Gemini Intelligence 入門 ― AppFunctions と Gemini Nano #DevelopersIO 2026 Hiroshima #登壇レポート

Gemini Intelligence 入門 ― AppFunctions と Gemini Nano #DevelopersIO 2026 Hiroshima #登壇レポート

AI がアプリを操作する時代が近づいています。 アプリ側で実装が必要な AppFunctions と それを支える Gemini Nano(オンデバイスのAIモデル) について、検証結果を交えて紹介した登壇の内容をまとめました。
2026.10.19

はじめに

2026年10月16日、DevelopersIO 2026 Hiroshima<AIxクラウド技術祭> に登壇しました!🦪

https://classmethod.connpass.com/event/400601/

発表テーマは「Gemini Intelligence 入門 ― AppFunctions と Gemini Nano」で、本記事はその登壇内容をまとめたレポートです。

登壇資料

概要

2026年5月、Google は Android の AI 機能群「Gemini Intelligence」を発表しました。
Gemini がユーザーに代わってアプリを操作するなど、Android は「AI がアプリを操作する」OS になろうとしています。

本登壇では、この変化に開発者がどう関わるのかを、2つの入口から紹介しました。

方向 仕組み 内容
AI がアプリを使う AppFunctions アプリの機能を関数として公開し、AI エージェントに呼んでもらう
アプリが AI を使う Gemini Nano 端末内の LLM を ML Kit GenAI API で呼び、軽い処理を端末内で済ませる

AppFunctions については、Pixel 10 / Android 17 で AI エージェントが端末の関数を探して呼ぶ流れを実際に試しました。

登壇内容ダイジェスト

Gemini Intelligence とは

Gemini Intelligence は Android 端末向けの AI 機能群です。
発表された機能は、操作・入力・UI の3つに分けられます。

今回は「操作」に注目してみました。

既に Google 製アプリでは Google Workspace の機能を用いて、Gemini ベースでアプリの機能を利用することができます。

  1. 「明日 iPhoneDuo の予約販売の予約をします ToDo とカレンダーに追加して」と Gemini に依頼
  2. 各アプリを操作せずに、ToDo リストにタスクが、カレンダーに予定が追加される

このような操作が、Gemini Intelligence によって AppFunctions を実装した どのアプリでも 実現可能になります。

AppFunctions について

エージェントがアプリを動かす方法として Intelligence System に次の4つがあります。

AppFunctions は、アプリの機能を「関数」として公開し、AI エージェントが呼び出せるようにする仕組みです。
PC で Claude Code が MCP 経由で Gmail や GitHub を操作するのと同じ関係を、スマホの Gemini とアプリのあいだに作るものと捉えると分かりやすいと思います。

頼む相手 操作するための口 操作される側
PC Claude Code MCP Gmail・GitHub など
スマホ Gemini AppFunctions アプリ

処理の流れは次のとおりです。

AppFunctions の実装は こちら を参照してください。

Pixel 10 で AppFunctions を試す

EAP(Early Access Program)への申込を検討しましたが、定員に達して受付が止まっていました……

どうにか試す方法がないのか、Pixel 10 / Android 17 と Mac を繋いで AppFunctions の一覧を取得できるか、$ adb shell cmd app_function list-app-functions を実行したところ……
なんと、既に 9アプリ・47関数 が AppFunctions として用意されていました!(やったー!🎉)

アプリ 関数の数
Google Play 開発者サービス 18
設定 13
eSIM 4
Pixel Buds 4
Digital Wellbeing 3
Google アプリ 2
メッセージ 1
権限コントローラ 1
Pixel サポート 1

AppFunctions が公開されているアプリさえあれば、
Android の Gemini の代わりに、Mac の Claude Code から adb 経由で adb shell cmd app_function を実行することができます。

検証では、Claude Code に 「ダークモードをオンにして」 とだけ伝え、次の2点がどう実行されるのか見てみました。

  • 見つける:AI はどうやって関数(AppFunctions)を見つけ、使い方を知るのか
  • 呼ぶ:呼ぶと、何が起きるのか

見つける:関数名で絞り、項目の説明から探す

  1. list-app-functions で関数の一覧を取得する(関数名だけで、説明も引数の定義もない)
  2. 関数名から、設定アプリの getDeviceStateMetadata に当たりをつける
  3. getDeviceStateMetadata を呼ぶと設定項目が291個返るので、dark・night・theme などのキーワードで7画面まで絞る
  4. dark_ui_mode/dark_ui_activated(BOOL・書き込み可)を選ぶ
  5. set の引数の形は設定アプリに書かれていないため、同じ devicestate.v1 仕様を使う Play 開発者サービスなどの定義から、key と value を渡せばよいと判断する

呼ぶ:その場で切り替わった

  1. getDeviceStateItem で今の値を読む → false(オフ)
  2. setDeviceStateItem で value に true を渡す → 画面がその場でダークモードに切り替わる
  3. もう一度 getDeviceStateItem で読む → true

わかったこと

特別なことはなく、見つける → 決める → 呼ぶ という流れでした。
PC で Claude Code に作業を頼んでいるときと同じで(実際 Claude Code でやっているので当たり前ですが)、Android の Gemini が AppFunctions を呼ぶときも、おそらく同じような流れになると考えています。

開発者として AppFunctions をどう設計するか

観点 考えること ポイント
公開範囲 どの機能を関数として公開するか AI に頼まれそうな操作から選ぶ(例:写真検索)
説明 AI に関数を正しく選ばせる KDoc に用途と引数を書く。ないと AI は推測で補うことになる
確認 取り消せない操作をどう扱うか 取り消せない操作は、アプリ側で確認を挟む

AppFunctions を用意していない機能は、AI が画面を操作する Computer Control に頼ることになる可能性があります。
そうなると、AI にとって使いにくいアプリになるかもしれません。

Gemini Nano とは

Gemini Nano は、端末の中で動く Google の LLM です。
OS のシステムサービスである AICore がモデルの配布・更新を管理し、Gemini Intelligence の対応条件にもなっています(nano-v3 以上)。

開発者は、ML Kit GenAI API を通じてアプリから Gemini Nano を呼び出せます。
AppFunctions が「AI がアプリを使う」入口なら、こちらは アプリが AI を使う 入口です。

Gemini Nano の使い所

オンデバイスの LLM が向くのは、次のような処理です。

  • オフラインでも動かしたい
  • 機密データを端末の外に出したくない
  • 高頻度の軽い処理

詳しくはこちらの記事で紹介しています。
https://dev.classmethod.jp/articles/flutter-gemini-nano/

登壇では触れなかった補足

iOS

iOS でも同様の機能群が提供されています。

Android iOS
システム Gemini Intelligence Apple Intelligence
関数 AppFunctions App Intents
モデル Gemini Nano Foundation Models

参考:Apple Intelligence の記事一覧

Web

Gemini Intelligence の機能群には Gemini in Chrome も挙げられています。
Intelligence System の Computer Control と合わせると、Web ブラウザも AI が操作するものになっていきます。
Web システムには、AI が読み取りやすく操作しやすい作りが、これまで以上に求められると思います。

一番伝えたかったこと

スマホアプリは AI が操作するもの になろうとしています。
また、スマホアプリに AI 機能がある ことが当たり前になろうとしています。

開発者として 「AI に任せることで、スマホユーザーの手間が減る場面」 を探し、新しい体験を届けられるようにしたいですね。

おわりに

登壇の機会をいただきありがとうございました。

お知らせ

クラスメソッドでは、既存スマホアプリを Flutter で iOS/Android 同時に作り直し、バックエンドは AWS で再構築する「AI駆動アプリリニューアル」を提供しています。
現行アプリの仕様読み解きから設計・実装まで生成 AI を組み込んだ開発プロセスで進めるため、レガシー化したアプリのリニューアルを短い期間で回せます。

サービス詳細・お問い合わせはこちら

https://classmethod.jp/services/ai/ai-app-renewal/?utm_source=devio&utm_medium=blog&utm_campaign=ai-app-renewal&utm_content=footer

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参考


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