デザイン課題を見つけたい!ので社内インタビューを実施してみた

今後のデザインチームを良くしていくための施策として簡易的な社内インタビューを行いました。課題を見つけるために第三者の視点を取り入れていきます。
2022.09.22

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こんにちは。デザイナーのスギヤマです。

現在社内ではデザイナーチームをよりよい形にしていくための動きを出来ることから始めています。

その施策の一貫として、3週間くらいの期間で社内インタビューを行いました。

既存サービスのユーザーインタビューや、コンテンツ制作のためのインタビューというよりは、普段我々と一緒に仕事をしているスタッフが何を考え、どういったことをデザイナーに求めているのかを明文化しよう、というのが目的です。そのためコンパクトを目指して行いました。どんな形で行ったのか、備忘録としてここに書き留めます。

なぜやるのか

現在、クラスメソッドCX事業本部(主にプロダクト開発を行う部署)のデザイナーは一人でチームに配属されることがほとんどです。プロジェクトの立ち上げからクロージングまで、たった一人。二人以上アサインされることはまれ。そうなると自分がどういった仕事ができているのかを判断するのは、自己分析以外に、他者への聞き取り調査が現実的です。今回は、現場における他業種目線から見たときの課題を探っていきます。

やったこと

  1. インタビュアー、インタビュイーの選定
    1. 参加者であるデザイナーが普段仕事をしているスタッフを選ぶ
    2. その中から2名〜3名を目安に、可能な限り業種がかぶらないように選ぶ
    3. 進行役1名、書記1名のペアをつくる。
    4. 進行役がスタッフとスケジューリングをする。
  2. 期間を決めてインタビュー実施
    1. 進行役が事前に用意したインタビューシートに従ってインタビューを実施
    2. 書記が書き留めた会話内容を付箋に書き出し
  3. 参加者同士でふりかえり
    1. 会話内容を1文ずつ付箋に記載
    2. 内容をカテゴリごとに分ける
    3. 内容の優先順位を決める
    4. 解決できるタスクを出す
    5. タスクの優先順位を決める
  4. タスクを実行に移す(←doing)

①インタビュアー、インタビュイーの選定

1-1. 参加者であるデザイナーが普段仕事をしているスタッフを選ぶ

クラスメソッドの開発形態はおもに受託になります。そのため、デザイナーは案件ごとにさまざまなチームに割り振られます。

1-2. その中から2名〜3名を目安に、可能な限り業種がかぶらないように選ぶ

デザイナーは過去にチームを組んだことがあるプロダクトマネージャー(以下PdM/PM)、エンジニアを選出します。

1-3. 進行役1名、書記1名のペアをつくる。

質問をし、聞き手となる進行役と、それを記述することに専念する書記の2名のペアをつくりました。

1-4. 進行役がスタッフとスケジューリングをする。

メンバー編成が決まり次第、進行役がインタビュイーへスケジュールを打診、調整します。決定したところからNotionに記載、シェアしていきます。忌憚のない意見を頂くため、インタビュイーは互いに秘匿する形としました。

②期間を決めてインタビュー実施

2-1. 進行役が事前に用意したインタビューシートに従ってインタビューを実施

事前に基準となる質問をブレストにて出し合いました。

出た質問を事実、目的、感性の3つを柱にざっくりと分類。

適宜状況によって質問を増やすことも可能としました。

またただ単に質問をしていくのではなく、言い換えやマイルドな表現、その時の流れによって順番を入れ替える、ことを積極的に行っていく旨、確認しました。

2-2. 書記が書き留めた会話内容を付箋に書き出し

事前にデザイナーどうしでプレインタビューを行い、質問の展開、かかる時間、問題点などを確認しました。この事前準備は大変役立ちました。

その後はスケジュールに従ってインタビューを敢行。シートに内容をまとめていきました。

また必ず事前に伝えることとして下記を制定しました。

必ず伝えること

    • 最初に感謝を述べます。
    • 「回答は悩んでもかまいません」
    • 「わからなかったら無理に答えなくてもOKです」
    • 「本音を知りたいです」

できあがったインタビューシートの目次

③参加者同士でふりかえり

3-1. 会話内容を1文ずつ付箋に記載

会話を1文ずつ抽出していきます。

内部情報が含まれるためぼかしを入れています

3-2. 内容をカテゴリごとに分ける

違う質問でも、インタビュイーの方が大切に思っている事は何度も繰り返し出ることがあります。

また近い内容、遠い内容などについても区分し、カテゴリごとに分けていきました。

その中で最も頻出したトピックはカテゴリの付箋を赤くしています。

会話の中で出てきたジャストアイデアは緑の付箋に書き込んでいます。

3-3. 内容の優先順位を決める

3-2で出たトピックを集約し、何が課題かを明らかにしていきます。

1シートを1インタビューとしてまとめました

各シートからそれぞれのカテゴリを抽出しまとめていきます

赤い付箋=優先順位が高いものとし、以下のような課題があると共通認識を持ちました。

赤(赤星)=各インタビューで最も強調された話題。桃色(黄星)=それ以外としてポイントを付けました。

現在のデザイナーチームの課題

  • デザイナーとしての付加価値
  • デザイナーの強みを知りたい
  • お客様とのコミュニケーション
  • デザイナーともっと話したい
  • スキルがバラバラ
  • チームワークを大切に
  • デザイナーが足りない
  • デザインに責任を持つ
  • UXから介入したい
  • 社会人スキル

上に行くほど言及が多かった項目となります。

3-4. 解決できるタスクを出す

言及が多かった項目に留意し、課題解決案をブレストで出していきます。

項目はカテゴリごとに分けて行きます。下記では「基礎的なデザイン技術」「基礎的な実装理解」「提案力」「発想力」としました。

4つの項目に対してアイデアを出し、より現実的なものをオレンジの付箋に

3-5. タスクの優先順位を決める

その中から現実性のある、実行に移せそうなもの、課題解決に繋がりそうなものを抽出します。

④タスクを実行に移す(←doing)

現在やっていること

「デザイナーの付加価値」という課題に関しては、実際のプリセールスの案件について、チームメンバー以外のデザイナーも参加し、アイデア出しと資料作成を行う勉強会を開催しました。また現在はUIの基本を見直す会を毎週実施、ブログ記事にまとめています。

週に1度デザイナー全員で集まり、UIの共通認識を改める勉強会を開催しています。ユーザーストーリーマッピング制作などのワークショップも。

 

「デザイナーの強みを知りたい」という課題に関しては、社内のNotionに各々がポートフォリオを制作すること、また日報の積極的な共有や、1on1、過去の案件を特集したデザイナー新聞をslackで展開し、他業種の方への周知を行うなど、多数の施策を現在進行系で行っています。

デザイナーが何をやっているかをもっと知ってもらおう、をコンセプトに、デザイナー新聞として過去の事例をわかりやすくまとめています。

その他の課題に関しても、鋭意取組中です。

さいごに

準備からまとめまで予想以上に時間が掛かってしまったのですが、とても意義深いものになったと思います。

漠然と感じていた課題感を明文化できたのは大いに意義がありましたし、優先順位をつけること、具体的な課題を選定することで、課題解決のための行動がしやすくなりました。

また単純にチームの全員が進行と書記を経験することで、インタビュー自体の訓練になったことも大きかったです。

(個人的な経験として、上記の勉強会のすぐあとに実案件の要件定義でインタビューが必要となり、大変役立ちました)

課題はずっと同じにとどまることはなく、状況によって変化していきます。

常に向上していくためにも、また折に触れてこのような施策をやってみたいです。

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