の違い
  • 見て気持ちよくなるだけの数字(虚栄の指標)の見分け方
  • 節目と撤退基準の決め方(第 2 章の続き)
  • 速く決めるための考え方(戻せる決定・戻せない決定)
  • 数字を見て決める場の作り方

1. 数字を 1 本の木にする:KPI ツリー

第 6 章で売上・粗利・LTV などの数字を見た。第 8 章ではヘルススコアを見た。数字はいくらでも作れるが、ばらばらに追うと、どれを動かせば事業が良くなるのかが分からなくなる。

そこで、 事業のゴールの数字を、分解して木の形にする 。これを KPI ツリー と呼ぶ。

年間の売上(ARR)
├─ お客様の数
│   ├─ 新しく獲ったお客様の数 ← 商談の数 × 受注率
│   └─ やめたお客様の数     ← 解約率
└─ 1 社あたりの売上
    ├─ 1 社の案件の数       ← 広がり
    └─ 1 案件の単価
  • 上に行くほど、事業の結果(あとから出る数字)
  • 下に行くほど、チームが毎週動かせる数字(先に動く数字)
  • KPI (重要な指標)は、この木の中で「今いちばん効く枝」に置く。全部の枝を同時に追わない

木にしておくと、「売上が伸びない」ときに、どの枝で詰まっているかを辿れる。第 7 章の「流れのどこで詰まっているか」と同じ考え方である。

2. 1 つの数字に集まる:北極星の指標

KPI ツリーの上には、売上のような「会社の数字」が来やすい。しかし売上は、お客様が価値を感じた 結果 であって、チームが毎日見て動ける数字ではない。

そこで、プロダクトの世界でよく使われるのが 北極星の指標 (ノーススターメトリック)である。

  • お客様が価値を受け取った瞬間を数える、ただ 1 つの数字
  • これが伸びていれば、少し遅れて売上も伸びる、という数字を選ぶ
  • 北極星の指標は直接は動かせないので、それを生む 3〜5 つの入力の数字 に分け、チームは入力の数字を動かす

例として、分析ツールの Amplitude は、北極星の指標を「1 週間のうちに、自分が見つけた学びを 2 人以上に読まれた人の数」にした。「ログインした人の数」ではなく、 お客様の仕事の中で価値が生まれた回数 を数えているのがポイントである。

3. 先に動く数字と、あとから出る数字

先に動く数字(先行指標) あとから出る数字(遅行指標)
例 商談の数・使われた回数・推進役が立った数 売上・解約率・営業利益
良いところ 早く分かる。チームが直接動かせる 事業の結果そのもの。ごまかしにくい
弱いところ 本当に結果につながるかは、確かめないと分からない 分かったときには手遅れのことがある

立ち上げのうちは、あとから出る数字(売上)がまだ小さく、動きも遅い。だから 先に動く数字で毎週の手を決め、あとから出る数字で「先に動く数字の選び方が正しかったか」を確かめる 。

4. 見て気持ちよくなるだけの数字:虚栄の指標

エリック・リース『リーン・スタートアップ』は、増えると嬉しいが、決める役に立たない数字を 虚栄の指標 と呼んだ。

虚栄の指標になりやすい 決める役に立つ
登録した人の累計 今週使った人の数・続けて使っている人の割合
作った記録の総数 お客様が仕事で使った回数
出した機能の数 お客様の何が変わったか(第 5 章のビルドトラップ)
商談の累計 商談から契約になった割合

見分け方は簡単で、 「この数字が下がったら、何を変えるか」に答えられない数字は、虚栄の指標 である。累計は下がらないので、ほとんどが虚栄の指標になる。

5. 節目と撤退基準

第 2 章で、節目(ゲート)で「進む・変える・やめる」を決めるステージゲートを見た。ここでは、その中身の決め方を扱う。

撤退基準は、始める前に、数字と期限で決める

後から決めると、それまでに使った人とお金が惜しくなり、弱い根拠のまま続けてしまう(使ったお金に引きずられることを サンクコスト と呼ぶ)。日本の調査では、新規事業に撤退基準を持っている企業は約 15% にとどまる。

よい撤退基準は、次の 3 つがそろっている。

そろえるもの 例
何で測るか 有償のお客様の数・粗利・使われ方の数字
いつまでに 「始めてから 9 か月で」「次の節目までに」
届かなかったら何をするか やめる・変える(ピボット)・責任者を替える・小さくして続ける

有名な例:サイバーエージェントの CAJJ 制度
サイバーエージェントは、事業を営業利益の大きさで格付けし、撤退のルールを明文化している。たとえば、新しく始めた事業は一定の期間内に決まった粗利に届かなければ撤退を検討する、2 四半期続けて減収減益なら撤退か責任者の交代、といったルールである。ルールがはっきりしているから、事業責任者は思い切って挑戦でき、会社は傷が浅いうちにやめられる。

段階ごとに、測るものを変える
第 2 章の段階によって、節目で見る数字は変わる。

段階 節目で見るもの
課題が本当にあるか(CPF) 聞き取りで、強い困りごとが何人から出たか
解決策が合っているか(PSF) デザインパートナーで、最初の節目に届いたか・払うと言ったか
市場に合っているか(PMF) 「無くなったら困る」40%・継続率・自然な広がり(第 5 章)
広げる LTV ÷ CAC・NRR・粗利率(第 6 章)

早い段階で売上を物差しにすると、まだ売上が立たない段階の事業は全部「やめる」になる。段階に合った数字で見ることが、社内の新規事業を守ることにもなる(第 2 章の両利きの経営)。

6. 速く決める:戻せる決定と戻せない決定

数字があっても、決めるのが遅ければ事業は進まない。Amazon のジェフ・ベゾスは、決定を 2 つに分けた。

戻せない決定(一方通行のドア) 戻せる決定(両開きのドア)
例 会社の方針・大きな契約・データの持ち方・人の採用 画面の文言・料金の試し方・機能の小さな変更
決め方 慎重に、時間をかけて、決める人が決める 速く、少ない情報で、近い人が決める

ベゾスは、 多くの決定は、欲しい情報の 7 割くらいで決めるべきで、9 割を待つと遅すぎる と言っている。組織が大きくなると、戻せる決定まで重い手続きで決めるようになり、遅くなる。

事業責任者の仕事は、 この決定はどちらのドアか を見分け、戻せる決定はチームに任せて速く回し、戻せない決定にだけ時間と人を使うことである。

7. 数字を見て決める場

数字は、見て決める場があって初めて事業を動かす。よくある形は次のとおり。

場 頻度 見るもの 決めること
チームの定例 毎週 先に動く数字・ヘルススコア 今週どの枝に手を打つか
事業の振り返り 毎月 KPI ツリー全体・あとから出る数字 打ち手は効いたか。先に動く数字の選び方は正しいか
節目の判断 四半期・半年 撤退基準・段階の数字 進む・変える・やめる。予算と人

1 枚にまとめる : 毎週・毎月の場で見る数字は、同じ形の 1 枚にまとめておく。毎回違う資料を作っていると、比べられず、作ること自体が仕事になる。


よく使うフレームワーク(この章のまとめ)

  • KPI ツリー : ゴールの数字を分解し、どの枝で詰まっているかを辿る
  • 北極星の指標と入力の数字 : お客様が価値を受け取った回数を 1 つ選び、それを生む数字を動かす
  • 先に動く数字・あとから出る数字 : 毎週は先に動く数字で手を決め、あとから出る数字で確かめる
  • 虚栄の指標 : 「下がったら何を変えるか」に答えられない数字は追わない
  • 撤退基準 : 何で測るか・いつまでに・届かなかったら何をするかを、始める前に
  • 戻せる決定・戻せない決定 : 戻せる決定は 7 割の情報で速く

よくある失敗

  • 数字が多すぎる : 全部を追って、どれも動かない
  • 累計の数字で喜ぶ : 下がらない数字で順調だと思い込む
  • 売上だけで新規事業を見る : まだ売上が立たない段階の事業が、正しい方向でも止められる
  • 撤退基準が無い・後から作る : やめどきを逃し、人とお金を使い続ける
  • 何でも重く決める : 戻せる決定まで会議にかけ、試す回数が減る
  • 数字を集めて終わる : 見て決める場が無く、資料づくりが仕事になる

読むとよい本

本 なぜ
アリステア・クロール、ベンジャミン・ヨスコビッツ『Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法』 段階ごとに「いま見るべき 1 つの数字」を選ぶ考え方。事業の型ごとの数字の目安
エリック・リース『リーン・スタートアップ』 虚栄の指標と、確かめるための数字(第 2 章の続き)
ジョン・ドーア『Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ)』 目標と数字を組み合わせる OKR の定番。チームで同じ数字を追うときに

参考にした資料

なぜやったのか

始めたときの目的は3つありました。

  1. BizDev の考え方・フレームワーク・用語を理解する 。事業を進めるうえで前提になる言葉や型を、ひと通り押さえる
  2. 事業開発のメンバーと共通言語で話せるようにする 。BizDev のメンバーや上司と、同じ言葉・同じ全体像で事業の話ができるようにする
  3. 自分の事業の全体像と、成功確率を上げる進め方をはっきりさせる 。いま事業がどのフェーズにいて、次に何をすべきかが見えるようにする

特に第1章を読み終えたところで気づいたのが、 「自分は自分の事業を一言で説明できない」 ということでした。一言で説明できないのは、事業に対する解像度が低いということです。解像度が低いまま進めると、手探りで回り道をすることになり、手戻りも大きくなります。

フレームワークや言葉の定義で「何を決めないといけないか」「何が足りないか」を整理できれば、全体像が見えて、自分の現在地と次に進む方向が見えてきます。この座学をやる意味はまさにここにあるな、と途中で再確認しました。

やってみた

1. プロンプトの工夫:自分の前提と目的を全部渡す

最初に Claude Code に渡したプロンプトは、ざっくりこんな内容です(実際の依頼を要約しています)。

社会人3年目で、エンジニアから新規事業の事業責任者になった。
事業の進め方を体系的に学んだことがないので、座学をしたい。

- 新規事業の進め方を、章ごとの Markdown ファイルで教科書としてまとめてほしい
- Web検索で世間の定番の考え方を裏取りし、章ごとに「読むとよい本」を付けてほしい
- 各章の最後に「自分の事業に当てはめるとどうなるか」の節を付けてほしい
- 読みながら出てきた感想・質問・壁打ちを残す「感想メモ」のページも作ってほしい

ポイントは、 自分のバックグラウンド(社会人3年目・エンジニア出身)と、何のために学ぶのか を最初に全部渡したことです。これで、専門用語を使うときは簡単な説明を挟んでくれたり、「全部自分で作り込んでしまう」みたいなエンジニアっぽい癖に先回りして突っ込んでくれたりと、自分向けにチューニングされた内容になりました。

また、Claude Code が普段の作業で自分の事業のリポジトリやタスク一覧を読める状態だったので、「自分の事業に当てはめると」の節では、 タスク管理ツールの課題と章の内容を紐づけて 書いてくれました。「この章の話は、このタスクのことです」という対応表が付くので、学んだことがそのまま次のアクションにつながるのが良かったです。

2. 章立て:「何を・誰に → どう稼いで届けるか → どう回し続けるか」で並べる

目次と各章の構成は、前述の「作ったもの」のとおりです。前半(1〜5章)で「何を・誰に届けるか」、中盤(6〜8章)で「どう稼いで・どう届けるか」、後半(9〜11章)で「どう回し続けるか」を扱う流れにしてもらいました。

ファイル構成はこんな感じでシンプルです。

bizdev-textbook/
├── README.md          # 目的・読み方・目次
├── 00-はじめに.md
├── 01-事業とは何か.md
├── ...
├── 11-リスクと信頼.md
├── 付録A-読む本・資料の一覧.md
├── 付録B-用語集.md
└── 感想メモ.md        # 章ごとの感想・質問・壁打ちの記録(個人用)

3. 最初の2章でボリューム感を調整する

いきなり全章を作らせず、まずは第0章と第1章だけ書いてもらって読んでみました。 1章20〜30分で読み切れる量 で、言葉はなるべく平易に、というのがちょうどよかったので、「このボリューム感でお願いします」とフィードバックして、以降の章も同じ構成で書いてもらいました。

最初に全部まとめて作らせると、途中で「重すぎる」「浅すぎる」と気づいても直すのが大変です。 最初の1〜2章で読み手としての手応えを返して、チューニングしてから進める のがおすすめです。

4. 1章ずつ「読む → 感想 → 壁打ち → 反映」を回す

ここがこの座学の核になるところです。1章ごとに、次のサイクルを回しました。

感想は、音声入力でかなりラフに話しています。「ここが刺さった」「自分の事業だとこのケースっぽい」「この前提って本当?」くらいの粒度です。Claude Code はそれを、 感想メモの章ごとの欄 (質問と答え/壁打ち/感想/本文に反映したこと/ネクストアクション)に整理して残してくれます。

感想メモ.md(欄の構成)
## 第 9 章 数字で事業を回す

### 質問と答え
### 壁打ち
### 感想
### 本文に反映したこと
### ネクストアクション(タスク管理ツールに持っていくこと)

感想の中で出てきたネクストアクションは、タスク管理ツールに登録する候補としてリストアップしてくれます。2日間で、タスクの候補が30件近く溜まりました。 座学がそのまま事業のタスク出しになった のは、想定外のうれしい収穫でした。

5. 移動中はスマホで読む

途中、外出先からリモートでセッションに入っていた時間がありました。そのときは「md で手元で読めるように送って」と頼むと、章のファイルをそのまま送ってくれたので、スマホで読んで感想だけ返す、という進め方ができました。学習のテンポを止めずに続けられたのは地味に助かりました。

Claude Code と壁打ちして良かったこと

根拠を持って反論してくれる

一番良かったのは、こちらの意見に 根拠を持って反論してくれる ことでした。

たとえば第6章(お金の構造)で、売上 → 粗利 → 営業利益の流れを学んだあと、「結局、営業利益が一番大事ですね」と感想を返したところ、こんな内容が返ってきました(要約)。

事業の最後のゴールとしてはその通り。ただ、立ち上げのうちは営業利益は固定費の分だけ赤字が当たり前(Jカーブ)。今の段階で見るのは、粗利率と「1社あたりで成り立つか(LTV ÷ CAC)」。今から営業利益を物差しにすると、既存事業と同じ「今期の黒字」で評価されて、新しい挑戦が止まりやすい。

本を一人で読んでいるだけだと、「営業利益が一番大事」と思い込んだまま次の章に進んでいたと思います。その場で 「事業のフェーズによって見る数字が違う」 と指摘してもらえたのは大きかったです。この話は、その後の本文にも反映してもらいました。

ほかにも、「お客様の社内で横に広げるには、推進役の人に『5人で回している案件を3人で回す』みたいな数字のKPIを持ってもらうのがいいのでは」と話したときは、 「人月で売上を立てている会社にとって、人が減ることは売上が減ることでもある。相手にとってうれしい見せ方(同じ人数で受けられる案件が増える、など)で伝えるべき」 と返ってきました。業界の構造を踏まえた指摘で、なるほどなと思いました。

モヤモヤしていた考えに名前が付く

全体を通して一番感じたのは、 「頭の中では考えていたけど、うまく言葉にできていなかったこと」に名前が付く 感覚です。

  • 「早めに小さく試して、ダメなら軌道修正する」 → MVP と ピボット
  • 「最初のお客様と一緒にプロダクトを作り込みたい」 → デザインパートナー
  • 「お客様の社内で推してくれる人がいないと広がらない」 → 推進役(チャンピオン)
  • 「全部の決定を同じ重さで扱うと遅くなる」 → 戻せる決定・戻せない決定

名前が付くと、メンバーと共通言語で話せるようになります。さらに、その言葉にくっついてくる「よくある失敗」や「測り方」まで一緒に手に入るので、 自分の判断がどういう影響を及ぼすか まで見えるようになりました。

学ぶほど教材が育っていく

壁打ちで出た話は、教材の本文にも反映してもらいました。たとえば第10章(組織と人)を読んだあと、「フレームワークをガチガチに運用すると、売り出すのが遅くなる。いい塩梅でやりたい」と話したところ、README の「読み方」に次の一文が足されました。

フレームワークは全部やるものではない。ふだんは「見落としを探すための眼鏡」として使い、きちんと形にするのは3つだけでよい:① 誰が決めるか ② 毎週見る数字を1つ ③ 節目と撤退基準

読み手(自分)のフィードバックで教材のほうがどんどん育っていくのは、AIと一緒に作る教材ならではだと思います。

各章で学んだこと

ここからは、各章のポイントと、読んだときの感想を折りたたみでまとめます。教材の本文そのものではなく、自分が特に大事だと思ったところをピックアップしています。

第0章 はじめに:事業責任者の仕事

要点

  • 事業責任者は、プロダクト・顧客・収益モデル・組織・リスクのどれか一部ではなく、「それら全体が統合されて循環しているか」に責任を持つ立場。
  • 「作る立場(エンジニア等)」と「事業を回す立場」では、成果の定義も時間の使い方も異なる。特に新規事業においては、 最初から正しい答えは存在しない 。仮説を立て、低コスト・短期間で検証し、仮説が外れたら迅速に修正するのが本質的な役割。
  • AI時代における落とし穴: 「作れてしまうから、すべて作ってしまう」 。拡大したのは「作業を実行できる量」であり、人間の思考時間や集中力が増えたわけではない。ボトルネックは「作業量」から「判断の精度、顧客・関係者との対話時間」へとシフトしている。

感想

エンジニア出身なので、「失敗の扱い」と「分からないことへの向き合い方」が刺さりました。そして「全部抱えてしまう」は完全に自分のことでした。AIで開発が速くなった分、自分でやったほうが早い場面が増えていて、だからこそ判断に時間を使えているかを見直す必要があると感じました。

第1章 事業とは何か

要点

  • 事業の本質は「価値・顧客・収益構造のサイクル」。 ビジネスモデル・キャンバス (9つの要素)を用いて1枚の図に可視化することで、整合性の欠如や考慮漏れを発見できる。
  • 収益モデルには、単発販売・人月精算・サブスクリプション・従量課金・成果報酬などがある。 フロー型 (単発の売上)と ストック型 (契約継続により積み上がる売上)では、事業の性質が根本的に異なる。
  • B2Bビジネスでは、 利用する人・選定する人・予算を持つ人・決裁する人 がそれぞれ異なる。各関係者で関心事が異なるため、提案内容やコミュニケーションを個別最適化する必要がある。

感想

事業を一言で言えなかったことに、ここで気づきました。キャンバス自体は、意外にも頭の中で近いものをイメージできていました。ただ、 言葉にして定義すること がすごく大事だと感じました。B2Bの「4人の相手」は、この先ずっと使う視点だと思います。

第2章 新規事業の進め方の全体像

要点

  • 新規事業は CPF(課題の存在検証)→ PSF(解決策の適合検証)→ PMF(市場への適合検証)→ スケール(拡大期) というフェーズ順に進行する。
  • リーンスタートアップの原則:構築 → 測定 → 学習 のサイクルを高速で回す。 MVP (実証に必要な最小限のプロダクト)と ピボット (方向転換)の活用。
  • フェーズの節目で「継続・ピボット・撤退」を判断する ステージゲート思考 。 撤退基準は事業開始前に定義する (進行後に設定しようとすると、サンクコストにとらわれて撤退判断ができなくなる)。
  • 社内新規事業は、既存事業とリソース(人・予算・評価基準)の奪い合いになりやすい。これらを両立させるアプローチが 両利きの経営 (深化と探索のバランス)。

感想

新規事業は 「分からないことを減らしていく旅」 という捉え方が一番しっくりきました。既存事業は何年も同じやり方で回っていて慣れているけど、新規事業は分からないことだらけ。だからこそ、1つずつ早く安く確かめていくのが楽しみになりました。

第3章 顧客と課題を知る

要点

  • The Mom Test(マム・テスト) :顧客は配慮や建前で事実と異なる回答をすることがある。意見や未来の予測ではなく、 過去の具体的な行動事実 をヒアリングする。自分のアイデアを売り込んではいけない。
  • ジョブ理論 :顧客はプロダクトそのものを購入するのではなく、達成したい用事(ジョブ)を片付けるためにプロダクトを「雇用」する。ジョブには機能的・感情的・社会的な3つの側面が存在する。
  • ICP(理想の顧客像) と ペルソナ :ターゲットとする企業の条件と、その企業内の担当者像を具体化する。

感想

マム・テストは、すぐに使えそうです。特に、相手がこちらのプロダクトを知っている場合は、プロダクトを意識させない聞き方にしないと本音が出ない、という点に気づけました。ジョブ理論も初めて知りましたが、これまで機能的なジョブにばかり目が行っていたので、感情的・社会的なジョブにどう応えるかを考えたいと思いました。

第4章 市場と競合を知る

要点

  • TAM・SAM・SOM :市場全体・アプローチ可能な市場・実際に獲得可能な市場。TAMの規模感だけで判断せず、SOMに対して現実的に手が届くかどうかが極めて重要。
  • 競合は直接的なライバル企業だけにとどまらない。同じジョブを解決する手段すべてが 代替品 となり、最大の競合は「現状維持(何もしないこと)」であるケースが多い。
  • 優れた戦略の3要素 (現状の診断・基本方針・一貫したアクション)。戦略の本質とは、やらないことを決めること。
  • 持続的な競合優位性( モート / 堀 )のパターン:スイッチングコスト、規模の経済、ネットワークエフェクトなど。

感想

TAM・SAM・SOMは聞いたことはあったけど、理解できていませんでした。フレームワークとして優秀で、まずは自分の事業のSOMをちゃんと決めたいと思いました。直接の競合より、大手の「代わりのもの」のほうが怖い、というのも改めて意識できました。

第5章 価値の約束と製品

要点

  • バリュープロポジション・キャンバス :顧客のジョブ・ペイン・ゲインと、自社プロダクトの提供価値を噛み合わせる。すべての要素を網羅しようとしないことが重要。
  • ポジショニング・ステートメント :「誰の・どのような課題を・競合と何が異なるアプローチで解決するか」を一言で定義する。
  • MVP は単に「機能を削った版」ではなく、 検証したい仮説を確かめるために必要な、最も低コストな手段 を指す。B2Bにおいては、人力の運用で価値を提供する「コンシェルジュ型MVP」が有効。
  • ビルドトラップ :機能を開発・リリースすること自体が目的化し、顧客のアウトカム(成果)を見失ってしまう状態。
  • PMFの測定指標:「このプロダクトが使えなくなったら困る」と回答したユーザーが40%以上(ショーン・エリスのPMFテスト)。

感想

MVPの認識が一番改まった章です。「機能の数が最小限」だと思っていましたが、「仮説のために最低限必要なもの」でした。だとすると、MVPの前に 仮説を洗い出して並べる ことが先に要ります。ビルドトラップは、別のプロジェクトで実際に陥った経験があるので、めちゃくちゃ共感しました。

第6章 お金の構造

要点

  • 売上 − 原価 = 粗利、粗利 − 販管費 = 営業利益。費用は変動費と固定費に分類して管理する。
  • SaaSにおける重要指標: MRR / ARR (月間/年間経常収益)、 Churn Rate (解約率)、 NRR (売上維持率)、 CAC (顧客獲得単価)、 LTV (顧客生涯価値)。
  • ユニットエコノミクス :顧客1社あたりの採算性。LTV ÷ CAC が3倍以上であることが健全性の目安。1社あたり赤字の構造のままスケールさせると、顧客が増えるほど赤字が拡大する。
  • 価格設定は提供価値ベース(Value-Based Pricing)で行うのが最も強い。原価は「下限ライン」、競合価格は「相場の参考」として活用する。

感想

計算式を自分で追えるようになったのが大きかったです。NRRやLTVは聞いたことはあったけど、ちゃんと向き合ったことがありませんでした。数字遊びと言えばそれまでですが、式に当てはめると、 どこに力を入れるべきか・どこが課題か が見えます。「営業利益が一番大事」と言って反論されたのも、この章です(前述)。

第7章 売り方

要点

  • THE MODEL :マーケティング → インサイドセールス → フィールドセールス → カスタマーサクセスへ分業化し、各プロセスの転換率を数値化して管理する。ただし、立ち上げ初期は分業せず「創業メンバーが直接売る」のが定石。
  • セールスモデルの分類:ハイタッチ(営業対応)・プロダクト主導(PLG)・パートナーチャネル。顧客1社あたりの年間契約金額(ACV)に応じて最適なモデルを選択する。
  • MEDDIC :Metrics(評価指標)・Economic Buyer(決裁権者)・Decision Criteria(選定基準)・Decision Process(決裁プロセス)・Identify Pain(課題の特定)・Champion(推進役)の6視点で商談の成約可能性を検証する。
  • デザインパートナー (3〜5社程度で期間を限定し、最終的に「有料で継続するか」を確認する)、 ランド&エクスパンド (小さく導入して広げる)、 キャズム理論 。

感想

MEDDICがとても分かりやすかったです。特に「お金を出す人に会えていない商談は、『やめる』と言える人にしか会っていない商談」という一文が刺さりました。お客様の中で広げるには、数字(KPI)を背負うキーパーソンが要る、という自分の考えとも直結しました。

第8章 導入と定着

要点

  • SaaSビジネスは 契約後が本番 。顧客が継続利用し、対価を支払いつづけて初めて、顧客獲得にかかったコスト(CAC)を回収できる。
  • Time to Value(初回価値提供までの時間) :最初のマイルストーンは「初期設定の完了」ではなく、「顧客の業務で実際の成果が出た瞬間」に設定する。
  • サクセスプラン :成功の定義(決裁者が約束した定量成果)・現状の数値・推進役・マイルストーンを、導入前に顧客と合意・策定する。
  • ヘルススコア (導入状況・利用頻度・業務への定着度・成果創出)の運用と、組織の変革プロセスを表す ADKARモデル 。

感想

カスタマーサクセスの考え方がすごく勉強になりました。普通の商売で言えば、野菜を売って終わりではなく、本当においしかったか、買い続けてもらえるかが大事、という感じです。また、推進役は お客様の社内の人 でないと務まらず、外から入る人はそれを支える側、という整理も腹落ちしました。

第9章 数字で事業を回す

要点

  • KPI ツリー :ゴールとなる指標を木の構造に分解する。上部は事業成果(遅行指標)、下部はチームが日々にコントロールできる指標(先行指標)。
  • 北極星の指標 :顧客が価値を実感した瞬間をトラッキングする、中心となる単一指標。
  • 虚栄の指標 :数値が増加しても意思決定に寄与しない指標。「数値が低下した際にアクションを変更できない指標」は追わない(累計数値の多くが該当)。
  • 撤退基準は「評価指標・期限・未達時のアクション」の3要素を事前に定義する。
  • 戻せる決定・戻せない決定 :戻せる決定は情報の7割が揃った段階でスピーディーに判断する。

感想

この章はめちゃくちゃ参考になりました。事業を数字でどう見るかは、完全に初心者だったので。KPIツリーの「上は結果、下は毎週動かせる数字」は分かりやすかったです。SNSでよく見る「登録者数〇万人突破」のような数字に惑わされないようにしよう、とも思いました。戻せる決定・戻せない決定は、以前社内で聞いたことがある話で、ここで再会して「おっ」となりました。

第10章 組織と人

要点

  • DACIモデル :意思決定ごとに、Driver(推進者)・Approver(決定者)・Contributor(貢献者)・Informed(共有先)を明確化する。 決定者(Approver)は必ず1人に絞る (「全員で協議して決める」は実質的に「誰も決定しない」状態を生む)。
  • 権限委譲の7段階 :伝える → 説得する → 相談する → 合意する → 助言する → 事後報告 → 委任する。領域ごとに現在の委譲レベルを可視化する。
  • 小規模チームでは、タスクの切り分けではなく「担当する意思決定領域」で役割を分担する。
  • 属人化 の本質は「個人の頭の中にのみ存在する判断理由とコンテキスト」。後からまとめてドキュメント化するのではなく、意思決定の瞬間に記録に残す。
  • 社内新規事業特有の課題: 兼務体制 (コミットラインを事前に定義する)と、 既存事業と同じ評価尺度で減点評価されるリスク 。

感想

「誰が決めるか」が曖昧になっている自覚があったので、DACIはすぐ使いたいと思いました。一方で、少人数でスピード感を持って進めたいので、フレームワークをガチガチに運用すると遅くなる。いい塩梅を取ることも大事だと感じました(前述の README の一文につながりました)。

第11章 リスクと信頼

要点

  • プレモーテム(事前検証) :「1年後にこの事業が失敗した」と仮定し、その原因を事前に洗い出すワークショップ手法。
  • 洗い出したリスクは リスク台帳 (発生確率・影響度・対応策・担当者・兆候)として管理し、定期的に見直す。対応策の分類:「回避・軽減・転嫁・受容」。
  • B2Bビジネスでは、現場ユーザーが評価しても 情報システム部門や法務・セキュリティの審査 を通過しなければ導入できない。特に「データ管理方針・アクセス権限・契約終了後のデータ取り扱い」が重視される。生成AIサービスでは「学習データへの利用有無」も厳しく問われる。
  • 国内においては、経済産業省・総務省の AI事業者ガイドライン が、AIサービス評価における標準的な基準となる。
  • 他社プラットフォームに依存するサービスは、基盤側の規約変更等で事業基盤が揺らぐリスク(プラットフォームリスク)を常にはらむ。

感想

プレモーテム自体はやったことがあったのですが、 やって終わりにせず、リスク台帳にして管理する ところまでがセットだと分かりました。情報システム部門向けの資料(権限・データの持ち方・解約したあとの一覧)は、売る前にそろえる営業の道具だ、という捉え方も新鮮でした。

注意点・Tips

  • AIが書いた入門書は「原典への入口」として使う 。要約は分かりやすい反面、本の文脈や細かいニュアンスは落ちます。各章の「読むとよい本」から気になったものは、原典を読むのがおすすめです。付録で「最初の5冊」を選んでもらったので、まずはそこから読もうと思っています
  • 参考資料のリンクを必ず付けてもらう 。Web検索で裏取りした資料を、章ごとに「参考にした資料」として残してもらいました。気になった主張は、自分で一次情報まで遡って確かめられます
  • 自分の前提と目的を最初に渡す 。「社会人3年目・エンジニア出身」「誰と共通言語で話したいか」を最初に渡したことで、言葉の選び方や例の出し方がかなり変わりました
  • 最初の1〜2章でボリューム感を調整する 。早めに読み手としての手応えを返すと、残りの章の質が安定します
  • 感想はラフでいい 。音声入力で話した雑多な感想でも、AIが欄ごとに整理してくれます。きれいに書こうとすると続かないので、構えすぎないのが続けるコツです

おわりに

今回は、Claude Code に自分専用の BizDev 入門書を書いてもらい、章ごとに読んで、感想を書いて、壁打ちする座学を2日間やってみました。

やったことを振り返ると、こんな感じです。

  • 全12章+付録2つの入門書を、Web検索での裏取りと読むべき本の一覧つきで作ってもらった
  • 1章ずつ「読む → 感想 → 壁打ち → 反映」を回して、感想メモと本文を育てた
  • 座学の途中で出たネクストアクションが、そのまま事業のタスク候補になった

一番の収穫は、 事業の進め方や全体像が、自分の中でかなりクリアになった ことです。頭の中で「こうすべきだろう」と思っていたことが言語化されて、それがどういう影響を及ぼすのかまで見えるようになりました。優先順位や、何から始めるかもはっきりしました。そして何より、BizDev のメンバーや上司と同じ言葉で会話できるようになったのが大きいです。

もう1つ感じたのは、AIがあると、戦略の整理や資料・数字のたたき台は本当に速く作れるということです。そうなると、勝負になるのは 人間の判断と実行力 です。お客様に会って一次情報を取ること、戻せない決定を決めること、人との信頼関係を作ること。ここはAIに任せられないので、これから注力していきたいと思っています。

逆に言えば、資料がすぐ作れる分、「資料を作ったこと自体で前に進んだ気になってしまう」のには気をつけたいところです。進み具合は「作った資料の数」ではなく、「お客様と話した数」「決めた数」「お客様の何が変わったか」で見る。これも、この座学で学んだ「虚栄の指標」の話そのものでした。

エンジニアから事業開発に足を踏み入れる方や、BizDev の言葉に置いていかれている感覚がある方の、最初の一歩の参考になれば嬉しいです。

以上、どなたかの参考になれば幸いです。

参考

入門書の中で「最初の5冊」として挙げてもらった本です。

  • 田所雅之『起業の科学 スタートアップサイエンス』
  • エリック・リース『リーン・スタートアップ』
  • ロブ・フィッツパトリック『The Mom Test』
  • 福田康隆『THE MODEL』
  • アンドリュー・S・グローブ『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』

各章で参考にした資料の一部です。

https://amplitude.com/books/north-star/amplitudes-north-star-metric-and-inputs

https://meddic.academy/definition-meddic/

https://www.atlassian.com/blog/project-management/daci-method-for-better-project-decisions

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/pdf/20260331_2.pdf


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