従業員エンゲージメントを支える10個の要素 – 7. 上司
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、従業員が組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態です。従業員エンゲージメントが高いと、事業成果に向けたパフォーマンスが高まるとされています。
従業員エンゲージメントに関する代表的な10個の要素を1記事につき、1項目ずつ紹介していきます。 他の要素が気になる方はまとめ記事をどうぞ。 今回は「上司」です。
「上司」からの支援とエンゲージメント
上司は、従業員が組織内でコミットして働けるかどうかに関わる最も重要な人物です。
例えば
- 従業員に会社や事業の方針を伝える
- 従業員にアサインする業務の方向性を決定する
- 従業員の成長を支援する
- 従業員の貢献を評価する
など、重要な役割を担います。これらの重要な要素が満たされているかどうかは、従業員のエンゲージメントに大きく関わります。
なお、会社によってはこれらの役割が分散していることもあります。 この場合、分散してサポートしている上司・先輩・他の同僚の全体がこの記事で紹介する「上司」に相当することになります。
「上司」による支援が不足しているとどうなるか?
上司による支援が不足していると、様々な弊害が発生します。 例えば、
- 従業員にアサインする業務を「個人のキャリアの成功」や「個人の成長」と関係なく決める - 個人の成長、成功からかけ離れる
- 従業員の成長を支援せず、放置する - 完全に自走できる人以外は個人の成長が滞る
- 従業員の貢献に対する評価が大雑把で納得感がない - 評価に対する不満が募る
- 従業員に会社や事業の方針を伝えない - 従業員が会社や事業から関心を失っていく
ということになります。 結果として、エンゲージメントは低下していきます。
上司から従業員に十分な支援をするために必要なこと
従業員のキャリアの成否を握っているという自覚を持つこと
上司は従業員のキャリアの成否を握っています。この自覚が大前提として必要になります。
従業員のキャリアの成功を社内で最も真剣に考えていること
上司は従業員のキャリアの成功について、社内でもっとも真剣に考えている必要があります。
従業員が困難に直面した際に支援していること
上司は従業員が困難に直面した際に、支援をする必要があります。
従業員の成長の実現を考えていること
上司は従業員の成長の実現を考える必要があります。 例えば、
- 成長機会の提供
- ティーチング
- コーチング
- 良い刺激を与えてくれる他の社員との顔つなぎ
などの支援がありえます。 ただし、支援の内容や分野について、自分よりも適任がいる場合、適任を取り次ぐのも選択肢の一つです。 上司と部下となる従業員の職種が異なる場合が典型例です。
従業員の心身の健康を常に気にかけていること
上司は従業員の心身の健康を気にかける必要があります。
「業務の負荷、対人関係、トラブル等で滅入っていないか?」
定期的な1on1など、定期的なやりとりを通じてそのようなアラートをキャッチできるようにしておきます。 自発的にアラートを上げてもらえるのが理想ですが、そのためには、ベースの信頼関係が重要になります。
従業員が意欲を持って仕事をするため支援していること
上司は従業員が意欲を持って取り組める状況を作る必要があります。
- 本人が目指すキャリアは?
- 本人が仕事で充実感を感じる部分は?その根底にある価値観は?
これらを踏まつつ、
- ポジティブフィードバック
- 貢献の可視化
- 成長の可視化
- 頼りにする
- 目指すキャリアを踏まえたアサイン
などで、意欲を保ちやすくします。
従業員への評価は常日頃から認識を揃えておくこと
評価は従業員に大きな満足を生むこともあれば、退職を決めるような大きな不満を生むこともあります。 従業員との間の評価に対する認識差が大きければ大きいほど、不満が高まりやすくなります。 そのため、評価の期間が半年だろうが1年だろうが、日々の1on1でやりとりが出来ていて、相互に評価の水準に対して認識が取れている状態が理想です。
従業員に十分なケアをするための余力を作り出していること
ここまで挙げたような要素を十分に実施するためには、時間的な余力が必要です。 そのため上司自身が個別の業務で手一杯にならないようにする必要があります。
上司の役割を分散させること
ここまで様々な要素を挙げてきました。ちょっと上司の役割が重たすぎるようにも感じます。いわゆる「マネージャーにスーパーマンを求めすぎ問題」です。
余力を作る話ともつながりますが、ここまで列挙した「上司が担う様々な行動」を常に上司1人だけでカバーする必要はありません。 得手不得手も踏まえつつ、チーム全体でカバーできればよいのです。そのため、個別の委譲可能な要素は分散していくと、結果的に各個人た体験できる「支援されている状態」は満たされやすくなるでしょう。
一方で、上司の役割を分散させる場合、
- 各従業員が何を大切にしているかなどを誰がどこまでしっておくのか?
- 各自が個別に支援している内容を把握できるか?
など、新たな課題が発生します。基本的には上司が把握し、取りまとめていくことになるでしょう。