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ChatGPTにペルソナを作ってもらったら完成度が高かった

ChatGPTの能力を何らかのデザイン業務に活かせないかと思い、試しに過去に行ったインタビューの内容を要約してペルソナを作ってもらったところ、完成度が高くて驚きました。
2023.03.22

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ChatGPTに共有するインタビュー内容について

インタビューは1年前、社内のPM、PdM、エンジニアの方など計10名程にお話を伺いました。インタビューの経緯や詳細を知りたい方はこちらのブログをご覧ください。
インタビューのテーマはクラメソのデザイナー像(現状や理想)についてです。事前に質問を準備しましたが、半構造化インタビューの形式を取っていたことやインタビュアーと書記はチームの各メンバーがランダムに行っていたことがあり、人によって質問や解答の項目が異なります。ChatGPTが認識しやすくなるように項目を揃えることも考えましたが、あえて多少バラつきのある項目でも対応できるのか興味があったので、項目も文体もそのままで共有します。ただし具体的な案件名やメンバーの氏名、クラスメソッドという弊社名に至る固有名詞まで全てイニシャルに置き換えておきます。
また、今回はニールセン博士の理論に基づき、5人分のインタビュー内容をChatGPTへ共有することにします。

ペルソナ作成手順

まずはインタビュー内容を覚えてもらうことから始めました。今回はGPT-4で作成します。

gpt01 そして1人目のペルソナの内容を共有しました。(画像は一部ですが、全体的に質問への回答が長いです。質問内容から飛躍した証言もメモされています。)

GPT02

それからChat GPTの要約が始まります。

gpt03 要約完了を待ちましょう。私は当初1人目の情報からペルソナを作り始めたのかと思いましたが、このように要約して記憶しているようです。
その後4人分のインタビュー内容も覚えてもらいます。
そして最後に、インタビューを元にした理想のデザイナー像ペルソナを作ってもらいました。

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理想のデザイナー像についての項目が端的にまとまっています。
またより実在の人物のように明確化したかったので「リョウのプロフィールを作成してほしい」とお願いして、ペルソナ「リョウ」のプロフィールを作ってもらいました。

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趣味の項目はデザイナーらしさがあり感心しました。スキルの項目はペルソナ作成の情報が元のようですが、趣味の項目はインタビューで入れていないのでGPT-4が学習済みの情報から推測したものでしょう。

GPT-3.5とGPT-4で比較してみた。

ペルソナを比較

個人的にGPT-3.5とGPT-4の違いが気になったので、GPT-3.5にもGPT-4と同じ質問をしてみました。GPT-3.5が作成したペルソナは以下のものです。
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一見悪くなさそうな気もしますが、項目に重複する点がありやや冗長な印象です。GPT-4のまとめの方がわかりやすいですね。

追加質問で比較

さらにGPT-3.5とGPT-4に「作ったペルソナがよく利用するのはどんなお店?」という質問をしていたので比較してみます。 GPT-3.5はこちらです。 08

次はGPT-4です。 07

GPT-4はより説得力が増すような理由を付けてくれています。先に作ったリョウのデザイナー像ペルソナやプロフィールの趣味を踏まえた回答なので、矛盾のない一貫性を感じます。リョウがとても意識高いデザイナーである印象を強く受けて、理想像と程遠い私はダメージを負いました…w

失敗したパターン

何をして欲しいのか明確にするべきだった

実は私、とあるミスをしておりました。ChatGPTに対して「今まで共有したインタビューを元にペルソナを作って」というかなりざっくりとした指示をしたのです。GPT-3.5の場合、最初は以下のようなペルソナが出来ました。
persona10 本来の私が求めていた結果を反映してくれるであろう指示は「今まで共有したインタビューの解答内容を反映したペルソナを作って」が適切かと思います。このミスに気づいたのはGPT-3.5のペルソナ作成結果のおかげでした。

あとGPT-3.5が作成したペルソナは恐らくインタビュイー(インタビューされる人)を想定しているペルソナですが、そのペルソナを作るにはインタビュイー本人を深堀するような情報が足りないため、信憑性に欠けます。対してGPT-4はミスした指示だけですぐ先述のペルソナを出してくれました(文面から察してくれたんでしょうね、本当にすごい)

順を追ってお願いすべきだった

「5人の順番にインタビュー結果を覚えてからペルソナを作って欲しい」
というように、要望が混在している状態だとうまくいきませんでした。この場合「ペルソナを作って欲しい」が優先されてしまい、架空のペルソナを作られてしまいました。期待する回答を得るためにはChatGPTに適したプロンプトで指示する必要があるようです(プロンプトについては今回の趣旨から外れるのと他の方が上手に解説してくれるので割愛します)

さいごに

ChatGPTへ要約をお願いするためのインタビュー素材は私たち人間が準備する必要がありますが、整理することやまとめることには長けていることを実感しました。デザイン業務でうまく活用する日も近いかもしれませんね。
また、失敗したことによってプロンプトの重要性を知ることができました。反対に適切に質問すれば期待以上の答えを返してくれます。
個人的には言語化への苦手意識を感じることがよくあるので、ChatGPTに協力してもらいながら説得力のある言語化に努めていきたいです。