「クラメソCX合宿2022 秋」やってみた!ちょうなん編

「クラメソCX合宿2022 秋」やってみた!ちょうなん編

クラスメソッド CX事業本部で、メンバー100人参加の合宿をオンサイト&オンラインで実施しました。なぜ合宿をやることになったのか?どのような合宿だったのか?合宿の体験設計ではどのような工夫をしたのか?合宿の中でどのようなことが起きていたのか?などをご紹介させていただきます。
Clock Icon2022.12.13

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クラスメソッド CX事業本部で、組織開発(OD)をしているちょうなんです。 2022年11月某日、クラスメソッド CX事業本部のメンバー100人で、合宿をオンサイト&オンラインで実施しました。

この記事では、なぜ合宿をやることになったのか?どのような合宿だったのか?合宿の体験設計ではどのような工夫をしたのか?合宿の中でどのようなことが起きていたのか?参加者からはどのような声が出ていたか?などをご紹介させていただきます。

ブログの組み立てとして、メインファシリを務めたガオリュウさんとちょうなん、それぞれの視点で記事を書いています。こちらはちょうなん編です。 ブログは3部構成です。1本目は合宿の概要を、2本目はガオリュウさんが合宿を経て考えたことをテーマに対談、3本目にちょうなんが合宿を経て考えたことをテーマに対談、という構成で考えています。週1本程度公開予定です。

ガオリュウ編はこちら:「クラメソCX合宿2022 秋」やってみた!ガオリュウ編

会場の様子

会場の様子:オンサイト会場とオンライン(Gather)会場

なぜ合宿をやることになったのか?(背景)

「CX事業本部ではこれまで、みんな基本プロジェクトに入り込んで仕事をしており、真面目に組織(CX事業本部)について語り合うことができていなかった。そのためか近年、組織課題を会社任せにするような面を感じている。会社としてのスピード感も落ちていることを感じている。組織として成長していくには、個人レベルで行動し、意識を変えていく必要があると考えている。基本自分発信で動いていくのが、クラスメソッド。」(事業本部長 大橋さんより) 補足:コロナ禍でみんなフルリモートで働く中、CX事業本部のメンバーは増え続けており、顔と名前が一致しないメンバーが増えていた。CX事業本部のメンバー全員で集まり話し合う場も、今回はじめてつくられた。

この言葉は合宿を部門メンバーに案内する際に、大橋さんがみんなに伝えていたものです。11月に全社イベントで、日比谷の新オフィスに多くの社員が集まることがわかっていたので、そのタイミングに合わせて前日に合宿をしたいと大橋さんから、ガオリュウさん&ちょうなんにお声がけいただきました。

当初、大橋さんからは「未来会議」がやりたいとオーダーを受けていました。「未来会議」は、社員全員で組織問題を語り合い見える化することにより、「問題は解決できる」「組織は変えられる」という意識を持ち、組織の変革を進める取り組み。「未来会議」にファシリテーター参加していたガオリュウさんの見立てにより、「未来会議」のような場を設けるにはまず参加者全員の対話への慣れが必要とのことで、「未来会議」に向けた事前準備として対話に慣れてもらう場を設けることとしました。合わせて、組織に対する当事者意識の欠如という問題が見えていたため、対話のテーマとして「組織と自分の関係性」を扱い、多くのCX事業本部メンバーと語り合うことで、組織をより身近に感じて当事者意識を引き出すための場としました。

参考:ガオリュウさんがファシリテーターとして参加していた未来会議

どのような合宿だったのか?(概要)

CX合宿の概要は以下になります。

  • 参加人数:約100名(オンサイト参加80名、オンライン参加20名)
  • 時間:4時間半
  • 会場:オンサイトが東京の研修会場、オンラインはGoogle MeetとGather
  • メインファシリ 2名、事務局 1名、グループファシリ 12名、当日お手伝い たくさん
  • プロジェクト管理:Notion、Slack(#tmp-cx合宿-202211-準備用公開チャンネル)
  • Webツール:Slack(#misc-cx合宿-202211-当日用公開チャンネル)、Google Meet、Gather、Miro、Google Drive(Spread Sheets, Google Slides)
  • オンサイト会場ツール:模造紙、付箋紙、サインペン、カラーペン、つながるミチ(対話のグラウンドルール紙)、つながりシロ(リフレクション用の紙)
  • 準備期間:一ヶ月半
  • プログラム:イントロダクション、みんなでチェックイン(ラジオ体操、呼吸の瞑想、チェックイン&マインドフルリスニング)、つながるワーク(自分と、身近な人と、CX事業本部と)、つながりのシェア(みんなのつながりをシェアしよう)、ワールドカフェ テーマその1、休憩(長め)、ワールドカフェ テーマその2、みんなでチェックアウト

合宿の体験設計ではどのような工夫をしたのか?その場でどのようなことが起きていたか?

特にちょうなんが体験設計を担当したパートを中心に紹介していきます。(これ以外のパートはガオリュウさんの記事を)

みんなでチェックイン:Step1 ラジオ体操

  • 狙い:参加者全員で一緒に身体をうごかして一体感を感じる。身体と一緒に、心と頭をほぐす。
  • その場で起きていたこと:YouTubeの音声が、会場スピーカーから出力されない問題が発生。少し開始に時間がかかる。ラジオ体操が始まると、一気に場が動き出す。みんな熱心にラジオ体操に取り組む様子が伺える。たのしんでくれている様子も見て取れた。

みんなでチェックイン:Step2 呼吸の瞑想

スライド:みんなでチェックイン・呼吸の瞑想

スライド:呼吸の瞑想

  • 狙い:マインドフルリスニング(後述)に入る前に、呼吸の瞑想で意識すること・意識が対象から逸れたら戻すことを学ぶ
  • その場で起きていたこと:ラジオ体操から一転、呼吸の瞑想で静かな空気がつくられる。静かな空気の中で、呼吸の瞑想に取り組んでもらう。

みんなでチェックイン:Step3 チェックイン&マインドフルリスニング

スライド:みんなでチェックイン・マインドフルリスニング

スライド:マインドフルリスニング

  • 狙い
    • チェックイン:問いかけに答える、感じていることを言葉にする。メインワークの体験の中で意識してもらいたいことに触れてもらう。
    • マインドフルリスニング:聴くことのスキルビルディングとして、マインドフルネスを応用したマインドフルリスニングで集中傾聴を体験してもらう(内的傾聴と集中傾聴の違いを意識してもらう)
    • ※『マインドフルリスニング』は、Google生まれの能力開発プログラム『Search Inside Yourself』で扱われているアクティビティ
  • その場で起きていたこと
    • オンライン側で、Gatherのテーブル移動に少し戸惑いが生じる。その間、オンサイト側にも待ちの時間が生じる。みんな前のめりで、聴くことに集中している様子が見て取れる。

つながるワーク(自分と、身近な人と、CX事業本部と)

スライド:個人ワーク

スライド:個人ワーク

  • 狙い
    • ワールドカフェのテーマにつながる問いに意識を向けてもらう。問により内省を促す。アウトプットして、内省を記録してもらう。
    • 自分とつながる:まず自分自身としっかり向き合ってもらう
    • 組織とつながる:自分を捉えた上で、組織とのつながりを意識してもらう
    • 自由に動いてOK:身体を動かしながら、思考の制限を外して考えてもらう
  • その場で起きていたこと
    • オンサイト側は、黙々とつながりシロに書き込みをする人、手を動かさずに考える人、話し合う人などに分かれていた。自由に動いてOKとは伝えていたが、みんなあまり動かず。

つながりのシェア(みんなのつながりをシェアしよう)

スライド:グループセッション

スライド:グループセッション

スライド:リフレクションタイム

スライド:リフレクションタイム

  • 狙い
    • グループセッション:参加者同士でつながりをつくる、関係性から学び合う下ごしらえ。同じ問いでも、一人ひとり考えていることが異なることに触れる。テーマについて様々な視点で考える機会を通じて、テーマをより身近に感じてもらう。
    • リフレクションタイム:グループセッションを通じて、どのような気づきがあったか?を味わう時間をつくる。自分で学びをつくりだす時間。
    • つながりシロ:自分の思考過程を記していく、自分にはどのようなつながりシロがあるのか?を常に問いかける
  • その場で起きていたこと
    • オンサイト側は、前のめりで聴き合う姿勢が見て取れる。会場全体の盛り上がりが感じられる瞬間。

つながりシロの更新(ワールドカフェのリフレクション)

スライド:つながりシロの更新(ワールドカフェのリフレクション)

スライド:つながりシロの更新(ワールドカフェのリフレクション)

  • 狙い
    • リフレクションタイム:ワールドカフェを通じて、どのような気づきがあったか?を味わう時間をつくる。自分で学びをつくりだす時間。
    • つながりシロ:自分の思考過程を記していく、自分にはどのようなつながりシロがあるのか?を常に問いかける
  • その場で起きていたこと
    • オンサイト会場では、静かな時間で筆を走らせる音が聞こえてくる。多少この間も、話を続けているテーブルがあった。

みんなでチェックアウト

スライド:チェックアウト

  • 狙い:一人ひとりの学び気づきを言葉にする機会をつくる、それをシェアすることにより日常に帰っていく
  • その場で起きていたこと:それぞれのテーブルで盛り上がりが感じられる。

紙ツール:つながりシロ

スライド:つながりシロ

名前の由来:自分とのつながりシロ、他者とのつながりシロ、組織とのつながりシロ、白紙の余白。つながりの可能性を感じてもらう意図を込めて。

参加者からはどのような声が出ていたか?

CX合宿後の参加者向けアンケートには、以下のような意見が書かれていました。 ※声はNPSスコアでグループ分けしています。(推奨者=9-10点、中立者=7-8点、批判者=0-6点)

推奨者の声

感じたことや出会いに関する声が多い。

「様々なメンバーと出会い、メンバーの多様性に触れられた」「他者の視点を通じて、視野を広げられた」「共感を通じて、一体感を感じられた」「相互理解を進められた」「部内でコミュニケーションがとりやすくなった」といった声が出ていた。

中立者の声

出会いとコミュニケーションや、不を感じたポイントに関する声が多い。

「メンバーの多様性に触れられた」「自組織について考えることができた」「自他の課題を共有することができた」「テーマに納得感がない」「リアルとオンラインで交流することができなかった」「意外とハードでかなり疲れた」といった声が出ていた。

批判者の声

出会いとコミュニケーション、費用対効果、よくわからない部分に関する声が出ていた。

「メンバーの多様性に触れることができた」「時間拘束が長く感じた」「よくわからないところに、戸惑った」「価値が感じられない」「今後にどう生かされるのか?」といった声が出ていた。

これらを通して合宿体験設計のふりかえり

良かった点

  • ラジオ体操と席替えは、身体と一緒に場に動きが出て、身体と一緒に心もほぐれているように見えた。
  • 呼吸の瞑想→マインドフルリスニングと、聴くことのスキルビルディングを進めたことで、以降も聴き合う姿勢が見て取れた。
  • リフレクションタイムを繰り返す中で、つながりシロに沢山の内省が書き込まれていることが見て取れた。
  • チェックアウトは、余り時間を多めに割り当てることで、一番盛り上がりのある時間となっていた。リフレクションタイム直後ということもあり、気づき学びのシェアが進んでいたのではないか。

課題と改善ポイント

  • 数名、日本語が母国語ではないメンバーがいて、日本語中心の進行に戸惑ったという声をあとで聴く。スライドやツールを英語対応するなど、対象メンバーへの配慮が必要か。
  • オンラインの席替えや、テーマ対話など、ワークに戸惑いを覚えるケースが目についた。ワーク説明をよりわかりやすくすることも必要だが、グループワークをサポートするメンバーも必要か。
  • 目的とゴールの抽象度が高かったため、合宿により何が得られたか?があいまいな状態でクロージングを迎えてしまった。終盤に学び気づきを増幅させるための意図開きや、今後につながる話にもう少し時間を割けるとよかったか。
  • 長時間の対話で、かなり疲労感を感じていた参加者がいた。休憩時間は沢山あったが、どうすれば疲労感を軽減できるか。

これからやること

スライド:CX合宿 これからやること

スライド:CX合宿 これからやること

ワールドカフェの模造紙(テーマ1)を分析している様子

ワールドカフェの模造紙(テーマ1)を分析している様子

CX合宿を通じて、みんなが対話を通じて聴き合うことには、対話の機会さえあれば慣れていく可能性がある。そして組織について語り合う機会をつくれば、一人ひとりがより組織を身近に感じられる可能性もある。みんなで組織づくりを進めるためには、継続的な対話の機会により、対話への慣れと組織を身近に感じることが必要。そしてその発散的な対話の時間だけではなく、そこから出たテーマや課題を収束させていく議論の時間もつくっていくことで価値に繋げていけると考えました。

編集後記

「100人規模でのワールドカフェ」「オンサイト&オンラインで同時にワークショップ」と初めての体験。今年7月入社で、まだあまり深く組織や人とつながれていない中、組織について真面目に話し合うことで何が起きるか?は正直不安を感じていました。ただガオリュウさんや、事前準備で関わってくれたサイキさんとイソダさんに、グループファシリの方々と、協力してくれる人が多かったこともあり、不安が軽減されていました。

「聴いてくれる人がいるから話せる、話せるからチャレンジできる」 合宿の場を検討する中で出てきた言葉です。あらためて考えると、準備から本番、そして今に至るまで、聴いてくれる人がいたからこそチャレンジが続いていたのかもしれません。 この場を借りて、今回関わってくれたすべての方々に感謝を。

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