
Gemini Intelligence 入門 ― AppFunctions と Gemini Nano #DevelopersIO 2026 Hiroshima #登壇レポート
はじめに
2026年10月16日、DevelopersIO 2026 Hiroshima<AIxクラウド技術祭> に登壇しました!🦪
発表テーマは「Gemini Intelligence 入門 ― AppFunctions と Gemini Nano」で、本記事はその登壇内容をまとめたレポートです。
登壇資料
概要
2026年5月、Google は Android の AI 機能群「Gemini Intelligence」を発表しました。
Gemini がユーザーに代わってアプリを操作するなど、Android は「AI がアプリを操作する」OS になろうとしています。
本登壇では、この変化に開発者がどう関わるのかを、2つの入口から紹介しました。
| 方向 | 仕組み | 内容 |
|---|---|---|
| AI がアプリを使う | AppFunctions | アプリの機能を関数として公開し、AI エージェントに呼んでもらう |
| アプリが AI を使う | Gemini Nano | 端末内の LLM を ML Kit GenAI API で呼び、軽い処理を端末内で済ませる |
AppFunctions については、Pixel 10 / Android 17 で AI エージェントが端末の関数を探して呼ぶ流れを実際に試しました。
登壇内容ダイジェスト
Gemini Intelligence とは
Gemini Intelligence は Android 端末向けの AI 機能群です。
発表された機能は、操作・入力・UI の3つに分けられます。

今回は「操作」に注目してみました。
既に Google 製アプリでは Google Workspace の機能を用いて、Gemini ベースでアプリの機能を利用することができます。
- 「明日 iPhoneDuo の予約販売の予約をします ToDo とカレンダーに追加して」と Gemini に依頼
- 各アプリを操作せずに、ToDo リストにタスクが、カレンダーに予定が追加される

このような操作が、Gemini Intelligence によって AppFunctions を実装した どのアプリでも 実現可能になります。
AppFunctions について
エージェントがアプリを動かす方法として Intelligence System に次の4つがあります。

AppFunctions は、アプリの機能を「関数」として公開し、AI エージェントが呼び出せるようにする仕組みです。
PC で Claude Code が MCP 経由で Gmail や GitHub を操作するのと同じ関係を、スマホの Gemini とアプリのあいだに作るものと捉えると分かりやすいと思います。
| 頼む相手 | 操作するための口 | 操作される側 | |
|---|---|---|---|
| PC | Claude Code | MCP | Gmail・GitHub など |
| スマホ | Gemini | AppFunctions | アプリ |
処理の流れは次のとおりです。

AppFunctions の実装は こちら を参照してください。
Pixel 10 で AppFunctions を試す
EAP(Early Access Program)への申込を検討しましたが、定員に達して受付が止まっていました……

どうにか試す方法がないのか、Pixel 10 / Android 17 と Mac を繋いで AppFunctions の一覧を取得できるか、$ adb shell cmd app_function list-app-functions を実行したところ……
なんと、既に 9アプリ・47関数 が AppFunctions として用意されていました!(やったー!🎉)
| アプリ | 関数の数 |
|---|---|
| Google Play 開発者サービス | 18 |
| 設定 | 13 |
| eSIM | 4 |
| Pixel Buds | 4 |
| Digital Wellbeing | 3 |
| Google アプリ | 2 |
| メッセージ | 1 |
| 権限コントローラ | 1 |
| Pixel サポート | 1 |
AppFunctions が公開されているアプリさえあれば、
Android の Gemini の代わりに、Mac の Claude Code から adb 経由で adb shell cmd app_function を実行することができます。
検証では、Claude Code に 「ダークモードをオンにして」 とだけ伝え、次の2点がどう実行されるのか見てみました。
- 見つける:AI はどうやって関数(AppFunctions)を見つけ、使い方を知るのか
- 呼ぶ:呼ぶと、何が起きるのか
見つける:関数名で絞り、項目の説明から探す
list-app-functionsで関数の一覧を取得する(関数名だけで、説明も引数の定義もない)- 関数名から、設定アプリの
getDeviceStateMetadataに当たりをつける getDeviceStateMetadataを呼ぶと設定項目が291個返るので、dark・night・theme などのキーワードで7画面まで絞るdark_ui_mode/dark_ui_activated(BOOL・書き込み可)を選ぶ- set の引数の形は設定アプリに書かれていないため、同じ
devicestate.v1仕様を使う Play 開発者サービスなどの定義から、keyとvalueを渡せばよいと判断する
呼ぶ:その場で切り替わった
getDeviceStateItemで今の値を読む →false(オフ)setDeviceStateItemでvalueにtrueを渡す → 画面がその場でダークモードに切り替わる- もう一度
getDeviceStateItemで読む →true
わかったこと
特別なことはなく、見つける → 決める → 呼ぶ という流れでした。
PC で Claude Code に作業を頼んでいるときと同じで(実際 Claude Code でやっているので当たり前ですが)、Android の Gemini が AppFunctions を呼ぶときも、おそらく同じような流れになると考えています。
開発者として AppFunctions をどう設計するか
| 観点 | 考えること | ポイント |
|---|---|---|
| 公開範囲 | どの機能を関数として公開するか | AI に頼まれそうな操作から選ぶ(例:写真検索) |
| 説明 | AI に関数を正しく選ばせる | KDoc に用途と引数を書く。ないと AI は推測で補うことになる |
| 確認 | 取り消せない操作をどう扱うか | 取り消せない操作は、アプリ側で確認を挟む |
AppFunctions を用意していない機能は、AI が画面を操作する Computer Control に頼ることになる可能性があります。
そうなると、AI にとって使いにくいアプリになるかもしれません。
Gemini Nano とは
Gemini Nano は、端末の中で動く Google の LLM です。
OS のシステムサービスである AICore がモデルの配布・更新を管理し、Gemini Intelligence の対応条件にもなっています(nano-v3 以上)。
開発者は、ML Kit GenAI API を通じてアプリから Gemini Nano を呼び出せます。
AppFunctions が「AI がアプリを使う」入口なら、こちらは アプリが AI を使う 入口です。

Gemini Nano の使い所
オンデバイスの LLM が向くのは、次のような処理です。
- オフラインでも動かしたい
- 機密データを端末の外に出したくない
- 高頻度の軽い処理
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
登壇では触れなかった補足
iOS
iOS でも同様の機能群が提供されています。
| Android | iOS | |
|---|---|---|
| システム | Gemini Intelligence | Apple Intelligence |
| 関数 | AppFunctions | App Intents |
| モデル | Gemini Nano | Foundation Models |
Web
Gemini Intelligence の機能群には Gemini in Chrome も挙げられています。
Intelligence System の Computer Control と合わせると、Web ブラウザも AI が操作するものになっていきます。
Web システムには、AI が読み取りやすく操作しやすい作りが、これまで以上に求められると思います。
一番伝えたかったこと
スマホアプリは AI が操作するもの になろうとしています。
また、スマホアプリに AI 機能がある ことが当たり前になろうとしています。
開発者として 「AI に任せることで、スマホユーザーの手間が減る場面」 を探し、新しい体験を届けられるようにしたいですね。
おわりに
登壇の機会をいただきありがとうございました。
お知らせ
クラスメソッドでは、既存スマホアプリを Flutter で iOS/Android 同時に作り直し、バックエンドは AWS で再構築する「AI駆動アプリリニューアル」を提供しています。
現行アプリの仕様読み解きから設計・実装まで生成 AI を組み込んだ開発プロセスで進めるため、レガシー化したアプリのリニューアルを短い期間で回せます。
サービス詳細・お問い合わせはこちら
クラスメソッド リテールアプリ共創部では、一緒に働くメンバーを募集しています。
Flutter / モバイルアプリ開発に興味のある方はぜひご覧ください。









