Gemini のガイド付き学習で添付ファイルの内容を学習してみた

Gemini のガイド付き学習で添付ファイルの内容を学習してみた

通常、ガイド付き学習は添付ファイルを用いずに利用する事が多い機能かと思いますが、今回は添付ファイルの内容に対する学習をしたい場合の挙動を確認してみました。
2025.08.08

こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

Gemini でガイド付き学習機能がリリースされました。

https://x.com/Google/status/1953143185011617891

通常、ガイド付き学習は添付ファイルを用いずに利用する事が多い機能かと思いますが、今回は添付ファイルの内容に対する学習をしたい場合の挙動を確認してみました。

添付ファイルの内容

組織開発室では、オンボーディングの一部として 従業員体験 入門編 を基礎知識としてインプットすることにしています。

今回は検証用にこの ZennBook の一部を学習対象として添付してみました。以下の2つを Google ドキュメントに保存し、 Gemini とチャットのやりとりに添付しました。

employee-engagement-file

添付ファイルを元にしたガイド付き学習を試してみる

添付ファイルを指定して、『ガイド付き学習』をオンにしてチャットしてみました。

guided-learning-button

入力

従業員体験について整理して理解したいです

出力

承知しました。一緒に「従業員体験」について整理していきましょう。

従業員体験という言葉は聞いたことがありますか?組織に所属している人が経験すること全般を指す言葉ですが 、この言葉からどんなことを想像しますか?

入力

モチベーションが上がるようなポジティブな体験や苦しくなるようなネガティブな体験がありそうです

出力

なるほど、ポジティブな体験とネガティブな体験の両方がありそうだという考え、とてもいいですね!

資料によると、従業員体験が**良好**な場合と**劣悪**な場合で、それぞれどんな影響があると書かれていましたか?

入力

会社目線だとメンバーのパフォーマンスが向上し、事業が成功しやすくなります。また、ポジティブな体験をしている従業員は定着しやすそうです。

出力

良い気づきですね! 従業員体験が良好な場合、会社にとっては**ポジティブな影響**があるということですね。資料には、具体的にどんなポジティブな影響があると書かれていましたか?

入力

貢献意欲が高まった結果、事業成果が高まりやすいとありました。また定着率が向上するとも。

出力

なるほど!従業員体験が良好だと、**組織に対する貢献意欲が高まり**、その結果として**事業が成功しやすくなる**んですね。そして、**従業員が定着しやすくなる**というメリットもあると。

では、逆に従業員体験が**劣悪**な場合は、どうなると書かれていましたか?

入力

反対に貢献意欲が低下し、事業が失敗しやすくなり、従業員が離職しやすくなります

出力

その通りです!従業員体験が劣悪だと、**組織に対する貢献意欲が低下し**、結果として**事業が失敗しやすくなる**んですね。そして、**従業員が離職しやすくなる**というネガティブな影響ももたらす、と資料には書かれています。

ここまでで、従業員体験が組織に与える影響について整理できましたね。

次に、この従業員体験が、いつからいつまでの期間を指すのか、資料にはどのような範囲が書かれているか見てみましょう。

入力

広義としては認知から退職後のアルムナイの期間の全体。

狭義としては入社から退社まで。

出力

おー、資料の内容をしっかり理解されていますね!

資料によると、**広義の従業員体験**は、候補者が会社を**認知**してから、**内定を受諾**するまでの期間(候補者体験)、そして**入社**から**退職**するまでの期間(従業員体験)、さらには**退職後**(アルムナイ体験)まで、非常に広い範囲を指すんですね。

そして、**狭義の従業員体験**は、**入社**してから**退職**するまでの期間を指していると。この違いは重要ですね。

では、広義の従業員体験の範囲の中に、さらに細かく「**候補者体験**」という言葉が出てきていますね。この候補者体験も、さらに「潜在候補者体験」と「狭義の候補者体験」に分かれているようですが、それぞれの期間はいつからいつまでだと書かれていましたか?

入力

潜在候補者体験 - 認知〜応募前まで

狭義の候補者体験 - 応募〜内定受諾まで

出力

You've got it! That's a great breakdown.

* **潜在候補者体験**は、会社を**認知**してから、実際に**応募**するまでの期間ですね 。
* **狭義の候補者体験**は、**応募**してから、**内定を受諾**するまでの期間 。

これで、広義の従業員体験が、入社前から退職後まで、非常に長い期間にわたるものだと理解できましたね。

最後に、従業員体験は様々な場面で発生すると資料には書かれていましたが、たとえばどのような場面が挙げられていましたか?

入力

入社日、人事評価の結果を聞く日などがありましたが、要点は具体的に資料に何があったかではなく、従業員体験にはどのようなものがあるのかを理解していることだと思います。

出力

素晴らしいです!まさにその通りですね。資料には具体例として「入社初日の体験」、「人事評価の結果を聞く体験」、「上司との1on1の体験」などが挙げられていました。

これらは、従業員が組織で過ごす日々の中で、**様々な場面で体験が発生する**ということを示しています。

これで「従業員体験」という言葉の、定義から、影響、そして範囲まで、一通り整理できましたね。
では、この学習をさらに深めるために、これまでの内容を元に、あなたにとっての「従業員体験」の重要性について、少し考えてみませんか?

入力

広義の従業員体験と狭義の従業員体験について理解を深めたいのでイラストで図解してください

出力

ご指定いただいた「従業員体験」の範囲についてのイラストを作成しました。

この図で、広義と狭義の違いを視覚的に理解していただけるかと思います。

generated-employee-experience-image

入力

復習したいです。クイズを出してください

出力

従業員体験について、これまでの内容を復習するためのクイズを作成しました。ぜひ挑戦してみてください!

quiz1

quiz-result

添付ファイルを元にしたガイド付き学習の感想

  • ファイルの内容を事前に読み込んだうえで、理解を確認するような学習方法になる
  • 逆に言うと内容を把握しない状態で実施しても、答えようがない質問ばかりになる

NotebookLM との使い分け

任意の情報を元にした学習のためのツールとしては、 NotebookLMもあります。
そこで、任意の情報を元に学習をする場合の Gemini / NotebookLM の違いをまとめてみます。

項目 Gemini のファイル添付 NotebookLM の学習ガイド機能
主な用途 添付ファイルの内容の要約、質問への回答、復習 ゼロからの学習、トピックの深掘り、関連知識の探索
学習スタイル 読了済みドキュメントの効率的な再学習、クイズ作成 文脈に沿った対話形式での理解、思考の整理
得意なこと 短時間でファイル内容を再確認したい場合 新しいトピックを体系的に学びたい場合
その他 既存の知識を補強するツール 新しい知識を構築するツール

Geminiのガイド付き学習の利点

Gemini のガイド付き学習は、 LearnLM という教育に特化したモデルを基盤としており、学習科学に基づいた対話形式で、ユーザーの理解度を深めることに長けています。

  • 広範な知識との連携 : 添付ファイルの情報だけでなく、インターネット上の広範な知識と組み合わせて回答を生成できます。これにより、特定の資料には書かれていない背景知識や関連情報を学ぶことができます
  • マルチモーダルな応答 : テキストだけでなく、画像、図、動画、インタラクティブなクイズなどを組み合わせて学習をサポートします。視覚的に理解を深めたい場合に特に有効です
  • 柔軟な学習 : 添付ファイルの内容を基にしながらも、ユーザーの質問に応じて柔軟に議論の方向性を変えられます。エッセイの執筆ガイドや数学問題の解法など、特定のタスクを支援する上でも柔軟に対応します

NotebookLM の限界

NotebookLM は、アップロードされたソースに限定して回答を生成するため、以下のような状況では Geminiの 方が有利になります。

  • 資料にない情報が必要な場合 : 添付ファイルに記載されていない新しい情報や、文脈を補足するような広範な知識が必要な場合、 NotebookLM では対応できません
  • マルチモーダルな学習 : NotebookLM はテキストベースの学習に特化しており、視覚的な情報や動画を使った学習には対応していません

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