経験学習 – まとめ

経験学習 – まとめ

Clock Icon2024.05.19
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

仕事においてステップアップをしていくためには新しい知識やスキルを身に着けていく必要があります。そして、新しい知識やスキルを習得する最善の方法は実践を通して経験をすることです。

個人が経験を通して学習するサイクルについて「コルブの経験学習」の概念があります。

ここではコルブの経験学習の要素をまとめた各記事の紹介と、インプット・アウトプット・実践コミュニティの関連を整理します。

具体的経験

具体的経験(Concrete Experience)とは、直接的に物事を経験し、その経験から学ぶことを指します。この文脈での具体的経験は、学ぶべき要素が含まれている経験が対象です。学習においては、新たな知識やスキルを獲得し、既存の理解を深めるために、具体的な経験が重要です。そのため、新しい課題や挑戦、あるいは問題解決の機会が含まれる経験は、学習につながる具体的経験と言えます。

詳しくは以下の情報を参照ください。

内省的省察

内省的省察(Reflective Observation)とは、経験をふりかえり、そこから学びを得るプロセスを指します。
詳しくは以下の情報を参照ください。

抽象的概念化

抽象的概念化(Abstract Conceptualization)とは、具体的な経験を通じて得られた知識やスキルをより抽象的なレベルで理解し、応用するプロセスを指します。

詳しくは以下の情報を参照ください。

能動的実験

能動的実験(Active Experimentation)とは、内省的省察や抽象的概念化を経て得られた新しい知識や洞察を実際の行動に移し、新しい経験を試みる段階です。

詳しくは以下の情報を参照ください。

インプット

経験学習サイクルを回す上で、インプットには以下のような側面があります。

内発的動機からのインプット

内発的動機に基づく学習は興味と好奇心を刺激し、持続的な学習意欲を保つのに役立ちます。また、ここで知識を増やしておくことで、具体的経験の機会を得やすくなります。

例えば、私が開発者だった頃、xUnitがまだまだ浸透していなかった時代に当時のチームメンバーの中で誰もxUnitの利用経験や知識がありませんでした。その中で私だけが個人的にxUnitを学習していたため、xUnitの導入担当としてアサインされることになりました。これは個人的な好奇心からくる学習をしていたおかげで新たな経験の機会を確認したということになります。

具体的経験の前のインプット

初めての挑戦や難題への挑戦など、具体的経験をする前や具体的経験に取り組む最中に関連する知識をインプットすることで、実際の経験をより深く理解し、効果的に活用することができます。

内省的省察の結果からのインプット

内省的省察を通じて特定された知識の不足を補うためにインプットを行うことで、次の具体的経験でのパフォーマンスを向上させることができます。これにより、学習サイクルがより効果的になります。

アウトプット

経験学習サイクルを回す上で、アウトプットには以下のような側面があります。

各種インプットの結果のアウトプット

学んだことをブログや登壇などでアウトプットすることで、自分の理解が深まります。また、他者に教えることや共有をすることは、自分自身の知識を整理し、確認する機会にもなります。

内省的省察、抽象的概念化の結果のアウトプット

自分の経験や学んだ概念を他人に伝えることで、学びの定着が促進されます。また、アウトプットすることで、自分の知識やスキルが他者の目に触れることになります。これにより他者からのフィードバックを受けることができる可能性が高まり、新たな視点や改善点を得ることができます。

また、社外・社内全体・部門内・チーム内など、自分が学んだことを他の人にも役立ててもらうことは、より広い範囲への貢献につながります。

実践コミュニティ

実践コミュニティ(Community of Practice)とは、共通の関心や目標を持った人々が、継続的に集まり、知識や経験を共有し、学び合いながら共に成長するコミュニティのことを指します。実践コミュニティは社内に存在することもあれば、社外に存在することもあります。

例えば、私が社外の方と2019年に共同で立ち上げたジンジニアコミュニティでは、元 or 現エンジニアで人事領域に関わる人が継続的に人事領域の情報交換をしています。これは社外の実践コミュニティにあたるでしょうし、クラスメソッドの社内Slackにある技術テーマごとの雑談チャネルや社内勉強会は社内の実践コミュニティにあたるでしょう。

経験学習サイクルを回す上で、実践コミュニティには以下のような側面があります。

このような恩恵を得るためには、既存の実践コミュニティに参加するか、実践コミュニティを自ら立ち上げるかのどちらかが必要です。また、どちらにせよ関係する人たちとの関係性が重要になるため、他者との信頼関係を継続的に高めるようなコミュニケーションがが大切になります。特に社内に同一領域の取り組みをしている人が少ない場合、社外の実践コミュニティに参加するか、自ら実践コミュニティを立ち上げる必要があるでしょう。

他者からの知識の獲得

同じ領域に関心を持つ他者と関わることで、自分が知らなかった知識を知るきっかけを得たり、自分では咀嚼しきれなかった難しい概念を理解するのを助けてもらえる可能性が高まります。

他者からのフィードバックの獲得

同じ領域に関心を持つ他者と関わることで、同じ領域に関して理解できている部分、理解できていない部分、誤っている部分などのフィードバックの得ることができます。

他者への知見の提供

同じ領域に関心を持つ他者と関わることで、他者に教える機会を得ることができます。人に教えるには自分がその対象を深く理解している必要があります。説明のために考えをまとめたり、文書化する中で実際に理解が深まることになります。また、人に教えること自体もスキルの一つであり、教えるスキルを強化することができます。

心理的な刺激

同じ領域に関心を持つ他者と関わることで、その領域に取り組む上での心理的な刺激を得ることができます。結果として、その領域に継続的に取り組んだり、その領域の難題に挑む意欲を維持しやすくなります。

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