決断の皮をかぶった判断
こんにちは。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において、合理的な判断をすることもあれば、不確実な前提の下で決断をすることもあります。この記事では、本来は判断の範囲内であるはずのお題を決断として扱ってしまうケースについてまとめます。
判断とは
判断とは、既存の情報やデータ、事実に基づいて、どの選択肢が最も合理的かを論理的に評価し、結論を出すプロセスです。情報が比較的揃っている状況で、論理的に選択肢を検討する場面に適しています。
決断とは
決断とは、選択肢の中から行動や方針を選び、実行に移す意思を固めることです。情報が不十分であったり、不確実性が高い場合でも、選ばなければならない状況で、直感や経験に基づいて意思決定することが求められます。
判断できることを決断にしない
決断が必要な場面で有耶無耶にせず決断をすることは重要です。一方で、実は十分な情報を集めれば合理的な判断ができる場面で、掘り下げをしない結果としてあたかも決断をしているようになる場合、それは好ましくない状態です。決断の皮をかぶった判断とも言えるようなものです。結果として本来であれば高い確度で正解となる選択肢を選ぶことができたはずの場面で、一か八かの選択を選ぶことになります。
以下のような場合に、決断の皮をかぶった判断が発生します。
情報へのアクセスの制限
すべての情報にアクセスできるわけではなく、必要なデータや事実が得られない場合に、直感や経験に基づいて決断することがあります。情報不足が原因で、判断を下すのが難しく、リスクを伴う決断を余儀なくされます。
この場合、情報共有の工夫や、情報を流通させる人のつながりや関係性を良好にすることで必要な情報を取得しやすくする対策が考えられます。
バイアスや思考の傾向
特に経験豊富なリーダーや専門家は、自分の過去の成功体験や知識に頼る傾向が強く、情報を十分に集めずに決断を下すことがあります。これにより、経験が直感に影響を与え、理論よりも直感に基づいた行動を優先することがあります。
この場合、意思決定に複数の人が関与し、違和感があれば伝えられるようにすることで、誤りを発見しやすくなります。そのためにも、異論を気兼ねなく伝えることができる関係構築が重要になります。
問題を明確にするスキルの不足
問題を明確にするスキルが不足していると、そもそも今自分が扱っているお題について情報が不足していること自体を認識できない可能性があります。結果的に直感的な決断をしてしまうことがあります。
この場合、問題を明確にするスキルが高い人が事例を元に考え方を伝えたり、今直面している問題への考え方を説明しながら一緒に整理してもらえると理想です。また、前提知識として問題解決に関する知識を書籍やウェブから得ることも有用です。ただ、知識はあくまで知識に過ぎないため、実践を通して得た知識を血肉にしていく必要があります。