労働生産性と業務効率化を区別する

2023.05.08
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
「生産性を高めるぞ!」という話題を見聞きする人は多いかと思います。
一方で、それぞれが話している生産性は何か、というと話題がすれ違っていることもあるでしょう。
そこで、今回は生産性に対する解釈として大きく2つ存在するであろう「労働生産性」と「業務効率化」について説明します。

労働生産性とは?

一般的に仕事における「生産性」について会話するとき「労働生産性」が対象になります。
労働生産性には、種類がありますが、ここでは「付加価値生産性」を代表例として説明します。
付加価値生産性は、企業が新しく生み出した価値である付加価値を単位とする生産性です。
売上から外部購入費を差し引いた付加価値を労働者一人あたりどのくらい生み出しているかを表すものです。
経営者やマネージャーが生産性を語るとき、こちらの視点の場合が多いのではないでしょうか。

業務効率化とは?

業務効率化は、業務のムリ・ムダ・ムラを省き、業務を効率化することです。
業務効率化生産性向上の1つの手段になります。つまり、本来は生産性そのものではありません。
個人の場合、生産性の話題になったとき、こちらの視点になる方もいるのではないでしょうか?

付加価値生産性と業務効率化を区別する

例えば単独の業務効率化を追求した場合、できるだけ割り込みを減らし、コミュニケーションを減らして、単独の作業に集中したほうがよさそうに思えるかもしれません。一方で、同じ業務に関わる関係者全体で考えた場合、
  • 業務全体の質、効率を高めるために何ができるか気軽に相談できること
  • 知的な刺激を与え合い、お互いを成長させるコミュニケーションをとれること
  • 業務に関わる不明点をすぐに確認できること
などの観点で生まれる価値が増え、付加価値生産性が高まるかもしれません。
これを踏まえると逆に「できるだけ割り込みを減らし、コミュニケーションを減らして、単独作業に集中する」という方向のみに偏っていると最終的な付加価値生産性は低くなっているかもしれません。
一方で、質や効率を高めるためにコミュニケーション機会を過度に増やしていると、個人の業務効率が下がっていきます。全体の仕組み整えてばかりで、実際に価値を生む活動が止まってしまったら本末転倒です。
そういった意味で、付加価値生産性と個人の業務効率化の話題は区別しつつ、どちらも損ないすぎないようにバランスをとる必要があるでしょう。

まとめ

今回は生産性に対する解釈として大きく2つ存在するであろう「労働生産性」と「業務効率化」について説明しました。
企業の活動が価値を生み出すことということを踏まえれば基本的に生産性の話題は労働生産性であり、その手段の1つである業務効率化に閉じない話題であり、もし、業務効率化に閉じた解釈が発生していたら、認識を揃える必要があるでしょう。