
【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ】スライド作成、Claude Design と Claude Cowork どちらが良いものができて、どちらが安いのか?
はじめに
こんにちは。岡本です。
前回は「プロンプトの雑さ」でClaudeの挙動がどう変わるかを検証しました。今回はその続編です。
私は現在、スライドはすべてClaude Design経由で作っています。Designに出力してもらって、それを自分で編集して仕上げる、という流れです。だからこそ気になっていたことがあります。Claudeのチャットに「スライド作って」と言っても、同じようにPPTXを作ってくれるんですよね。毎日Designを使っている身として、Claude Cowork版に頼んだらどっちが良いものができるのか?そしてどっちが安いのか? それが知りたくなった、というのが今回の検証です。
例によって、15分でできる範囲の「超簡単な検証」を行います。
検証の条件
比較を公平にするため、条件をそろえました。
- プロンプトは一字一句同じものを両方に投げる
- モデルはどちらもSonnet 5、エフォート(思考力)は「高」
- 1回目の出力をそのまま評価(作り直しはしない)
- どちらもPPTXで書き出すところまでやる
投げたプロンプトはこれです。前回の検証の知見(条件は渡すが、構成やデザインは指定しない方がAIの提案力が見える)を踏まえた、中間くらいの粒度にしました。
社内の営業メンバー向けに、値上げの説明スライドを5枚で作ってください。
- 用途:営業がお客様へ値上げをご説明する前の、社内共有用
- 内容:10月1日から主要製品を5%値上げする
- 理由:原材料費と物流費の高騰
- 入れてほしい要素:値上げの概要/背景/お客様への伝え方のポイント
- トーン:社内向けなので率直に、ただし前向きに
あえて指定していないのは、スライド構成の順番、デザイン・配色、経過措置などの配慮事項、想定Q&Aの有無。ここは「AIが自分で考えて足してくるか」を見るポイントにしています。
結果1:挙動が想定と逆だった
やってみて最初に驚いたのがここです。
チャット版Claude:逆質問なし。ポン出しで5枚完成。

Claude Design:生成前に選択式のヒアリングが1回入った。


Designのヒアリングはかなり具体的でした。「主要製品」は具体名を出すかぼかすか、価格例(現行→改定後)を入れるか、伝え方で一番重視したいポイントはどれか(複数選択)、お客様への正式通知はいつ・どの方法か、想定Q&Aを入れるか、トーンの振れ幅はどうするか。選択肢には「Decide for me(お任せ)」もあり、全部お任せもできる設計です。
前回の検証では、雑なプロンプトに対してCowork側が選択式の質問をしてきました。今回は条件をある程度渡したからか、Coworkは質問なし。逆に専用ツールのDesignが、スライド作りのプロっぽい観点で聞いてきました。「デザイナーに依頼すると最初に要件ヒアリングされる」感じに近いです。
結果2:できあがったスライド
Claude Cowork版
ネイビー×テラコッタの配色に、「5%」「10/1」の大型数字コールアウト、番号付きカードと、見た目はこちらの方が明らかに華やか。そして頼んでいないものをいろいろ足してきました。全ページの「社外配布不可」フッター、「詳細は営業企画へ相談」の案内、「想定Q&Aは別途配布予定です」の一文。ヒアリングなしの部分を、想像力で埋めてきてくれました。
Claude Design版
グレー基調・余白多めのミニマルなデザイン。派手さはないですが、ヒアリングで答えた内容——「8月中に書面通知、9月に個別訪問」のスケジュール、選択した重視ポイント3つ——が全部正確に反映されていました。Claude Designの機能としてスピーカーノートが入っています。
結果3:採点表
自分の目での評価に加えて、別のAIモデルにも同じ材料で独立採点してもらい、突き合わせました(◎○△の3段階)。
| 観点 | Design | チャット版 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 構成の妥当性 | ◎ | ○ | Designは概要→背景→伝え方→行動依頼の流れが実務的 |
| デザイン・見栄え | ○ | ◎ | チャット版の数字コールアウトとカードは目を引く |
| 日本語の自然さ | ○ | ○ | どちらも社内資料として違和感なし |
| AI発の提案力 | ○ | ◎ | チャット版は機密表示・相談先・Q&A案内まで自前で補完 |
| 指示への忠実性 | ◎ | ○ | Designはヒアリング回答を正確に反映。チャット版は未確認の情報も足してくる |
| 手間と費用 | 質問1回・$0.41 | ポン出し・$0.68 | 意外にも逆質問を入れてきたDesignの方が安かった |
ちなみに前回の主役だった「経過措置」相当の配慮は、今回は両方が入れてくれました。Designは「新規受注および契約更新分から適用」という適用範囲として、チャット版は「既存契約の扱いは契約条件により異なるため営業企画へ相談」という補足として。聞かれていない既存客への配慮が、形を変えてどちらにも現れたのは面白いところです。
まとめ
一旦の検証結果としては、同じプロンプト・同じモデル・同じエフォートでも、入り口の挙動(聞いてくるか、ポン出しか)と出力の性格(忠実か、盛ってくるか)がはっきり分かれました。費用は、ヒアリングまでしてくれたDesignの方が安いのも驚きでした。※ただし例によって1回ずつの試行なので、偶然の可能性は十分あります。
私はこう思いました。
- 内容を自分で握りたいスライド(社外向け、正確さ重視)→ Design。ヒアリングに1〜2分答える手間はかかりますが、その分「勝手な創作」が入りにくい印象です
- たたき台がとにかく早く欲しいスライド(社内共有、まず形にしたい)→ チャット版Claude。盛ってくる部分は削ればいいだけで、見栄えの初速はこちら
デザイナーへの依頼と同僚への依頼の違いに近いのかもしれません。要件を聞いてから作る人と、意図を汲んで一気に作ってくれる人。どちらが良いかは、渡したい仕事によって変わる、そんなイメージで纏まりました。
おわりに
今回も検証はClaudeとの壁打ちで進めました。
Claude Designは日々アップデートされていてデザイン・操作性がとてもよくなっています。個人的にはとてもお奨めです。
また機会があれば、Claude Designの機能等にも触れたいと思います。
それでは、また!






