[レポート]”ゲーム制作の趣味化”により業界課題へ挑む – ゲームメーカーズが生まれた理由 #CEDEC2023 #classmethod_game
こんにちは、ゲームソリューション部の新屋です。
本記事では、CEDEC2023 3日目のセッション 「"ゲーム制作の趣味化"により業界課題へ挑む - ゲームメーカーズが生まれた理由」 を私見を交えながらまとめてみようと思います。
セッション概要
ヒストリアはゲーム開発とノンゲームコンテンツ開発を行っていますが、2つの業界はそれぞれ人材に関する業界課題を抱えています。
ゲーム業界は志望する人が多いにもかかわらず、求められるスキルが高いことや育成コストなどの理由により人材が足りていません。ノンゲーム業界においても需要が増え続けているにもかかわらず、認知度が低いため志望者が少ない現状です。
こうした中において、弊社が行っているコンテストイベント『UE4ぷちコン/UE5ぷちコン』などのコミュニティ活動を通じて、ゲーム業界外にも趣味としてゲーム制作を行う方が数多く存在することに気付きました。趣味をきっかけに、ゲームエンジンに触れる人口を増加させることが業界課題の解決に繋がると仮定し、"ゲームづくりを楽しむ"ためのWEBメディア『ゲームメーカーズ』を立ち上げました。
ゲームメーカーズは、ゲーム開発者に向けた最新情報を提供するポータル的な側面を持ちながら、WEBサイト自体のターゲットは高校生以上としています。ゲーム制作を「それ自体が楽しいもの」として再定義し、サイトのデザインや用語集などのコンテンツ、インタビューの切り口を独自に設計しています。
本セッションでは各業界の人材不足の構造分析、ノンゲーム領域におけるゲームテクノロジーの広がりと弊社が考える今後の展望、そしてゲームメーカーズによる業界課題への具体的なアプローチを語ります。
ヒストリアさんが運営する ゲームメーカーズ その「立ち上げ・社会的背景」「ブランディング」「公開までの道のり・運営裏側」をのエピソードを聞くことが出来ました。
私はゲーム開発初心者なので、「立ち上げ・社会的背景」のパートに共感できるところが多く拙いながら自分にもゲーム制作ができるかも、と思える内容でした。
ゲームメーカーズの立ち上げ・社会的背景
ゲーム業界の人材不足
- ゲームクリエイターになりたい人は多いはずなのに人材不足が解消されないのはなぜか?
- まず、ゲーム制作は難しい
- 専門性が高く多くの人が現場のボーダーを超えない
- 教育コストが高い
- 業界全体で1年間に育てられる新人の人数に限界がある
- 未経験者の業界入りのルートが細い
- 「興味ある」からプロへのルートが遠い → ゲーム制作者の谷
- 専門学校ですらプロレベルまで教育するのはなかなか難しい
- 講師不足
ゲームテクノロジーと非ゲーム領域の融合
- ゲームエンジン(UE)で自動運転シミュレーション・機械学習の教師データ・カーコンフィギュレータなど制作できる
- 制作案件は右肩上がり・その業界はバラバラ 今アツい分野
- なのに、ノンゲーム領域ゲームテクノロジー活用の認知度はまだ低い
ゲーム制作者がヒーローになれる場がほしい
- ゲーム制作って楽しいし、ゲーム制作者(プロ)ってカッコいい
- 昨今ゲーム制作を趣味でやる人(学生・社会人)が増えてきている
- マイクラやUE(Unreal Editor for Fortnite含む)・Unityなどのゲームエンジンの普及
- ゲーム制作ってプラモとか日曜大工と同じように趣味として成り立つのではないだろうか?
- もっと多くの人にゲーム制作に触れてほしい
- ゲームは完成しなくてもいい
- 制作過程を楽しむ→仲間(コミュニティ)からインスピレーションを受けてまた制作に取り組む
- ゲーム制作者が中心となり、業界が盛り上がる
スピーカー(ヒストリア代表取締役 佐々木さま) 「ベーマガ みたいな感じ」
ブランディング
「ブランディング」パートでは、 ゲームメーカーズのターゲットをより明確にしていく過程をお話されていました。
驚いたのは、非ゲーム領域のIT従事者が趣味でゲームをつくっている割合(=アマチュア)が多いということです。私もカテゴリ分けするならそこになるので、割合が多くてちょっと安心しました。
それと、コロンちゃん・キーボー・ムラスケのキャラクター紹介もありました。可愛い。
公開までの道のり・運営裏側
「公開までの道のり・運営裏側」パートでは、ゲームメーカーズの構想から要件・仕様に落とし込む過程、広げた風呂敷を畳むお話をされていました。
当初、お金をあまりかけるつもり無い想定だったものが、ちゃんとWEBメディアを運営するならしっかりお金(ヒト含め)をかけないとダメだと代表を説得した話や、コンセプトを言語化することはチームにまとまり持たせ長期的にメリットがあること等
開発現場で、あるあるな事にも関わらず軽視されがちな問題を、堅実に対処していったようでした。
感想
個人的に「ゲームは完成しなくてもいい」というワードが特に刺さりました。
私はゲームで素晴らしい体験を数多くさせてもらっているので、ゲーム制作は自分みたいな素人が中途半端にやれることじゃないと考えていたのですが、本セッションで考えが変わりました。
ゲームメーカーズ では、技術以外にもゲーム制作に関する様々なTIPSが得られます。
これらを活用して自分もゲーム制作を取り組んでみようと思います!