
【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ 】メールを毎回ゼロから書くのをやめた話 ― 自分の「文章の型」をClaudeに覚えさせる
はじめに
こんにちは。クラスメソッド アカウント営業部の増本です。
業務の中で「メール作成」に結構時間を使いませんか?
既存のお客様、新規のお客様、イベントなどで会話した方、様々な方へメールを送る機会があると思います。
1通1通は短くても、毎回ゼロから考えていると、それなりに時間がかかってしまいます。
「じゃあClaudeに書いてもらえばいいじゃん」と思って頼んでみると、たしかに文章は上手い。
上手いんですが「何だか自分っぽくない」と感じた方はいませんか?
箇条書きが多い。
冒頭に統計データが来る。
丁寧すぎる。
なんかメルマガみたい。
自分が普段送っているメールとは別人が書いたような感じがして、毎回指示して修正していました。
でも正直、自分で書いたほうが早いな、という状態でした。
これを解決するために自分のメールの「型」をClaudeに覚えさせることにしました。
それ以降ぐっと楽になったので、その手順を共有します。
(あくまで補助ツールとして活用してください)
Claudeに文章の好みを覚えさせる方法
まずはじめに、Claudeに「自分の好み」を覚えてもらう方法は、実は1つではありません。
| 方法 | どんなもの? |
|---|---|
| メモリー機能 | 過去の会話からClaudeが自動で好みを拾って覚える |
| Claudeへの指示 | 常に守ってほしい固定ルールを自分で書いておく |
| スキル | 特定の業務のやり方をまとめたマニュアル |
メモリーは便利なんですが、自動で拾う=ふんわり覚えるので、「太字は使わない」みたいな細かい好みが毎回100%守られるわけではありません。
今回やりたいのは「営業メールという特定の作業を、自分のやり方でガッチリ再現する」こと。それなら一番向いているのはスキルでした。なので今回はスキルを作ります。
最初にやったこと:テストメールを作ってもらって、修正を繰り返す
まず、前提として今回やったことは「地道に学習させる」ことでした。
最初は「指示を細かくすればいいのでは?」と思ったのですが、自分の文章のクセを言語化が難しく...
パターンを学習させることにしました。
一撃で完成する魔法のプロンプト!のようなものではないので、その点はご容赦ください。
ここから実際にやったことを書いていきます。
まず、テストメールを作ってもらいながら修正するのをひたすら繰り返しました。
例えば、イベントをきっかけにAI関連のサービス紹介のメールを作成するとします。
(完成文が長かったので一部省略します)
件名:【ご提案】生成AI活用支援のご案内/クラスメソッド株式会社
〇〇様
先日は「〇〇イベント」にてお時間をいただき、誠にありがとうございました。
クラスメソッド株式会社の増本でございます。
ご多忙の折に大変恐縮ではございますが、
当日お話しした内容を踏まえ、改めてご連絡させていただきました。
■ 生成AI活用、御社では進んでいますか?
近年、ChatGPTやClaudeをはじめとする生成AIの急速な普及により、
多くの企業がAI活用を経営課題として位置づけています。
ある調査によると、企業の約7割が生成AIの業務活用を検討しているとされており、
先行企業との差は日々広がっています。
一方で、以下のようなお悩みをお持ちの企業様も多くいらっしゃいます。
✓ どのAIツールを選べばいいかわからない
✓ PoCは実施したが、本番導入まで進んでいない
✓ 社内にAI活用を推進できる人材がいない
✓ セキュリティやガバナンス面が不安で踏み出せない
弊社では、生成AIの導入から定着まで、以下のサービスでワンストップに支援いたします。
〜中略〜
■ 選ばれる理由
クラスメソッドは5,000社以上の支援実績を持ち、
技術ブログ「DevelopersIO」では毎日最新のAI情報を発信しています。
PoCで終わらせず、業務定着まで一貫して伴走することを強みとしています。
■ まずはお気軽にご相談ください
お客様の現状とご要望をしっかりとヒアリングした上で、
最適なご提案をさせていただきます。
30分程度のオンライン相談会も随時受け付けておりますので、
ぜひこの機会にお声がけください。
ご都合のよい日程をご教示いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
文章としては悪くないかもしれません。ただ個人的には好きではありません。
このままお客様へ送れるかと言われると微妙な感じです。
何か長いな...
ここから修正の指示出すか...
「太字は使わないで」→ 直る。
「冒頭に統計を入れないで」→ 直る。
「もっと短く」「謝罪を重ねすぎないで」などなど
自分の考え方や要望を伝えていくと、かなり自分のイメージに近い文章が出てくるようになりました。
しかし、ここで問題が発生します。
問題:新しいチャットで頼むと全部忘れられる
そこで翌日、また別のメールを依頼するために新しいチャットを開くと、Claudeは前回の修正内容を何も覚えていません。
また「〇〇しないで」から始まります。
これはClaudeの仕組みによるものなので仕方ないんですが...
とはいえ、毎回同じことを説明し直すのはさすがに非効率です。
「昨日あれだけ教えたのにな...」
ここでふと思いました。
あのテストメールの修正で積み上げたやり取り
——「これはやってほしくない」「こう書いてほしい」「この表現は避けて」——
これを「自分のメールの書き方マニュアル」にしたら良い感じに作ってくれるのでは?
本来であれば毎回口頭で説明する内容をテキストに書き出して、Claudeに毎回渡せばいい。
そこで「スキル」を作成することにしました。
スキルって何?:マニュアルをファイルに書いておく仕組みです
Claudeは放っておくと一般論で無難なメールを書きます。
でも「自分ならこう書く」というマニュアルをファイルに書いて渡しておけば、新しいチャットを開くたびに説明し直さなくても、毎回そのやり方で書いてくれるようになります。
今回はCoworkのskills機能を使います。
修正のやり取りをしたチャット上で「このやり取りをスキルにして」と一言頼むだけで、Claudeがskillsファイルを作って保存してくれます。
作ってはくれるのですが、スキルの中身についても少し触れたいと思います。
構造はシンプルで、上下2つのブロックに分かれているだけです。
上のブロック(フロントマター)=「いつ開くマニュアルか」
下のブロック(本文)=「どう書くか」
順番に説明します。
上のブロック:「いつ開くか」
大事なのが「いつこのマニュアルを使うか」を書いたdescriptionという部分でした。
ここはClaudeが「あ、今このマニュアルを開くべきだな」と判断する唯一の手がかりです。
本文がどれだけ良くても、ここが曖昧だとマニュアルが開かれません。
ポイントは2つです。
ひとつは、自分が実際に言いそうなセリフをそのまま並べること。
「メールを作って」「件名を考えて」「この文章どう思う?」のように、普段口にする言葉を入れておくと、その言葉が出たときにマニュアルが開きます。
もうひとつは、「必ず使用すること」と念を押すこと。Claudeは使うべき場面でもマニュアルを開かないことがあります。
少し押しつけがましいくらいでちょうどいいです。
実際には、以下のように記述しています。
増本さん(クラスメソッド株式会社 AWS営業)の文章スタイルで営業メールを作成するスキル。
件名・本文の作成、既存メールのレビュー・改善に使用する。
「メールを作って」「件名を考えて」「この文章どう思う?」「〇〇向けのメールを作成したい」
などのフレーズで必ず使用すること。
下のブロック:テスト中に言ったことをそのまま書き出す
下のブロックには、実際の書き方を書きます。
テスト→修正のやり取りを振り返ると、「これはやめて」「こうして」の繰り返しでした。
そのため、それをそのまま「好むスタイル」「避けるスタイル」として書き出しました。
### 避けるスタイル
- 統計データを冒頭のフックとして使う(メルマガ的になる)
- 過剰な箇条書きと見出し
- 過度に丁寧・フォーマルすぎる文体
- 「その場で全部解決できます」的な表現
→ 「営業打ち合わせ→エンジニア同席で再打ち合わせ→案件対応」の流れのため
最後の「その場で解決できます」を避けるルールについては、理由もセットで書いています。
理由まで入れることでClaudeが応用を効かせてくれます。
最後に自分用のチェックリストも加えました。
1. メルマガっぽくなっていないか(太字・見出し・箇条書きの多用)
2. 「その場で解決できる」的な表現が入っていないか
3. 件名はスタンダードか
4. 相手に合ったスタイルか
5. 謝罪・卑下が過剰になっていないか
スキル完成後
その後も色々と学習させた結果、こうなりました。
件名:先日はありがとうございました|Claude導入のご相談/増本(クラスメソッド)
先日はイベントでお話しいただき、ありがとうございました。
クラスメソッドの増本です。
生成AIに興味はあるけど何から始めればいいかわからない、
とおっしゃっていたのが印象に残り、ご連絡しました。
弊社は今年3月にAnthropicとパートナー契約を締結し、
Claudeの導入・活用支援を本格的に始めています。
「何の業務に使えるかわからない」という段階からのご相談も多くいただいています。
貴社のご状況を一度詳しくお伺いしたく、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。
下記よりご都合の良い日時をお選びください。
個人的にはスッキリしていて好みです。
ここから内容を追加するにしても
ある程度「自分らしい文章」を作ってくれるようになり、大幅な修正をすることが減りました。
今では補助ツールとしてかなり重宝しています。
まとめ
スキルの中身は「テストと修正のやり取りで出てきた言葉を書き留めたもの」です。
最初から完璧なマニュアルを書こうとしなくていい。試しながら作っていけばいい。
ポイントを3つ挙げるなら、
①まずテストメールで修正のやり取りをして「自分の型」を探す
②「いつ使うかdescription」に言いそうなセリフ+「必ず使用すること」を書く
③本文は「やってほしくないこと」と「具体例」を盛り込むと効果的
とはいえ、やはり重要なものに関しては自分で考えるのが良いと思います。
そこにAIを使うのは逆に非効率なパターンが多かったように感じます。
スキルを作るのにプログラミングの知識はいりません。
テキストでマニュアルを書くだけです。
それだけで優秀な補助ツールが手に入ります。
メールに限らず、提案書のトーンや議事録の書き方など
「いつも同じやり方で進めている作業」があれば、同じ要領でスキルに落とし込めます。
まずはよく書くメール1種類から試してみてください。








