[アップデート] AWS Compute OptimizerでEC2とAutoScalingのメトリクス分析のルックバック期間を最大3ヶ月まで延長可能になりました

AWS Compute Optimizerで、EC2とAutoScalingの長期的な利用パターンに伴う推奨事項を提供できるようになったよ!
2021.12.03

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こんにちは!コンサル部のinomaso(@inomasosan)です。

re:Invent 2021にて発表された、AWS Compute OptimizerでEC2とAutoScalingに拡張インフラストラクチャメトリクスが追加されたので、紹介していきます。

概要

AWS Compute Optimizerはデフォルトで過去14日間のCloudWatchメトリクスを分析し、コスト削減やパフォーマンス向上について推奨事項を提供することができます。

今回のアップデートで追加された拡張インフラストラクチャメトリクスを有効化することにより、AWS Compute OptimizerはEC2とAutoScalingのCloudWatchメトリクス履歴を最大3ヶ月保存して分析できるようになりました。

拡張インフラストラクチャメトリクスは、以下のレベルで有効化できます。

  • リソースレベル
  • AWSアカウントレベル
  • Organizationレベル

そのため有効化する対象は柔軟に選択することが可能です。

尚、異なるレベルで同時に設定した場合は、以下の優先度順で上書きされます。

  • リソースレベル > AWSアカウントレベル > Organizationレベル

何が嬉しいの?

月ごと・四半期毎の利用パターンに基づく推奨事項を提示可能となります。
システム毎に繁忙期等のパターンが異なるため、長期的な分析が必要なリソースの最適化に役立てることができます。

全リージョンで使用可能?

中国リージョンを除くAWS Compute Optimizerが利用可能なすべてのリージョンで利用できます。

料金

デフォルトで過去14日間のルックバック期間は無料ですが、3ヶ月に延長した場合は追加料金が発生します。

  • リソース毎に1時間あたり$0.0003360215

1ヶ月あたり$0.25の料金がリソース単位で発生する計算となります。

やってみた

AWSマネージメントコンソールのAWS Compute Optimizerサービスにて設定変更していきます。 今回はリソースレベルAWSアカウントレベルで、拡張インフラストラクチャメトリクスを検証してみました。

リソースレベル

EC2単体

特定のEC2に対して、拡張インフラストラクチャメトリクスを有効化してみます。

画面左のペインにあるAWS リソースタイプあたりのレコメンデーションEC2 インスタンスを選択します。 EC2 インスタンスのレコメンデーションで対象のインスタンスIDにチェックし、詳細を表示をクリックします。

推奨事項の設定編集をクリックします。

拡張インフラストラクチャメトリクスにチェックを入れ、保存をクリックします。

設定変更したばかりだとアクティブになるまで、数時間程度かかる場合があります。

EC2 + AutoScaling

AutoScalingによってEC2が起動されている構成で、拡張インフラストラクチャメトリクスを有効化してみます。

この場合、EC2はAutoScalingの一部となるため、EC2から拡張インフラストラクチャメトリクスを有効化することはできません。

画面左のペインにあるAWS リソースタイプあたりのレコメンデーションAuto Scaling グループを選択します。 Auto Scaling グループのレコメンデーションで対象のAuto Scaling グループ名にチェックし、詳細を表示をクリックします。

推奨事項の設定編集をクリックします。

拡張インフラストラクチャメトリクスにチェックを入れ、保存をクリックします。

AutoScalingも設定変更したばかりだとアクティブになるまで、数時間程度かかる場合があります。

この際AutoScalingで起動したEC2も、同時に拡張インフラストラクチャメトリクスが有効化されます。

AWSアカウントレベル

AWSアカウントの特定リージョン内にある全てのEC2とAutoScalingへ、拡張インフラストラクチャメトリクスを有効化してみます。

画面左のペインにあるアカウントを選択します。 拡張インフラストラクチャメトリクス編集をクリックします。

設定の追加をクリックし、各項目を以下のように設定し保存をクリックします。

  • リソースタイプ : EC2インスタンス(スタンドアロンおよびASGインスタンスを含む)
  • リージョン:EC2が稼働しているリージョンを選択

先ほど追加した設定でステータスアクティブになっていることを確認できました。

まとめ

これまでAWS Compute Optimizerは過去14日間のみのCloudWatchメトリクス分析による推奨事項の提示でした。今回のアップデートによりEC2とAutoScalingは長期的な利用パターンにも対応したので、システムの利用パターンに応じて期間を延長するか決めて頂くのが良いかと思います。

この記事が、どなたかのお役に立てば幸いです。それでは!