従業員エンゲージメントを支える10個の要素 – 2. 十分なリソース

2023.04.12
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、従業員が組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態です。従業員エンゲージメントが高いと、事業成果に向けたパフォーマンスが高まるとされています。
従業員エンゲージメントに関する代表的な10個の要素を1記事につき、1項目ずつ紹介していきます。
他の要素が気になる方はまとめ記事をどうぞ。
今回は「十分なリソース」です。

「十分なリソース」とは?

「十分なリソース」は、ROIを踏まえた上で、業務を遂行する上で十分なリソース(人、時間、予算、情報、権限、設備)が揃っている状態です。
業務を遂行するためには人、情報、権限など十分なリソースが必要です。リソースが不足していると、本来の質や効率を発揮しにくくなります。
ただし、必要以上のリソースは事業として成立しません。あくまで「ROIを踏まえた範囲で必要最低限のリソースが提供されているかどうか」という捉え方になります。
十分なリソースは、「あるとエンゲージメントが高まる」というよりは、「不足するとエンゲージメントが低下する」側面のほうが大きいでしょう。
※便宜的にリソースの1つとして人が含まれていますが、人を物のように扱うという意図はありません。人は会社組織の要です。とっても大事

「十分なリソース」を確保できていないとどうなるか?

リソースが不足していると、期待される水準の成果を出すことが難しくなります。
また、効率の低下から、業務時間が長引きやすくなります。
従業員目線だと、「十分なスペックのPCがあれば・・・」「関係者の協力を取り付ける権限があれば・・・」というように、前提の不十分さからくるフラストレーションが溜まっていくことになります。
結果として、エンゲージメントが低下していくことになります。

従業員に十分なリソースを提供するために必要なこと

活動に必要な人員が揃っている

業務を遂行するためには十分な人員が必要です。
例えば、人員が不十分で、恒常的に残業過多になっている場合は、
  • ROIを踏まえて増員が可能な場合は人員を増やす
  • ROIを踏まえて増員が不可能な場合は業務量を抑える
のどちらかの判断をすることになります。

優先度に合わせて仕事量を調整する

業務を進める上で、リーダーになると取り組む内容を自分で決めることになります。
この場合、「あれもこれもすべて最優先で取り組む」「割り込みがあっても既存業務もすべて取り組む」という選択をしていると人員は次第に不足していきます。
例外的に「割り込みがあったが既存業務も同時をやり遂げる必要がある」というタイミングもありますが、あくまでイレギュラーです。向上的にこの状態が続いていては燃え尽きてしまいます。仕事は短距離走ではなく、マラソンです。
そういった点を踏まえて優先順をつけて一部の業務を対応範囲から外す意思決定をすればよい、という場面があります。
業務量のキャパシティコントロールをすることで、人員不足を防ぎやすくなります。ただ、言うほど簡単ではなく社内外のステークホルダーとの交渉力が問われます。

活動に必要な設備が揃っている

業務に役立つアプリケーションなど仕事を進めるための設備が必要です。
例えば、十分なスペックのPCを提供する場合などが典型です。恵まれた環境しか経験していないと当たり前過ぎて恩恵を感じにくいかもしれませんが、設備に大きく不足のある環境を経験している人はこのありがたみが身にしみているでしょう。

活動に必要な権限が揃っている

業務上必要になる権限が責務に合わせて十分に与えられている必要があります。
例えば、プロジェクトリーダーを任された場合に、人員調整を行う権限が必要な場合などが典型です。

活動に必要な情報が揃っている

業務上必要になる情報が十分に共有されている必要があります。
例えば、チーム全員に必要となるような情報がマネージャーしか閲覧できない状態になっていれば、都度マネージャーから情報を得なければ業務が進まなくなってしまいます。この場合、情報の共有範囲をチーム全体に広げることになります。
特に、チームや部門をまたいだ情報は流通整備が滞りがちなので、注意が必要です。

認識のズレを解消する

リソースに関わる問題が存在するが、認識がズレていることで問題ないと捉えられるケースがあります。
逆に、リソースに関わる問題は存在しないが、認識がズレていることで問題と捉えられるケースがあります。
こういった認識のズレを解消することも重要です。

リソースに関わる問題が存在するが、認識がズレていることで問題ないと捉えられるケース

例えば、『残業時間が継続的に多いが、業務改善すれば改善可能な範囲としてリソース不足の解消への対処を行わない』ようなパターンです。
この場合、以下のようなパターンが考えられます。
  • すでに大部分の業務改善は済んでいて、これ以上の改善余地がない
  • 業務改善対象はあるが、既存メンバーに業務改善の知識・スキルが不足している
  • 業務改善をするにも時間が必要であり、改善を推進するための一時的な負荷軽減が許されない
この場合、どのパターンなのかを見極め、まずは認識のズレを無くす必要があります。

リソースに関わる問題は存在しないが、認識がズレていることで問題と捉えられるケース

例えば、『残業時間は特別に多くないが、現場から「人的なリソースが不足している」という声があがる』ようなパターンです。
マネジメントに関わるような業務経験がないとROIの観点を想像しにくく、コストバランスを加味せずに「仕事が大変=人が足りない=人を増やすべきだ」という結論につながることがあります。こういった発想自体は本人に責任があるわけではなく、ある程度ジュニアな場合は仕方なくありえることです。
これに関して、事実ベースで残業時間等の具体的な業務負荷の問題の有無や、増員時に検討が必要になる収支への影響などについて丁寧に説明する必要があるでしょう。