個人的に興味深いと思った2022年のゲーム業界ニュース5選

個人的に興味深いと思った2022年のゲーム業界ニュース5選

Clock Icon2022.12.27

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こんにちは、ゲームソリューショングループの入井です。

2022年も残り僅かとなりましたので、今年のゲーム業界関連のニュースで印象に残ったものについてピックアップしてみます。

Google Stadiaのサービス終了

クラウドゲーミングサービスのGoogle Stadiaは、ビッグテックであるGoogleがいよいよゲーム産業に本格参入するという衝撃から、大きな革命を起こすサービスとして2019年の発表当初から期待されていました。

しかし今年の9月、想定より支持が得られなかったという理由でGoogleからサービス終了が発表されました。私自身、Stadiaには期待をしていたため、この発表はとても残念でした。ストリーミング映像の画質の劣化や遅延など、技術的な課題が多かったことにより評価が得られなかったようです。

Stadiaは終了してしまいますが、クラウドゲーミングという技術自体はまだまだ大きな可能性があると思われます。プラットフォームやPCスペックによる垣根が取り払われ、誰もが好きなゲームを気軽にプレイできるようになることは、多くのユーザが望んでいることでしょう。

クラウドゲーミングサービスは、NVIDIAやMicrosoft、ソニーといった多くの企業が現在も提供している他、Netflixも参入を検討していると言われています。各サービスの競争により技術の発展が進み、より手軽に遊べるようになっていくことを期待したいです。

Unreal Engine5 リリース

2020年に発表され、その後プレビュー版の提供が行われていたUnreal Engine5が、今年の4月に正式リリースされました。

Lumen、Naniteといった新機能によってグラフィック能力が強化されたほか、オープンワールドゲームの制作に役立つツールや、複雑なサウンド編集が可能なツールが追加されるなど、様々なアップデートが行われました。

その後、新たに5.1バージョンについてもリリースが行われました。

また、公式プラグインとして、MetaHumanというフォトリアルなキャラクターモデルをUnreal Engine上で使用できるMetaHumanプラグインがリリースされました。

このプラグインには、人物の顔3Dモデルを元にMetaHumanを作成できる機能も入っています。こちらについては、自分の顔を元にしたMetaHumanを作成し、ゲーム画面上で動かしてみるまでの過程をブログにも書きました。

これらの新機能を使い、どのようなゲームが作られていくのかが楽しみです。

東京ゲームショウ3年ぶりの現地開催

日本最大級のゲーム展示会である東京ゲームショウは、新型コロナウィルス感染拡大の影響により2020年からオフラインでの開催を中止していましたが(2021年はビジネスデーのみ開催)、今年の9月に3年ぶりに幕張メッセでの開催が行われました。

今年は弊社も出展し、AWSや各種SaaSを活用したゲーム開発支援についての展示を行いました。

(入社前の出来事なので私は行けませんでしたが、来年は是非行きたい……)

また、世界最大のゲームイベントであるE3も、来年は4年ぶりのオフライン開催を行うことが予告されています。

ゲーム業界以外のイベントについてもこういったリアル開催がどんどん始まっており、まだまだ感染者数は減っていきませんが、このまま徐々にWithコロナへと移行していくのが世界的な傾向のようです。

ここ数年、新型コロナの流行をきっかけにしたいわゆる巣ごもり需要の影響により、ゲーム関連市場は拡大傾向にありました。

市場の伸びがあまりに急激だったことから大きな反動が懸念されていましたが、今のところ急落と言えるような数字は出ておらず、横ばい状態をキープできているようです。とは言え、Withコロナ移行によって外での活動の再開が進むにつれ、巣ごもり需要が縮小するのは間違いなため、現状の市場規模をいつまで維持できるのか注意が必要と思われます。

サイバーパンク2077 メディアミックスアニメによる再評価

ゲームの関連作品をアニメや漫画といった別の媒体で出すことにより、各メディア間の相乗効果で作品の市場を広げるメディアミックスという手法は昔からよく使われています。今年は、そのメディアミックスによりサイバーパンク2077という作品が大きな成功を収めました。

このサイバーパンク2077という作品、原作ゲームは2020年に発売されたのですが、数多くのバグや一部のプラットフォームで満足にプレイできないという品質の問題から、最終的に返金対応が行われるほどに酷評を受けていました。その後、多くのアップデートを重ねることで品質は徐々に改善していきましたが、リリース初期の悪評を覆すことはなかなかできていませんでした。

そんな折、日本のアニメ会社が制作した「サイバーパンク2077 エッジランナーズ」がNetflixで配信され、そのクオリティの高さが世界中で評価されました。結果、原作ゲームを知らない人だけでなく、かつてのプレイヤーも再びプレイするようになり、アップデートによる改善が進んでいたこともあり、原作ゲームの再評価が一気に進みました。

海外ゲーム x 日本アニメという組み合わせ自体ほとんど先例がないにも関わらず、アニメのヒットが原作ゲームの評価を逆転させるような影響を及ぼしたことは、世界中に驚きを与えました。

この事例により、今後は海外ゲームであっても日本アニメとのメディアミックスを積極的に進めていく作品が多く登場するかもしれません。

画像生成AIの台頭

今年の技術トレンドといえば、やはり画像生成を行うAIサービスの大流行が目立ちます。厳密にいえばゲーム関連のトピックではないですが、ゲーム制作にも間接的に大きな影響を与える技術です。

少しのテキストから高品質な画像を生成する機能は驚異的であり、SNS上でも生成結果の共有が積極的に行われるようになりました。

画像生成の簡単さだけでなく、AIの独自の解釈によって珍妙な画像が生成されることも話題になり、その解釈の不安定さを利用したゲームまで開発されました。

一方で、画像生成に至るまでの学習素材として使われるデータの倫理的・著作権的な問題についての議論も巻き起こりました。

これらの議論は現在も続いており、来年以降も続いていくと思われます。センシティブな論点が多く、サービス提供者は利用者が納得できる十分な考慮が必要になるでしょう。

また、画像生成の結果自体も現状ではそのまま使用するには穴があることも多く、今後はAIで生成した画像を実利用に耐えるようにする調整手法についても検討が進んでいくと思われます。

さいごに

印象に残った今年のニュースについて振り返ってみました。今回取り上げたクラウドゲーミングやAIなどといった技術が、来年はどのような変遷をたどるのか引き続き注目していきたいと思います。

1ゲーマーの視点としても、来年はビッグタイトルの発売が何本も予告されており、嬉しい半面時間やお金が足りるだろうかという不安反面といった感じです。

来年も、楽しみながらゲームに関わっていきたいと思います。

良いお年を。

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