【レポート】生成系AIの創造性を整理し、よりよい共創ついて考える #CEDEC2023 #classmethod_game

【レポート】生成系AIの創造性を整理し、よりよい共創ついて考える #CEDEC2023 #classmethod_game

CEDEC2023の『オルタナティブな生成AIと創る未来 — AIと人の共創による創造性の拡張』を聴講して、よりよいAIとの共創について考える機会になりました。
Clock Icon2023.08.29

データアナリティクス事業本部 機械学習チームの鈴木です。

CEDEC2023に参加してきました。 聴講したセッション『オルタナティブな生成AIと創る未来 — AIと人の共創による創造性の拡張』についてレポートします。

生成系AIを使った創作活動の例をご紹介頂きました。AIとの共創について深く考えさせられるセッションでした。

セッション概要

現在の生成AIブームの影で、アーティストやクリエイターの仕事や文化そのものに対する影響が懸念されている。DALL-Eなどのモデルに代表される、人の創作物を総体として模倣して生成するようなあり方が、生成AIの望ましいかたちなのだろうか。2000年前後からAIの創作活動への応用を模索してきた講師が、AIが切り開く新しい可能性を紹介するとともに、社会にとって、われわれの文化にとって真に価値のある生成AIのオルタナティブなあり方や、AIとともに創作する未来における心構えを提言する。

※ 『オルタナティブな生成AIと創る未来 — AIと人の共創による創造性の拡張』セッションページより引用

AIを使った創作活動の歴史や、より高性能な用途が可能になった直近のユースケースについて振り返りつつ、どのような創造性においてAIが利用可能で、どう共創することができるのかという例をご紹介頂きました。

ポイントと感じた点

生成AIを使うことによる自分の作業への理解の深化

AIに自分の作業を模倣させることで、自分の創作活動とはなんなのか考えた方の例として、Harold Cohenさんの取り組みをご紹介頂きました。

Harold Cohen氏

自身のやっていることを大規模言語モデルにやってもらったり、ChatGPTのようなサービスであれば質問をすることで、自分を客観視する機会になり、本質や課題に気づくことがあります、このような使い方は、例えばSNS上の書き込みで見かけており、関心を持っていました。

DevelopersIOでも以下のブログでChatGPTにペルソナ作成を手伝ってもらい、その中で漏れていた観点を発見できたということが書かれていたりもします。

そのほかにも、ObviousAnna Ridlerなど、GANなど機械学習の技術を部品として自身のアートに取り入れる取り組みをされている例について言及がありました。

AIが得意な分野と人間が得意な分野

創造性の定義として、以下の3つをご紹介頂きました。

  • 組み合わせの創造性: なにかとなにかを組み合わせてなにかを作る創造性
  • 探索的創造性: 新しいものが生成されるアルゴリズム自体を作成する創造性
  • 変革的創造性: いままでの枠の外に行く創造性

創造性の種類

現状のAIは、組み合わせの創造性に関する効率化はとても得意なものの、例えば変革的創造性を発揮するタスクはまだまだ人間が取り組むべきものになります。

また、生成AIは既に人が作ってきたものを組み合わせて出力するため、それを使って新しいものを作ることができるかどうかは人間の腕の見せ所になりそうです。

生成AIによる表現

このように、枠内の探索に対して、高速道路や新幹線というべき強力な変換方法を制作者に与えてくれることが、現段階での生成系AIの強みであり、それをうまく活用していきたいと思いました。

まとめ

近年のAIを使った創作活動の例

ここ数年でますますAIが進歩していますが、直近で行われているいくつかのユースケースについてもご紹介頂きました。

まずは発表者である徳井直生さんが取り組まれている『AI DJ Project』についてです。AIに次の曲を選んでもらうということや、音楽自体を生成してもらってそれを人間がミックスするというようなパフォーマンスまでもされているそうです。

次にかける曲をAIに選んでもらうと想像もしていなかった鳥肌の立つすごい組み合わせが選ばれることがあるというお話があり、組み合わせの創造性という観点をよく表した例だと思いました。

また、Neutone AI audio plugin & communityを使い、AIを使って鳥の鳴き声に変換した自分の声を音楽に入れるというようなユースケースも紹介頂きました。

機械学習モデルを通すことで音を全く違う楽器や生き物のものに変換して使うということは、これまでの変換機の枠を拡張できる、AIならではの活躍の仕方と思いました。機械学習の特性上、出力の細かな指定はできないかもしれませんが、創作活動の中で手軽に様々な音に変換したいという際にすぐに組み合わせを試すことができるのは強力で、これまでになかった作曲活動を後押ししてくれるかもしれません。

最後に

特に最近の生成系AIの進歩は目覚ましいものがありますが、歴史や創造性の定義を踏まえて整理して、どのように共創ができるか考えることができたとても素晴らしいセッションでした。

Stable Diffusionのような画像の生成・変換は話題ですが、紹介して頂いたような音の変換についても、ぜひ自分でも試してみたいなと思いました。

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