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【書評】「管理ゼロで成果はあがる」を読みました

2019.02.06

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サーバーレス開発部の阿部です。

今回はマネージャらしく(?)組織についての本を読んだので紹介したいと思います。私がサーバーレス開発部として目指したい形に近く、自分にとって良いテキストになりそうな本でした。

管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう

Kindleで買ったので、アイキャッチの書影に色味がなくてすみません。

どんな本?

エンジニアにとって自由で、先進的な働き方が可能な会社として知られているSonicGardenの現在の制度、取り組みについて書かれた本です。マイクロマネジメントを無くし、メンバーが自律して動ける組織にしていくことを目標としています。

自由な会社でいるための前提

自由な会社、制度を維持するためには、それを各方面納得させるだけの責任がセットです。クライアントと合意をした成果を出し、説明を果たす、これができている限りにおいて自由に制限がない、というのがSonicGardenの制度だと思いますし、弊社もそうであると思っています。それを支えるセルフマネジメントです。自分の仕事を自分でハンドリングできなれけば、まずそれができるようになるべき、ということですね。

本書では、セルフマネジメントのLvについて触れています。以下、抜粋します。

仕事 組織 自分
Lv1 タスクを管理する 周囲に伝える 休息をとる
Lv2 リソースを管理する 周囲と協調する 安定して働く
Lv3 価値を生み出す 周囲を活かす 将来を考える

本書のいいところは、このLv1になるまでの基本であるタスク管理について、具体的な方法に触れているところです。このやり方を参考にして訓練できるようになっています。

セルフマネジメントが必要な理由

マネージャが全てを判断しなければならない組織は、マネージャの限界がすなわちチームの限界となります。マネージャが完璧超人であればともかく、人ですから、得手不得手はありますしどんなに気をつけていても目を配れていないところが出てきます。リモートワークで働いているなら、さらにそのネガティブな面は強調されます。

それに、今直接クライアントやその先の顧客に向き合って仕事をしているメンバー以上に仕事のことを知っている人はいないはずです。必要な判断はマネージャの判断を待たずに、メンバーが下せるようにすることが合理的です。本書を読んでいて、この信頼をするためにセルフマネジメントが必要なのだと思いました。正直これができれば、チームがリモートであろうがオンサイトであろうが関係ないとも感じます。

その判断基準となるビジョンなり、制度なり、信頼なりを育てていくのが今の私の仕事だと定義しています。

ちなみに、個人的には各メンバーがビジョンに基づいて判断を下せる状態を「ビジョンによる統制」という言葉で表現するのが一番しっくりきているのですが、あまり本書と関係ないですね。

SonicGardenじゃなくてもできること、やりたいこと

まとめます。

倉貫さんも本書で触れている通り、ここに書かれていることはSonicGardenでも一朝一夕で成り立ったものではありません。また、全ての組織に同じように当てはまるようなものでもないでしょう。読む人の現状のロールによって取り組めることも異なると思います。例えば私であれば、現状では業績評価の制度を変えるロールにはいませんので、そこはすぐには同じことができない、ということになります。

ですが、本書には単なる制度の形ではなく、背景にある哲学とセルフマネジメントの定義が書かれています。SonicGardenのケーススタディはありがたく参考にしていきつつ、この考え方をベースに自分たちがどうチームを形作っていくかをトライしていくことができます。

私もサーバーレス開発部が同じように魅力的なチームになっていくように、本書を参考にしながらトライしていきたいと思いました。

読書会が開催されます

岡山での話になりますが、本書の読書会がアクティブ・ブック・ダイアローグという方式で開催されます。著者の倉貫さんもお越しになるので、興味のある方は参加をご検討ください。

『管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』ABD読書会 in 岡山

なお、出版社のご協力もあって、この形式での開催を支援してくれるようなので、これから全国で本書の読書会が開催されるかもしれません。岡山遠いよ、という方はそちらを待つか、自身で開催されてみるのも良いのではないでしょうか?